最近はだいぶ無くなったが、
知人からプロミュージシャンのライヴやコンサートのチケット販売を頼まれることがある。
誰もが知る超有名プロならば、頼まれたチケットをさばくのにそんなに苦労はないが、
「その筋では有名」なアーチストや「知る人ぞ知る名手」とかのチケットは販売に苦労する。
自分でもよく知らず、一般的にもあまり知られていないプロの興行の場合、
セールストークはフライヤー(チラシ)に書いてある「見出し」や「プロフィール」から引用するしかない。
有名音楽校や組織への加入歴、何かの受賞歴、活動実績、楽器の値段、他の有名人との関わりを並べ
「お金を払って見に行くに足る」すごいミュージシャンなんです
「見ないと損をしますよ」
と説得することになる。
音楽表現の妙や多彩さ深さ高さなどは説明されても解りにくいが、
「賞」や「楽器の値段」など形があるものは伝えやすいのだ。
だから
プロの演奏会場には受賞歴やなんらかのステータスを見に来た人が必ず存在する。
そういう人は
現場で生のパフォーマンスに触れ、感激できることがあると
「さすが○○賞の受賞者だ」と「賞」を誉め、
権威に恐れ入りながら帰っていく。
またある人は
「さすが○○○万円の楽器だ」と「金額」を誉め、
金の持つ偉大な力を讃えながら帰っていく。
人は弱い。