こんばんは!まずは皆さん、乾杯っ!![]()
夏の終わりといえば、ご近所の盆踊り。うちの近所でも毎年恒例で開催されていまして、太鼓の音が聞こえてくると「あぁ、今年も夏が終わるなぁ」としみじみしてしまいます。屋台の焼きそばの匂い、提灯の灯り、浴衣の子どもたち。そして、大人にはやっぱり片手にビール。この組み合わせ、もはや日本の夏の風物詩ですよね。
で、うちの近所の盆踊りでは、なぜか毎年青島ビールが売られているのです。中華系の屋台が出ているからなのか、定番のように青島ビールが並んでいて、ここ数年は「盆踊り=青島」が私の中の決まり事になっていました。ただ、お値段が1本500円と、缶ビールにしてはちょっとお高め。お祭り価格なので仕方ないとはいえ、下戸で1本しか飲めない身としては、なかなか悩ましいところです。
しかも今年は事情がありまして。実は現在、我が家の冷蔵庫には青島ビール プレミアムと青島ビール スタウトが出番待ちで待機中なのです。同じ銘柄のバリエーションが2本も控えているのに、さらに屋台で青島を買うのはさすがに青島づくしすぎる。そんなわけで、今年の盆踊りは青島ビールをぐっとこらえて、別のビールを持参することにしました。以前、青島ビールの記事で「ビールって旨いものなんだ」と認識を変えてもらった恩がある銘柄なので、ちょっと後ろ髪を引かれつつ、ですけどね。
そこで向かった先が、近くのまいばすけっと。イオン系の小型スーパーですが、ここの輸入ビールコーナーが地味に充実していて、以前もブルームーンを見つけたことがあるお店です。ずらっと並んだ缶の中から今回選んだのは、緑と白のラベルに金色の龍が舞う「サイゴンラガー」。ベトナム・ホーチミンの国民的ビールです。まいばすけっと価格なら、屋台の青島ビールよりもだいぶお財布に優しいのもポイント。
実は私、東南アジア系のライトなビールがけっこう好きなんです。タイのシンハー、シンガポールのタイガービール、インドネシアのビンタンと、これまで飲んできたアジアのビールはどれも当たりでした。暑い国のビールは暑い国なりの理屈で造られていて、ゴクゴク飲めるように薄めに仕上がっているものが多い。苦いビールが苦手な下戸にとっては、むしろありがたい方向性なのです。だから今回のサイゴンラガーも、飲む前から「多分好きなやつだと思う!」と、根拠のない自信があります。
缶を冷やして、盆踊り会場へ。太鼓と笛の音が響く夜の公園で、プシュッと開ける瞬間の高揚感といったら。というわけで今回は、ベトナム生まれのビールを日本の盆踊りで飲むという、ちょっと不思議な組み合わせでお届けします。青島ビールを我慢した甲斐はあったのか、しっかり確かめてきましたよ![]()
サイゴンラガーとは?
サイゴンラガーを造っているのは、ベトナム最大級のビール会社「SABECO(サベコ)」。正式には「Saigon Beer - Alcohol - Beverage Corporation」、直訳すると「サイゴンビール・酒類・飲料株式会社」といったところ。創業の地であり登記上の本社があるのは、ホーチミン市の5区です。ホーチミンといえば、かつての「サイゴン」ですね。ブランド名の「Bia Saigon(ビア・サイゴン)」は、まさにこの街の名前を冠したビールなのです。
缶に「EST. 1875」とあるとおり、その起源はなんと1875年。フランスの植民地時代に、フランス人のヴィクトル・ラリュー氏がサイゴンに開いた小さな醸造所(もともとは製氷工房だったとも言われています)が出発点です。日本でいえば明治8年。ちなみに日本最古クラスのサッポロビールの前身が誕生したのが1876年ですから、ほぼ同い年。150年近い歴史を持つ、アジアでも屈指の老舗ビールというわけです。その後、1977年にサイゴンビール工場として国営化され、1993年にサイゴンビール社、2003年に現在のSABECOへと姿を変えていきました。
そして2017年、大きな転機が訪れます。タイの巨大飲料グループタイ・ビバレッジ(ThaiBev)が、ベトナム政府からSABECO株の53.59%を約48億ドルで取得し、傘下に収めたのです。タイ・ビバレッジといえば、チャーンビールの会社。つまりサイゴンラガーとチャーンは、いまや同じグループの兄弟ビールなんですね。ベトナム国内のシェアは2023年で約34%、ハイネケンに次ぐ第2位。「PROUD TO BE THE NATIONAL BEER(国民的ビールであることを誇りに)」というスローガンを掲げ、輸出先は35カ国に及ぶそうです![]()
SABECOのラインナップはなかなか豊富で、代表格はビア・サイゴンのシリーズ。緑の缶の「サイゴン スペシャル」、赤い缶の「サイゴン エクスポート プレミアム」、そしてもうひとつの看板「333(バーバーバー)」。ベトナム料理店で見かける「333」は、実はこのSABECOの銘柄なのです。そして今回の「サイゴンラガー」は、その中でも日常使いの定番ポジション。ベトナムの街角の食堂やビアホイ(路上のビール屋台)で、氷を入れたグラスでガブガブ飲まれている、まさに「ベトナムの日常のビール」だと思っていただければ。
スペックを見てみましょう。公式サイトによれば、アルコール度数は4.3%。原料は水・大麦麦芽・穀類・ホップとあり、日本の缶の表記では「麦芽、ホップ、米」となっています。そう、米入りなのです。米を使うラガーというと、バドワイザーや青島ビール、日本の大手ビールにも共通する手法で、麦芽100%のビールに比べて軽やかでスッキリした飲み口になるのが特徴。暑い国で氷を入れてまで飲むビールですから、この軽さは狙って造られたものなのでしょうね。公式の推奨温度は10〜15℃と、意外にも「キンキン」ではなく「ほどよく冷えた」あたりを勧めています。
缶に「GOLD MEDAL BREW」とあるのも伊達ではなく、サイゴンラガーは2019年に日本の「インターナショナル・ビアカップ」で金賞、同年イギリスの「インターナショナル・ブリューイング・アワード」でも金賞、さらに2022年の「ワールド・ビア・アワード」でも金賞を獲得しています。ベトナムの日常ビールが、世界の品評会でしっかり評価されているというのは、なんだか嬉しくなりますね。デザインも印象的で、白地に青海波のような波模様、そこに金色の龍が舞うラベルは、2020年前後のリニューアルで生まれ変わったもの。龍はベトナムの伝説で国の始まりを象徴する存在。緑と金の配色は、屋台の灯りの下でもよく映えます。
日本には、イオングループの酒類輸入商社コルドンヴェールさんが輸入していて、そのためイオンやまいばすけっとといったイオン系のお店で見かけやすいのだとか。エッティンガーやクロンバッハなど、これまでイオンで出会ったお手頃な輸入ビールの多くも同社の取り扱いでしたので、輸入ビール好きにはおなじみの名前かもしれません。さて、ベトナムの国民的ビールは、日本の盆踊りでどんな表情を見せてくれるでしょうか。
サイゴンラガーをチェック!
白地の波模様に金色の龍が舞う華やかな缶。
下半分は深い緑で「EST.1875」「GOLD MEDAL BREW」の文字が誇らしげです。
原材料は麦芽・ホップ・米・酸化防止剤(亜硫酸塩)、内容量330ml、アルコール分4.3%。
輸入者はコルドンヴェール株式会社です。
| 銘柄名 | サイゴンラガー(Bia Saigon Lager) |
|---|---|
| 品目・スタイル | ビール/ライトラガー(米使用) |
| 醸造元 | SABECO(Saigon Beer - Alcohol - Beverage Corporation)/ベトナム・ホーチミン市/起源1875年 |
| 原材料 | 麦芽、ホップ、米、酸化防止剤(亜硫酸塩) |
| アルコール度数・容量 | 4.3%/330ml缶 |
| 輸入者・購入先 | コルドンヴェール株式会社(イオングループ)/まいばすけっと・イオン・楽天市場・Amazon ほか |
サイゴンラガーを飲んでみての評価
太鼓の音が響く公園の片隅で、いよいよプルタブを起こします。今回はグラスなし、缶のままの盆踊りスタイル。ちゃんと味が分かるかなという不安は少しありますが、そもそもベトナムの街角では氷を入れてガブガブ飲むビールですから、こういう飲み方こそ本場流かもしれません。
青島ビールを我慢してまで選んだ一本。米入りのライトなラガーは、下戸の私にどう響くのか。缶はまだしっかり冷たく、指先に水滴がつくほど。夏の夜風を感じながら、まずは一口![]()
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苦味は置いてきた、夏の夜のゴクゴク水
一口目の印象は、とにかく軽い。口当たりがライトで、ボディもライト。ビールを飲んでいるというより、よく冷えた炭酸の麦茶をゴクッといったような、するっと喉を通っていく感覚です。香りは控えめで、ほんのり麦の甘い匂いがする程度。ホップの華やかさを探すタイプのビールではまったくなくて、「香りを楽しむ」より「喉で楽しむ」ビールですね。
そして特筆すべきは、苦味が極小なこと。苦いビールが苦手な下戸としては、ここが一番の注目ポイントなのですが、サイゴンラガーはほとんど苦味を感じません。その代わりに、飲み込んだ後にほんの少しだけ渋みが舌に残ります。この渋みが絶妙で、甘ったるくならずに口の中をキュッと引き締めてくれる。つまり飲んだ後に口の中がスッキリするんです。屋台の焼きそばやたこ焼きの油を、この渋みがサッと流してくれる。なるほど、ベトナムの屋台料理と一緒に飲まれるビールなんだなと、妙に納得しました。
飲み進めていて感じたのは、「これは盆踊りや夏祭りのためのビールだな」ということ。太鼓に合わせて手拍子しながら、汗をかきながら、ゴクゴクいける。じっくり味わうというより、喉の渇きと一緒に夏の夜を流し込む飲み方が似合います。飲み易さは文句なし。青島ビールを我慢して選んだ一本でしたが、この場面ではむしろこっちが正解だったかもしれません。
で、飲みながらふと思ったのが、「これ、どこかで飲んだ感じだな」ということ。頭に浮かんだのはバドワイザーと、そして我慢したはずの青島ビール。あの軽やかでスッキリした、ちょっと淡白な感じにそっくりなんです。家に帰って缶の裏をよく見てみたら、原材料に「米」の文字が。そう、バドワイザーも青島ビールも、米を使ったラガーなんですよね。麦芽だけで造るビールに比べて、米を加えると味が軽くスッキリ仕上がる。あの「どことなく似ている」感じの正体は、米だったわけです![]()
ラベルを見る前に舌で「バドと青島っぽい」と感じて、あとから原材料で答え合わせができたというのは、自分でもちょっとびっくり。下戸で酒初心者を自称してきましたが、案外、自分の舌もわかるようになってきたのかなと、勝手に成長を実感してしまいましたw。こういう小さな発見があるから、いろんな国のビールを飲むのはやめられません。
まとめると、サイゴンラガーは「ビールの苦味が苦手な人にこそ飲んでほしい、夏の夜のゴクゴク系ラガー」。コクや香りを求める人には物足りないかもしれませんが、暑い日に汗をかきながら飲む一本としては、これ以上ないくらい素直で飲みやすい。青島やバドワイザーが好きな方なら、間違いなく好きなはず。夏祭りの相棒として、そしてビール入門の一本として、自信を持っておすすめできる、文句なしの★★★です![]()
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今日は映画(洋画)でペアリング!
サイゴンラガーに合わせる作品は、1993年のフランス・ベトナム映画『青いパパイヤの香り』。ベトナム出身のトラン・アン・ユン監督のデビュー作で、カンヌ国際映画祭のカメラドール(新人監督賞)を受賞し、アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされた名作です。舞台は1950年代のサイゴン。まさにこのビールの故郷そのものが描かれた作品で、ベトナムのビールを飲むなら、まずはこれを観ないわけにはいきません。
物語は、10歳の少女ムイが、サイゴンのある裕福な家に奉公にやってくるところから始まります。主人公は台所で働き、庭のパパイヤの木を眺め、家族の日常を静かに見つめていく。そして10年後、成長したムイの人生が、ある青年ピアニストとの出会いによって静かに動き出します。あらすじにするとこれだけで、劇的な事件が起こるわけではありません。でも、この映画の主役は実は「物語」ではなく「空気」なのです。
画面いっぱいに満ちているのは、南国の蒸し暑さ、雨の音、木漏れ日、虫の声、そして青いパパイヤを刻む包丁の音。青パパイヤを切ると白い種がびっしり詰まっていて、そこにムイがそっと触れる有名なシーンがあるのですが、こういう五感に訴えてくる描写が、とにかく美しい。驚くべきことに、この映画はほぼ全編がフランスのスタジオで撮影されたそうで、それであの湿度まで感じるサイゴンを再現しているのだから、映像の力ってすごいなと思います。
この映画とサイゴンラガーの共通点は、ずばり「引っかからない軽やかさ」。映画には強い起伏がなく、ゆったりした時間が静かに流れていきます。サイゴンラガーも、苦味や香りで主張することなく、するりと喉を通っていく。どちらも「派手さ」で勝負せず、「心地よさ」で記憶に残るタイプなんですよね。そして何より、蒸し暑い夜に汗をかきながら観る映画と、蒸し暑い夜にゴクゴク飲むビール。この二つを合わせると、部屋にいながらサイゴンの路地裏にいるような気分になれます。
もうひとつ、ペアリングとして推したい理由が「米」です。サイゴンラガーの軽やかさの正体が米だったように、ベトナムの食文化も米が中心。映画の中でムイが作る料理も、炒め物と白いご飯、そしてパパイヤのサラダといった素朴な家庭の味です。屋台の料理でも家の料理でも、油と香草を米で受け止めるベトナムの食卓には、この米入りのスッキリしたビールがぴったり合うのだろうなと、映画を観ながら想像が膨らみます。盆踊りで飲んだ時とはまた違う、しっとりとしたサイゴンラガーの表情を、ぜひこの映画と一緒に味わってみてください。夏の終わりの夜にこそおすすめしたい、静かで美しい一本です![]()
下戸の酒好き評価点
※下戸の酒好き評価は味の良し悪しを計るものではありません。
下戸で酒初心者の私があくまで個人的な感覚で評価したものになります。
★★★
★★★ … 下戸にも酒初心者にもオススメしたい
★★☆ … 下戸、酒初心者に丁度良く幅が広がる
★☆☆ … 下戸、酒初心者には少し理解が難しい
サイゴンラガーの価格&どこで買える?
サイゴンラガーの魅力は、味だけでなくお手頃さにもあります。私が購入したのは近所のまいばすけっとで、330ml缶1本が200円台。屋台の青島ビールが500円だったことを考えると、半分ほどの価格で異国のビールが楽しめるわけで、下戸のお財布にはとても優しい一本です。輸入ビールとしては国産の大手ビールと変わらないくらいの価格帯なので、「ちょっと変わったビールを試してみたい」という時の入口としても最適だと思います。
買える場所ですが、日本での輸入者がイオングループのコルドンヴェールさんということもあり、イオン、まいばすけっとといったイオン系のお店が一番の狙い目。輸入ビールのコーナーに、緑と白の缶がひっそり並んでいることが多いです。ただし店舗によって取り扱いは異なるようで、私の近所でも置いてある店とない店がありました。見かけたら、夏のうちに確保しておくのが吉。また、ベトナム料理店やアジア食材店でも「333」と並んで置いてあることがあるので、フォーやバインミーと一緒に本場気分で楽しむのもおすすめです。
ネットで買うなら、楽天市場やAmazonで24本入りのケース販売が中心。私が調べた時点では、24本セットが8,000円台あたりで、1本あたり350円前後といった相場でした。店頭より少し割高にはなりますが、近くにイオン系のお店がない方や、夏祭りやBBQでまとめて振る舞いたい方にはケース買いが便利。軽くてゴクゴクいけるビールなので、ビールが苦手なゲストにも喜ばれるはずです。
もしサイゴンラガーが気に入ったら、次はぜひ同じSABECOの「サイゴン スペシャル」や「333」も試してみてください。スペシャルは公式の原料表示が麦芽とホップのみで少ししっかりめ、333はより爽快と、飲み比べると同じ蔵の個性の違いが見えてきて面白いですよ。私もまだ飲んでいないので、アジアの国別まとめのベトナム枠を埋めるべく、近いうちに探してみるつもりです。夏の名残を楽しむ一本として、ベトナム生まれの軽やかなラガー、ぜひ手に取ってみてくださいね![]()
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