こんばんは!まずは皆さん、乾杯っ!カクテル

 

 

以前、アニメ映画「夜は短し歩けよ乙女」を観たのですが、これがもう、とても特徴的で斬新な、忘れられない一本でした。その作中に登場する、なんとも気になるお酒の名前——それが「偽電気ブラン(にせでんきブラン)」という、幻のお酒だったのです。物語の中で登場人物たちが飲み歩く、あの魅惑的な響き。「いったい、どんな味なんだろう?」と、ずっと心の片隅に引っかかっていました。

 

 

そこで調べてみると、この「偽電気ブラン」は、どうやら作中の架空のお酒らしい、ということが判明。……なんだ、飲めないのか、と一瞬がっかりしたのですが、話には続きがありました。その架空の「偽電気ブラン」には、モデルになった実在のお酒があるというのです。それこそが、東京・浅草の名店が生んだ、由緒正しき銘酒「電気ブラン」だったのでした。

 

電気ブランのボトルと箱

 

ちなみに、架空の「偽電気ブラン」のほうも、今では京都のバー「BAR ノスタルジア」で実際に提供されているのだとか(こちらは森見登美彦さんの作品ゆかりのお店として知られています)。それはそれで飲んでみたいのですが……まずは、その大元となった「電気ブラン」が、いったいどんなお酒なのか。俄然、興味が湧いてきましたウインク

 

 

そして検索してみると、これが思っていた以上にお手頃価格で販売されているではありませんか!これはもう、買わない手はありません。幻の「偽電気ブラン」に想いを馳せながら、その源流である本物の「電気ブラン」を味わってみよう——そんなワクワクを胸に、さっそく一本、お迎えしてみた次第です。さて、明治生まれのこのレトロなお酒、下戸の私にはどう映るのでしょうか。

 

 

それにしても、映画や小説をきっかけに気になったお酒が、じつは本当に実在していた——というこの巡り合わせ、なんだか嬉しくなってしまいますよね。フィクションの世界から現実の一杯へと橋渡ししてくれる、こういう出会い方も、お酒好きの醍醐味のひとつだなあとしみじみ感じます。しかも今回のお相手は、明治の文明開化の空気をそのまま今に伝えてくれる、由緒正しき一本。ただ酔うためだけではなく、その背景にある歴史やロマンごと味わえるというのは、なんとも贅沢な晩酌ではありませんか照れ

 

 

電気ブランとは?

電気ブラン40度ボトル

 

まずはこのお酒の歴史から。「電気ブラン」を生み出したのは、東京・浅草にある日本最古のバーとも言われる名店神谷バー。その創業者初代・神谷傳兵衛(かみや でんべえ)が、洋酒造りにかける情熱から、明治15年(1882年)に「速成ブランデー」を発売。翌明治16年(1883年)、当時の一大ニュースだった東京電灯会社の設立にあやかって「電気ブランデー」と名づけたのが、そのルーツです。電気がまだ珍しかった明治の頃、目新しくてハイカラなものには「電氣○○」と名付けるのが流行していたそう。この新しいお酒は、まさに「ハイカラなものの代表」として、当時の人々の大きな関心を集めたのです。その後、親しみを込めて「電気ブラン」の略称で長く愛され、昭和32年(1957年)には「デンキブラン」として正式に商品化されました。現在は合同酒精株式会社(オエノングループ)が製造を手がけていますキラキラ

 

 

面白いのが、その名の由来にもなった「ビリリとした味わい」。当時、電気は最先端のハイカラの象徴。そして、このお酒を飲んだときの、舌にビリリと来る心地よい刺激が、まさに「電気」のイメージにぴったりだったというのです。飲み物の名前に、時代の空気そのものが刻まれているなんて、なんともロマンがありますよね。文明開化の熱気を、そのまま瓶に詰め込んだような一本なのです。

 

電気ブラン(DENKI BRAN)のラベル

 

そんな電気ブランの拠点となった浅草の「神谷バー」は、明治の頃に神谷傳兵衛が開いた、まさに日本の洋酒文化の草分け的な存在。ハイカラな洋酒を庶民が気軽に楽しめる場として、当時の人々に愛されてきました。以来、時代を超えて多くの人に親しまれ、今なお浅草のランドマークとして営業を続けているというのですから、その歴史の重みには驚かされます。「電気ブランを飲みに、浅草へ」——そんな言葉が、100年以上も語り継がれてきたわけですね。これはもう、単なるお酒というより、日本の近代文化そのものを味わっているようなものですびっくり

 

 

肝心の中身はというと、ブランデーをベースに、ジン、ワイン、キュラソー、ハーブなどをブレンドした、独自のリキュール。しかも、その正確な配合は、今なお「秘伝」とされているというから、なんともミステリアス。まさに唯一無二の味わいというわけですね。度数には、一般的な「デンキブラン」の30度と、より濃厚な「電気ブラン〈オールド〉」の40度があり、今回私が手に入れたのは、このアルコール度数40%のしっかりタイプ。容量は360ml、品目はリキュールです。ちなみに神谷バーでは、小さめのグラスに1杯70mlで提供されるのが伝統的なスタイルなのだとか。よく冷やしてストレートで、旧き良き文明開化の時代に思いを馳せながら味わうのが、粋な楽しみ方のようですニコニコ

 

 

それにしても、ブランデーにジンやワイン、キュラソー、そしてハーブまで——性格の異なるお酒たちを絶妙に掛け合わせて、ひとつの調和した味に仕上げてしまうのですから、当時の職人さんの探究心には本当に頭が下がります。しかもその配合が今も明かされずに受け継がれているというのが、なんともニクい演出。飲む前から、「いったいどんな味に仕上がっているんだろう」と、想像がどんどん膨らんでいきます。歴史・ロマン・ミステリー、そのすべてを一杯にぎゅっと詰め込んだ、まさに唯一無二のレトロリキュール。前置きが長くなりましたが、いよいよ実際に味わっていきましょうウインク

 

 

電気ブランをチェック!

 

電気ブラン40度ボトルとショットグラス

レトロな紋章のラベルが目を引く、角瓶に入った「DENKI BRAN 電氣ブラン」。

琥珀色の液体が、いかにも文明開化のハイカラさを漂わせています。

REGISTERED TRADE MARKの文字も歴史を感じさせますね。

 

 

電気ブランとグラスの画像

小さめのグラスに、ストレートで少しだけ。

よく冷やした琥珀色を、伝統に倣ってちびりちびりといただきます。

 

 

電気ブランのお酒ラベルと商品情報

箱の裏には、神谷傳兵衛と電気ブランの誕生秘話がびっしり。

品目リキュール、アルコール分40%、内容量360ml、添加物はカラメル色素・香料、製造は合同酒精(千葉県松戸市)。

歴史を読みながら飲むのも一興です。

 

 

銘柄名 電気ブラン(DENKI BRAN/今回は40度タイプ)
品目・タイプ リキュール(ブランデーベースにジン・ワイン・キュラソー・ハーブ等をブレンド/配合は秘伝)
発祥・製造 浅草「神谷バー」/初代 神谷傳兵衛(明治15年ブランデー発売・明治16年「電気」命名)/現製造:合同酒精(オエノングループ)
度数のバリエーション 通常「デンキブラン」30度/「電気ブラン〈オールド〉」40度
アルコール度数・容量 40%/360ml(添加物:カラメル色素・香料)
参考価格 実勢 数百円〜千円台(比較的お手頃・コスパ良好)

 

 

電気ブランを飲んでみての評価

 

さて、いよいよ文明開化の一杯とご対面です。度数は40度と、なかなかにパンチのある数字。下戸の私にとっては、少しばかり身構える強さです。とはいえ、あの「偽電気ブラン」の源流を味わえると思うと、期待のほうがはるかに勝ります。伝統に倣って、小さめのグラスによく冷やして、ストレートで。明治の人々が愛したハイカラな味わいとは、いったいどんなものなのか。いざ、旧き良き時代へタイムスリップです。

 

 

ビリリと癖になる、文明開化の味

 

 

 

 

まず香りから。グラスに鼻を近づけると、ジンを思わせる薬草系の香りのなかに、ふわりとチェリーのような果実の香りが伺えます。そこにほんのりスパイシーさが加わって、なんともちょっと癖になる香り。一度嗅ぐと、もう一度確かめたくなる、不思議な魅力があります。これぞ、いろんなお酒とハーブをブレンドした、秘伝のリキュールならではの複雑さなのでしょうねびっくり

 

 

そしてひと口。口当たりはトロりとしていて、ほんのりと甘く、そのあとに、名前の由来どおりビリリと刺激的な舌触りがやってきます。この「ビリリ」、たしかに癖になります。そして飲み込んだあと、鼻腔にすーっと流れていくスパイシーなチェリー風味——これがなんというか、あの「選ばれし者の知的飲料水」ことドクターペッパーを彷彿とさせるのは、私だけでしょうか(笑)。薬草っぽくてスパイシーで、甘くて刺激的。この、ひとことでは言い表せない個性が、たまらなくレトロで面白いのです。

 

 

甘さ、香ばしさ、薬草っぽさ、そしてビリリとした刺激。これだけの要素がひと口の中でめまぐるしく移り変わっていくのに、不思議とバラバラにならず、ちゃんと「電気ブランという一つの味」にまとまっているのが、なんとも見事。さすが、秘伝の配合で100年以上も愛されてきた実力派です。正直、飲む前は「40度の強いお酒、下戸の自分に大丈夫かな……」と少し身構えていたのですが、いざ口にしてみると、この個性的な味わいのおかげで、ちびりちびりと舐めるように楽しむのがむしろ心地よく、気づけばすっかりその世界観に引き込まれていましたニコニコ

 

 

本場・神谷バーでは、苦味のあるビールをチェイサー代わりに合わせる飲み方もあるそうですが……いやいや、下戸の私には、それはさすがに無理な相談ですw でも、この電気ブラン、コスパが良くてアルコール度数も高いので、「安く、美味しく酔える酒」としても、じゅうぶん選択肢に入りそう。もし強いと感じたら、ソーダやジンジャーエール、コーラ、トニックで割るのも良さそうですし、寒い季節にはお湯割りにシナモンスティックを添えるのも乙なんだとか。ストレートで歴史に浸るもよし、自由に割って楽しむもよし。懐が深くて、いろんな表情を見せてくれる。★★☆としましたが、これは度数と個性ゆえの評価で、ハマる人にはとことん刺さる、魅惑の一本でした照れ

 

 

後日、お湯割りで飲んでみましたが、刺激がマイルドになって、飲みやすくなりました♪シナモンスティックは用意できませんでしたが、飲み方次第でかなり化けるお酒だとポテンシャルを感じましたよ飛び出すハート

 

 

 

今日は小説でペアリング!

 

 

この、レトロでハイカラで、ちょっと不思議な一杯に合わせたいのは——もうこれしかありません。森見登美彦さんの小説『夜は短し歩けよ乙女』です。そう、私がこの電気ブランを手に取るきっかけとなった、あの物語の原作小説。京都を舞台に、「黒髪の乙女」に恋する「先輩」が繰り広げる、奇想天外で愛おしい恋の顛末を、独特のレトロでユーモラスな文体で描いた、山本周五郎賞にも輝く名作です。

 

 

なぜこの一冊かというと、まず、作中に登場するあの「偽電気ブラン」のモデルこそ、今まさに味わっているこの一杯だから。小説の第一章、夜の先斗町を舞台にした宴で、乙女がぐいぐいと飲み干していくのが、この「偽電気ブラン」。ページをめくりながら、実物の電気ブランを傾ければ、もう物語の世界に入り込んだような気分。乙女と同じ酒(の、そのモデル)を口にしているという、この上ない一体感が味わえるのです。文字どおりの「作品公認」ペアリングと言ってもいいでしょうキラキラ

 

 

そしてもう一つ。森見さんの小説がまとう、あのレトロでハイカラ、それでいてどこか奇妙で癖になる世界観は、まさにこの電気ブランの味わいそのもの。古めかしくも粋な言葉が、くるくると踊るように連なっていく独特の文体は、飲むほどに癖になる、あのスパイシーで甘い一杯と、驚くほど同じ酔い心地なのです。文明開化のロマンをまとった酒と、京都のレトロな夜を描いた物語。ビリリとした刺激に身を委ねながら読み進めれば、酔いと物語が溶け合って、忘れられない夜になること請け合いです。

 

 

ちびりと電気ブランを舐めながら、乙女の愉快な夜の冒険を追いかける読書のひととき。奇妙な登場人物たちが入れ替わり立ち替わり現れる、あのめくるめく夜の宴。ページの中で交わされる乾杯に、思わずこちらもグラスを傾けたくなる——そんな幸せな読書時間が広がります。活字の酔いと、本物の酔いが、心地よく混ざり合っていきます。アニメ映画から入った方も、ぜひ一度、この原作小説と一緒に。まさに「歩けよ乙女」ならぬ「読めよ電気ブラン」な、極上の晩酌時間を楽しんでみてくださいねおねがい

 

 

下戸の酒好き評価点

 

 

※下戸の酒好き評価は味の良し悪しを計るものではありません。

下戸で酒初心者の私があくまで個人的な感覚で評価したものになります。

 

 

★★☆

 

 

★★★ … 下戸にも酒初心者にもオススメしたい

★★☆ … 下戸、酒初心者に丁度良く幅が広がる

★☆☆ … 下戸、酒初心者には少し理解が難しい

 

 

電気ブランの価格&どこで買える?

 

さて、気になるお値段と入手先です。「電気ブラン」の魅力は、その味わいや歴史はもちろんのこと、お手頃な価格にもあります。今回の360ml・40度タイプは、実勢でおおむね数百円〜千円台ほどと、これだけの歴史と個性を持つお酒としては、驚くほどのお手頃さ。高アルコールなのに安く手に入るので、「コスパよく、しっかり酔えるお酒」を探している方にも、じつにおすすめの一本です。

 

 

入手先は、酒販店やスーパー、そして楽天市場やAmazonなどのネット通販でも手に入ります。30度の通常タイプと、40度の〈オールド〉があるので、お好みや用途で選んでみてください。飲みやすさ重視なら30度、しっかり文明開化の刺激を味わいたいなら40度、といった具合でしょうか。まずは伝統に倣ってストレートで歴史を味わい、慣れてきたらソーダやコーラで割ったり、お湯割りにシナモンを添えたりと、自由なアレンジを楽しむのがおすすめですニコニコ

 

 

この価格でこれだけ濃密な歴史と個性が味わえるなら、コストパフォーマンスは文句なし。まずは小さなグラス1杯から、明治のハイカラな空気に浸ってみるのも、きっと素敵な体験になるはずです。

 

 

そしてもし機会があれば、ぜひいつか、発祥の地である浅草の「神谷バー」で、本場の一杯を味わってみたいもの。レトロな空間で、伝統のスタイルでいただく電気ブランは、また格別なのでしょうね。文明開化の香りをまとった、この魅惑のレトロリキュール。気になった方は、ぜひ下記のリンクからチェックしてみてくださいね。

 

 

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