こんばんは!まずは皆さん、乾杯っ!![]()
先日アップした「タルターニ Tシリーズ スパークリング」の紹介記事にもちらっと書きましたが、先日「GALA BAR MIZUNO」の水野オーナーソムリエと、お昼から贅沢にワインを傾けるという何ともシアワセな時間を過ごさせて頂きました。話の流れの中で「妻はスパークリングや、甘めのワインが好きなんです」という何気ない世間話をしたんです![]()
すると帰り際、水野さんが「実は試飲用で開けてあるんですけど、もし良かったらこれ、奥様と味わってみてください」と、白いラベルの貴腐ワインを一本をスッと差し出してくださいました。ぴかぴかのゴールドキャップと、白地に金の縁取りラベルが眩しい、ハーフボトルサイズのオーストラリアの貴腐ワイン。それが、今回紹介する『デ ボルトリ ディーン VAT 5 ボトリティス セミヨン』でした![]()
貴腐ワインと言えば、ボルドーの「ソーテルヌ」、ハンガリーの「トカイ」、そしてドイツの「トロッケンベーレンアウスレーゼ」あたりが世界三大貴腐として有名どころでしょうか。私自身も、たしか遥か昔にドイツ産のものを一度だけ飲んだ記憶はあるんですが、なにせブログを止めていた時期で、味の細かいところは正直あまり覚えていません。ただ、ただ一つはっきり覚えているのは「めちゃくちゃ甘くて、まるでデザートのスイーツみたいだった」という強烈な感想だけ……![]()
その時の妻も「これは美味しいわ〜」とニコニコしながら飲んでいた覚えがあったので、今回も水野さんの心遣いに「これはきっと気に入るはず!」と素直に感謝。意気揚々と帰宅し、その晩いそいそと栓を抜いた次第です。今回はこの『デ ボルトリ ディーン ボトリティス セミヨン』を、蔵元のことから貴腐ワインの製法、そして妻の反応がどうだったかまで、まるごとレビューしていきます。果たして妻の反応や如何に!?![]()
デ・ボルトリ ディーン・ボトリティス・セミヨンとは?
『デ・ボルトリ ディーン VAT 5 ボトリティス セミヨン(De Bortoli Deen Vat 5 Botrytis Semillon)』を造るのは、オーストラリアの大ファミリーワイナリー『デ ボルトリ・ワインズ(De Bortoli Wines)』。1928年、イタリア北部から移民してきたヴィットリオ&ジュゼッピーナ・デ ボルトリ夫妻が、オーストラリア NSW州の「リヴェリーナ(Riverina)」地域、ビルブル(Bilbul)の地で創業した、現在4世代続く名門ワイナリーです。ボトルのキャップにも誇らしげに「FOUR GENERATIONS」「1928」の刻印が入っていて、見た瞬間「これは歴史と家族の重みのあるお酒だな」と背筋が伸びます![]()
ラインナップを見ると、最高峰の貴腐ワインとして世界的に名を馳せる「Noble One(ノーブル・ワン)」、ヤラ・ヴァレーの単一畑シリーズ、ファミリーセレクション、エステート、そして今回の主役「Deen Vat Series(ディーン ヴァット シリーズ)」……と、価格帯もスタイルも幅広く揃った、いわばオーストラリアワイン業界の老舗総合商社のような存在。2022年時点でオーストラリア国内第7位の生産規模だそうで、その懐の深さがうかがえます。
そして肝心の「Deen(ディーン)」というシリーズ名は、創業者の二男であり2代目当主、ディーン・デ ボルトリ氏(1936年生まれ)へ敬意を込めた家族銘柄。ディーン氏は15歳から家業に入り、生涯ワイン造りに身を捧げた人物で、現場のヴァット(樽・タンク)にチョークで番号を書いていくという、いかにも親方らしい習慣を持っていたそう。そのナンバリングを残したのが、現在のDeen Vat Seriesです![]()
その内訳がまた面白くて、Vat 1 デュリフ、Vat 5 ボトリティス セミヨン、Vat 7 シャルドネ、Vat 8 シラーズ、Vat 10 ピノ・ノワール……といった具合に、Vat番号ごとに品種が割り当てられています。今回飲むのは、その中でも甘口の王様『Vat 5 ボトリティス セミヨン』。シリーズ内における甘口枠のフラッグシップ的な存在です。
そもそも『ボトリティス(Botrytis cinerea)』とは、いわゆる「貴腐菌(きふきん)」のこと。普通にブドウに付いてしまうと「灰色カビ病」として畑にダメージを与えるやっかい者なのですが、秋の朝霧が立ち込めるような限られた気象条件のもと、完熟したブドウの果皮にだけそっと付着すると、果皮の水分だけを蒸発させて果汁を極限まで濃縮してくれる、まさに天から授かった奇跡のカビへと姿を変えます。糖度・酸味・香りがぎゅっと閉じ込められた極甘の果汁から造られるのが、世にいう貴腐ワイン。ボルドーの「ソーテルヌ」、ハンガリーの「トカイ」、ドイツの「トロッケンベーレンアウスレーゼ」と並ぶ、まさに世界の宝物のようなワインなのです![]()
このDeen Vat 5は、リヴェリーナの自社畑で育ったセミヨン100%に、最大6週間にわたる複数回の手摘み収穫で貴腐の進んだ房だけを丁寧に集めた一品。発酵後はステンレスタンクとフレンチオーク樽を組み合わせて熟成され、まろやかな樽香と凝縮した果実味が絶妙にまとまっています。デ ボルトリの最高峰「Noble One」のいわば妹分・普及帯ポジションで、本格貴腐ワインの世界をぐっと身近に体験できる入門の名作。さて、それでは飲んでみましょう![]()
デ・ボルトリ ディーン ボトリティス セミヨンをチェック!
ゴールドキャップと白地×金縁取りの上品なラベルが眩しい、ハーフボトル(375ml)の貴腐ワイン。
グラスに注いだ液体は、すでに艶やかな黄金色。
2022ヴィンテージ、アルコール10.0%、内容量375ml。
「Deen was a visionary who… set the benchmark for Australian Botrytis Semillon」と、亡き2代目への敬意がそのままラベルに刻まれている。本国 Bilbul の住所も明記。
| 銘柄名 | デ ボルトリ ディーン VAT 5 ボトリティス セミヨン 2022 |
|---|---|
| 種類 | 果実酒(貴腐ワイン/白甘口) |
| 生産者 | De Bortoli Wines Pty Ltd(1928年創業/家族経営4世代目) |
| 産地 | オーストラリア NSW州 リヴェリーナ(Riverina)/本拠地:Bilbul |
| 品種 | セミヨン100%(貴腐菌付きの完熟ブドウを使用) |
| アルコール | 10.0% |
| 内容量 | 375ml(ハーフボトル) |
| 輸入元 | ファームストン株式会社(東京都大田区大森西) |
| 参考価格 | 1,500〜1,800円前後(税込・販売店により変動) |
デ ボルトリ ディーン ボトリティス セミヨンを飲んでみての評価
水野ソムリエのお墨付き、しかも「妻が気に入るはず」という確信付きの一本。期待値は最初からマックスです。ただ、貴腐ワインは過去に一度ドイツ産を飲んだことがあるだけで、しかも記憶はほぼ「とにかく甘かった」だけ。
果たしてオーストラリアの貴腐ワインはどんな表情をしているのか、そしてあの記憶の中の甘さと、現在の自分の舌の感覚はちゃんと結びつくのか。ハーフボトルをそうっと開栓、グラスに注いだ瞬間、まずは色からテンションが上がります![]()
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これは、もはや「飲むハチミツ」。
まずは香り。グラスに鼻を近づけた瞬間、レーズンのようにじっくり発酵した甘い香りが、ふわっと立ち上がってきます。続いてドライアプリコット、マーマレード、シトラスピール、そしてバニラ。ボトルから感じるだけで、もう既に「これはデザートのカテゴリだな」と直感する、芳醇かつ濃密なアロマです![]()
続いて見た目。グラスを傾けると、液体はトロリとした酒質で、グラスの内側を伝う液体に粘度がしっかりとあるのが分かります。色は深い黄金色〜淡い琥珀色。光に透かすと、まるで液体のハチミツをそのまま注いだような輝きで、「これ、もう蜂蜜瓶から出してきたんじゃないの?」と思わず疑ってしまうほど。テンションが高すぎてグラスを置く前に思わず口に運んでしまいました。
そして、舌に乗せた瞬間。まさにハチミツ。液体の重み、舌の上を覆う密度、感じる甘さの量、ぜんぶがハチミツでした。以前に飲んだドイツの貴腐ワインの記憶を呼び起こしながら口に含んだのですが、これはもうあの記憶の甘さを軽々と上回ってくる甘さ。糖度がしっかり感じられるのに、嫌味な甘ったるさは一切なくて、後味はすっきり![]()
味の構造をよく観察してみると、口の中いっぱいに広がる甘味の中に、ほんのり柑橘系の酸味が顔を出していて、それがまた絶妙な仕事をしているんです。甘ったるく重くなりがちな貴腐ワインを、酸がきりっと引き締めて、ベタつきを残さずに次のひと口へと誘ってくれる。「飲む果実」と呼びたくなる、果実そのものを凝縮して液体化したような味わいです。樽から来るバニラのニュアンスも上品で、決して主張しすぎない、絶妙のサポート役![]()
面白いのは、よく冷やしても甘さがちゃんと残ること。冷温度では甘さが感じにくくなるお酒もあるなか、こちらはしっかり冷やしてもその甘味とハチミツ感がそのまま感じられて、暑い季節のデザートワインとしてもばっちり機能しそうです。食事の最後に小さなグラスで一杯、まさに「デザートの一本」として完璧。アイスクリームやフルーツタルトに添えても、相手を立てつつ自分の存在感はしっかり残す、そんな器の大きい甘さ![]()
そして、肝心の妻の反応。グラスにひと口含んだ瞬間、目を見開いて「うわっ!すごく甘い!」と、いつもの控えめな飲み方からは想像できないテンションで反応してくれました。前にドイツのものを飲んだことなんてすっかり記憶の片隅に消えていたようで、「こんなに甘くてデザートみたいなワインがあるんだ!」と新発見モード全開。妻にもしっかりハマったようで、これはもう水野さんに頭を上げられません![]()
今日は映画(洋画)でペアリング!
そんな「凝縮された蜜のような幸せ」を液体にしたようなデ ボルトリ ディーン ボトリティス セミヨンには、人生のとびきり甘い瞬間を、最後にぎゅっと味わい尽くす1本の名作映画を合わせたくなりました。それが、ロブ・ライナー監督・ジャック・ニコルソン×モーガン・フリーマンのW主演で贈る、2007年公開のヒューマンドラマ『最高の人生の見つけ方』(原題:The Bucket List)です![]()
物語の主人公は、超富裕層の病院チェーン経営者エドワード・コール(ニコルソン)と、家族思いの自動車整備工カーター・チェンバース(フリーマン)。生まれも育ちも対照的なふたりが、奇しくも同じ病室で余命半年と宣告される、というところから物語は転がり出します。死を前にして、ふたりが選んだ過ごし方は、ただ嘆くことでも、家族のもとへこもることでもなく——「死ぬまでにやりたいことリスト=バケットリスト」をつくり、それを1つずつ叶える旅に出る、という痛快な選択でした。
スカイダイビング、サーキットでマスタングを爆走、サファリでライオンを眺め、ピラミッドを登り、ヒマラヤを望み、タージマハルを訪れ、万里の長城をバイクで走る。およそ「人生の特別な瞬間」を凝縮して詰め込んだようなこの旅は、まさに蜜のように凝縮された時間そのもの。果汁の水分が削ぎ落とされ、糖と香りだけが残ってできあがる貴腐ワインの製法と、どこか重なる物語の構造に、グラスを傾けながら思わずうなずいてしまいました![]()
そして、何より沁みるのが終盤。エドワードは、長らく疎遠だった娘とその孫娘との「人生でいちばん甘い瞬間」を取り戻し、カーターは奇跡的に意識を取り戻したわずかな時間を、最愛の妻と過ごす夕食に使う——その描写の優しさ、温度。「人生で本当に大事なのは、結局のところ家族の存在なんだ」という、シンプルだけれど芯の通ったメッセージが、ハチミツのような余韻を残してじんわり胸の奥に降りてきます。
このペアリング、ある意味で「水野さんからのプレゼント」と「妻と分かち合うひと夜」という、私たち夫婦の今夜の構図ともぴったり重なってしまって、グラスを持つ手に妙な力が入ってしまいました。お礼に差し出された一本を、家でゆっくり妻と分け合いながら、画面の中ではエドワードがカーターの妻に深く頭を下げ、カーターは妻のもとへ帰っていく——。凝縮された甘さの中に、人生のいちばん尊い余韻が宿る、そんなとっておきのデザートタイムにこの一本、ぜひお試しいただきたいです![]()
下戸の酒好き評価点
※下戸の酒好き評価は味の良し悪しを計るものではありません。
下戸で酒初心者の私があくまで個人的な感覚で評価したものになります。
★★★
★★★ … 下戸にも酒初心者にもオススメしたい
★★☆ … 下戸、酒初心者に丁度良く幅が広がる
★☆☆ … 下戸、酒初心者には少し理解が難しい
デ・ボルトリ ディーン ボトリティス セミヨンの価格&どこで買える?
『デ・ボルトリ ディーン VAT 5 ボトリティス セミヨン』は、日本国内ではファームストン株式会社(東京都大田区)が正規輸入元として取り扱っています。流通は375mlのハーフボトルがメインで、参考価格はだいたい1,500〜1,800円前後(税込・販売店により変動)。本格貴腐ワインとしては、信じられないくらいリーズナブルな価格帯です![]()
世界三大貴腐ワインに連なるソーテルヌやトカイ アスーは、安いものでも一本数千円、上のクラスになると数万円〜十数万円が普通の世界。それと比べると、この「ハーフ1本でしっかり貴腐ワインを体験できる」という存在感は、ワインビギナーや甘口デビューしたい方にとっては救世主のような価格帯と言えます。デ ボルトリ最高峰の「Noble One」(フルボトル)でも、楽天やAmazonでは3,500〜5,000円前後で買えることが多く、貴腐ワインへの入口を大きく広げてくれているシリーズです。
取扱いとしては、ファームストン取り扱いのワイン専門店、量販系のお酒屋さん、そして楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングといった主要オンラインショップで概ねカバーされています。デザートのお供に、おつまみ要らずの「飲むスイーツ」として、あるいはお誕生日や結婚記念日のちょっとしたサプライズギフトとして、ハーフボトルというサイズ感はむしろ「ちょうどいい」。冷蔵庫でしっかり冷やしてから、小さめのワイングラスに半分ほど、ゆっくり味わうのがおすすめです![]()
ペアリングは、フォアグラ、ブルーチーズ(ロックフォール等)、フルーツタルト、クレームブリュレ、桃やアプリコットのコブラー、バニラアイスにかける、そして何も添えずに「単体でデザート」として味わうのも大正解。「人生のとっておきの一杯」というキャッチコピーを与えても恥ずかしくない、最高のリラックスタイムを連れてきてくれる一本ですよ![]()
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