私の葬儀がいつになるのかは分からないが

旦那と同じ納骨堂に入り

50歳当時の旦那の写真と並ぶことを考えると

私だけおばあちゃんの写真は嫌だな……


私があと何十年も生きたら

えらく年老いた私を

旦那は見つけてくれるだろうか……




職場でそんな話をしていると


「うちは1年の終わりに

 その年で1番お気に入りの写真を選んで

 もしもの時はこの写真を遺影にしてって

 毎年家族にお願いしてるよ」

って言ってる方がいたり


「この前亡くなった母の遺影は

 40代の時の写真だよ

 私たち子供から見て

 1番お母さんらしい顔で写ってたの」

って言う人もいて


みんな結構準備してたり

自由なんだな!って思った




私があっちの世界へ行った時には

本当は旦那とツーショットの写真を

納骨堂に飾って欲しいなと思っているが

旦那とツーショットの写真はほぼ無い


お互いあまり写真に執着が無かったので

旅先では風景やワンショットばかり


旦那と並んで違和感のない

今のうちに写真撮りまくって

お気に入りを選んで準備をしておきたい




昨年あたりに家族とこの話をした時

母が急に不安になっていた


「私全然写真ない……

 大昔の写真とか免許証の写真とか

 絶対嫌なんだけど!」


写真嫌いだった母はそれから時々

写真撮影に応えてくれるようになった


お花見の写真が気に入ったようなので

今のところそれを遺影用にキープしている




私はまだ

自分で気に入る写真が撮れていない


急がなくては!

もう永遠に変わらない遺影の旦那より

どんどん歳をとってしまう……



旦那が亡くなってから

ほぼお会いした事のない

または全く面識のない旦那の友人が

連絡をくれる事が何度もあった


何人かで集まって

ご飯を食べに行く事もある


コミュニケーション能力が低く

友人も少ない私の事を旦那は心配してか


「俺がいなくなった後は嫁をヨロシク

 案外いいヤツなんで仲良くしてやって」


などと周りに言っていたらしい




しかし私は

既に出来上がっているコミュニティに

後から入っていくのが苦手だ


旦那の思い出話に花が咲いている間は

私もとても楽しく話に入っていくのだが

個々のプライベートな話が始まると

どこまで踏み込んで聞いて良いのか

悩みに悩んで結局黙って話を聞く事になる


相手の情報は

旦那との関係性を聞いているだけなので

突然個人名が出てくると「誰?」ってなる


お相手同士で話してる内容を聞いて

「お子さんの名前か!」って理解して

話が途切れないように話を合わせてたのに

話が進むと「え?孫の話!?」ってなって


同年代っぽいのにもうお孫ちゃんいるのか!

え?そんなに小さいお子さんがいるの!?

そんなに年下だったのか!

こちらの方は年上なの!!!




もうそこからは頭の情報整理できなくなって

突然出てくる名前も覚えられないし

家族構成も訳わかんなくなるし


次に同じメンバーで会った時には

どの人がどの家族構成だったか記憶が曖昧で

今更聞き直せないし

聞いたとて覚えられる自信ないし

その場でメモ取りたい衝動を抑えて

分かったフリして会話に参加している




その点

一対一で連絡をくださる方は

とても話しやすい


「これは聞いて良い事なのか?」なんて

勘繰って気を遣いすぎる必要もないので

こちらもストレスなく会話ができる


私のリラックスした感じが伝わるのか

相手も私に対して余計な気を遣わず

友人と呼べる存在になった人もいる




今の私の生活を

旦那はどう思うだろうか?


基本は1人が好きなので

フラッと出かけて知らない街を歩いたり

家で趣味に没頭したりの時間が多いけど


生前の旦那の気遣いを周囲から聞いて

引き篭っちゃダメだと

自分を奮い立たせている部分もある


祖母や父の介護の問題は

1人で抱え込んでる感じになってるけど
事前準備さえキチンとしていれば
泊まりで遊びに行くことも出来ている

旦那が心配していたほど

孤独で辛い生活は送っていないはずだけど

これからも見守っていて欲しい

祖母は6人兄弟だったが

存命しているのは1番上の祖母と

1番下の妹の2人だけ


祖母が入所している特養には

その10歳ほど歳の離れた妹が

数年前から先に入所していた


妹の方はほぼ寝たきり状態だし

祖母の認知もすすんでいるし

同じ施設内にいても会うことは無かった




先日その妹が亡くなり

葬儀が執り行われる事になった


祖母も参列できないか施設に相談したが

このところの祖母は

朝食後は毎日のように血圧が急激に下がり

意識を消失している状態


意識はすぐに戻るものの

長時間の座位は危険との主治医の判断で

葬儀に参列させる事は叶わなかった




故人の甥にあたる父も参列するので

送迎&お世話係として私も参列


最近喪服の出番が多い

そういうお年頃になってしまった




父は昔からかなりの痩せの大食いだったが

脳梗塞になってから動かなくなったせいか

お腹がパンパンに膨れていて

スラックスのファスナーが上がらない


慌てて旦那の喪服を合わせてみたが

縦にも横にも大きかった旦那の服は

太ったとはいえ父には大き過ぎて

ブカブカでとても見栄えが悪い


さらに慌てて実家中を探しまくり

ウエスト調節可能なスラックスを見つけ

全開に伸ばしてギリギリ履けた


ジャケットとの色味が違うのはご愛嬌




家族葬でこぢんまりとした葬儀だったが

ほぼ知らない人ばかりの遠い親戚だし

精進落としまでちゃんとあるのは久々で

丸一日がかりでとても疲れた





結局使わなかったものの

旦那のブラックフォーマルを出す事になり

「こんなに身体大きかったっけ……」と

帰ってからしみじみと眺めている


買ってから出番がなかった喪服


誰かに譲ろうにもサイズが特殊だし

しかもダブルだから

若い子には敬遠されるだろうし




眺めてるうちに着てみたくなって

ジャケットを羽織ってみた



膝丈……笑い泣き


しかし捨てるに捨てられない……

誰か貰ってくれんかな……

180cm100kg超の方……笑い泣き