もやしの唄裏話その5 | 劇団かに座ブログNeo

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横浜の「劇団かに座」オフィシャルブログです。稽古場日記、公演情報、劇団員募集、演劇に関することをポロポロと書いています。

「もやしの唄」では鉄道唱歌が重要な位置づけになっています。

泉商店にずっと昔に働いていた喜助さんは、みんなに愛されている人物です。いつも鉄道唱歌を唄いながら大手を振って行進して登場します。この唄い声が舞台袖から聞こえてくると、みんな「あっ、喜助さんが来た。」とにっこりと喜助さん歓迎モードに入ります。

鉄道唱歌というのは脚本では66番まであると書いてありますが、これは今で言う東海道線のことで、調べると全6集374番まであるらしく(Wikipedia)、日本全国その地その地の風景が唄われる唱歌です。
しかし、その歌詞は昔の言葉で書かれているため、何を言っているのか、本当の味わいはなかなかわかりません。

喜助さん役をやった小林さん。かに座の中でも上から数えたほうが早いくらい年齢を重ねているのですが(失礼!)、その小林さんですら、「何言っているかわかんない!」って言ってました。

覚えるのも大変だったらしく、どの幕で何番を唄うのかごちゃごちゃになるようです。

だから、舞台袖では、カンペを持って歌い始め、よし大丈夫となったら、カンペを捨てながら登場してました。また、歌に合わせて行進するのも大変で、稽古では足と手が一緒に動いて、爆笑だったり、この喜助さんの登場シーンは喜助さんの人柄を表わしている見どころだったと思います。

その最後の66番を唄いながら、喜助さんは虹の橋を渡っていったのですが、その前にそこにいた喜助さんの仲間や泉商店をいとおしむように眺め回していたのですが、わかりましたか?

愛すべき喜助さんを偲んで・・・。 恵五郎