男二人でウィークエンド・マーケットを歩いていると、すっかり顔見知りになってしまった売り子サンに「こっち、こっち」と声をかけられたので、なんかイヤ~な予感がしたのだけれど、予感は当たった。
「おっちゃん、このベロベロ好きなんやろ」
と写真の財布を押し付けられ、僕は言葉を失った。
なんでも、新商品開発の過程で実験的に作った財布なのだそうです。
日本でも昔流行した「サーファー財布」をベースに、外側に小銭用ポケットをつけ、さらにはちょっと意味不明なキーリングがついている。
ノートパソコンの上に置いてみただけでも、そのデカさはじゅうぶんに伝わると思いますが、コレにカギ類を取り付けた日には、とてもじゃないが、男性ズボンのポケットには入らない。
それでも、彼女の新商品開発努力を評価して、なのか、ロイヤリティーの無意識の侵害を恐れて、なのか150バーツ(約400円)で引き取ってきた。
もっとも、僕がビビったところで、すでに数個は売れてしまったそうなので、
「じゃあ、次は名刺入れを作ってみてよ」
とノド元まで出かかったけれど、ぐっとこらえました。
