「審判の日」 | ローリング・ストーンズ野郎の雑記


・タイランドの長い一日
・二大政党に明暗
・民主党は「無罪」

日本語的に伝えれば、さしずめそんな具合になるのでしょうけれど、タイ国民注目 の中、政党ぐるみの選挙違反 裁判はタイ時間30日13時ごろより始まり、タイ王国憲法裁判所は17時過ぎに民主党に「無罪」の判決を、23時すぎに愛国党に「有罪」の判決を下した。

これにより、タイ憲政史上最大の前政権党は解党を余儀なくされることとなり、同党所属の有力政治家111名(118名?)はむこう5年間の選挙立候補などの政治活動が禁止される。
ひらたくいえば、一日にして政党数党が消滅し、大量の政治家が罪人として政界を追放されるという、「安政の大獄」ならともかく、現代日本のモノサシではとうてい計りきれない空前驚愕の政治裁判となった。

裁判は一審制につき、控訴は許されないそうです。

有罪判決の瞬間、愛国党所属政治家は呆然自失し、同党支持者たちはオイオイワンワンと泣き出した。
人気議員はそんな支持者をなだめるかのように、「まだ終わったわけではない」とテレビカメラの前で民謡を歌い出した。
が、コレがなかなか上手で、カラオケ男の異名もダテではなかった。

そういう行為が自然なのは日本ではハマコー先生ぐらいなのだろうけれど、支持者たちはやがて誰ともなく「モーラム」と呼ばれるタイ東北地方の民俗伝承舞踊を踊りはじめていた。

やはり踊りというものは、楽しい時だけの嗜好ではないのである。

タイ愛国党首脳部は31日13時から、判決に対する抗議声明を発表する予定、とのこと。
懸念される反軍事政府集会は参加規模10,000人を越えるのであろうか。

今日31日は、タイは祝日です。

↓民主党無罪の判決に歓喜する支持者たち(英字紙「The Nation」


*****************************************************
■憲法裁判所、タイ愛国党には解散命令(「バンコク週報」5月31日)

憲法裁判所は5月30日午後11時40分、タイ愛国党の政党法違反容疑に対して有罪判決を下し、解散を命じた。

憲法裁判所は同日午後6時15分より判決の読み上げを始めた。
同党の容疑は、昨年4月2日に実施された下院総選挙を有利に進めるために、小政党を買収したというもの。
この点、裁判官は、同党幹部のタマラック元国防相とポンサク元運輸相が中心となり、小政党の候補の買収を進めるとともに、これら候補の書類偽造にもかかわったと判断した。

また、買収されたタイ開発党、タイ大地党にも解散が命じられた。
一方、今回の解党命令にともない、タイ愛国党の執行部役員(党首、副党首、幹事長など)111人は5年間、被選挙権が剥奪されることになった。

昨年9月のクーデターで停止された旧政党法の規定では、政党法違反容疑で解党が命じられた政党の執行部役員は5年間、他の政党の執行部役員に就任できないことになっていた。

ところが、クーデターを成功させた軍部は、すぐに布告を発布し、罰則規定を「5年間の被選挙権剥奪」に変更した。
これがタイ愛国党幹部を標的としていたのは誰の目にも明らかだった。

しかし、判決前の憶測では、例えタイ愛国党が解党になったとしても、違反行為があった時点の法律規定を適用し、軍部がクーデター後に発布した布告は遡及させないとの見方が強かった。
また、国王陛下が先日、国家の混乱を危惧するお言葉を述べられたことで、過度に厳しい判決はないのでは、との意見もあった。

今回の判決では、被選挙権剥奪は起訴された時点でタイ愛国党の執行部役員を務めていた者すべてに適用される。
そのため、すでに脱党したソムキット元副首相、ソンタヤ元観光スポーツ相など元執行部役員も今後5年間は総選挙に立候補ができないことになる。
結果として、軍部が最も望んだ筋書きとなった。

チャトゥロン党首代行は判決後、「まさかこういう判決が出るとは思わなかった。実に不公平だ。断じて受け入れることはできない。国内、国外から批判がでるのは確実だ」と不満を表明。
その上で、「必ず出口はある。感情的な行動をしないでほしい」と支持者に呼びかけた。

これによりタイ愛国党再興は非常に困難になったものの、地方にはいまだ同党支持者は多く、今回の判決を不満とする者が反政府行動を起こす可能性は否定できない。同日、無罪判決を勝ち取った民主党を中心に新たな政治地図ができるとの見方もあるが、決して楽観視はできない。タイの政局安定はまだ先の話といえそうだ。

*********************************************
■憲法裁判所、民主党に無罪判決(「バンコク週報」2007年5月30日)

旧最大野党・民主党の政党法違反容疑に対する憲法裁判所の判決言い渡しが5月30日にあり、無罪判決が下った。

公判は午後1時35分に開廷。
4時間を超える判決文読み上げの後、午後5時50分にパンヤ憲法裁判所長官が民主党に対して無罪判決を言い渡した。

民主党への容疑は、
(1)選挙運動でタクシン政権に対する根も葉もない批判を繰り返した
(2)関係者を小政党(民主前進党)に入党させた上で、トラン県で立候補させ、タイ愛国党に「買収をした」というぬれ衣を着せた
(3)小政党(生活向上党)を買収してタイ愛国党にぬれ衣を着せた
(4)タイ南部ソンクラ県で他党の立候補を邪魔した

――というもの。
判決ではこのすべての容疑について、原告の起訴事実を正しいとする確証はないとして、民主党に無罪を言い渡した。

一方、民主党とともに起訴された民主前進党については、重大は違法行為があったとして解散が命じられ、執行部役員は5年間、被選挙権が停止されることになった。