ローリング・ストーンズのアメリカ向けアルバム「フラワーズ」 に「シティン・オン・ア・フェンス」という歌曲が収録されている。
元々は英国のフォーク・デュオ、トゥワイス・アズ・マッチに提供した曲らしいので、ストーンズはとくに力を込めて録音したようではないけれど、軽快なアルペジオが小気味よく、「モア・ホット・ロックス」
にも再録された。
かつて山川健一さん
が「フェンス」に言及した解説の中で、一字一句は忘れてしまったけれど、「高見の見物も時には大切だ」みたいなことを書いていたことを思い出す。
高見をキメ込めるだけ、クーデター後のタイ社会は一般国民生活も表面上はノンビリしている。
あしかけ20余年の海外生活で体験した「これはヤバイかな」的ハプニング時に比べても、僕もノンビリしています。
・深夜のパリで交番を訪ねたら道をおしえてもらうどころか、不良ベトナム人と疑われて留置所に放り込まれた時 。
・電車に乗り込んできたスリランカの反政府ゲリラに取り囲まれ、7時間も座席に拘束された時 。
・パスポート不携帯でも特例でジュネーブ空港の送迎エリア内に入れてもらったのに、フランス管轄内で公安警察に手錠をかけられてしまった時。
・インドの山村でカラ井戸に落下しながらも途中で草木にからまり、命びろいした時。
・ワイヤレスマウスが止まったので「電池が切れたのかな」と思ったら、自分の右手が動かなくなっていたという病気発症時。
ほかイロイロ。
いずれも僕のマヌケぶりが根底にあったんじゃないかと思うけど、そうした場面では常にストーンズがガンガンかかっていたので、大慌てすることなく冷静でいられた。
今思えば、ギルモアの「ファンをジャンキー扱い」 も他の意味では自己納得できる。
でも、もう三週間前になるのかな、「ジャック」を聴きながらタクシー待ちしている僕の目の前で、右折加速車に無免許少女三人乗りオートバイが突っ込み、うち一人の首が転がってきた時は、さすがに僕もピョンピョンとカエルみたいに飛び跳ねざるをえなかった。
立ちどころが悪かったら僕も巻き添えをくってたかも知れないし、「日常が突如として非日常に変わるのがタイランド」ということを改めて再認識せざるをえない事故でした...
◆「シッティン・オン・ア・フェンス」収録アルバム
1967年発表。
■収録曲
01. Ruby Tuesday
02. Have you seen your mother, baby, standing in the shadow?
03. Let's spend the night together
04. Lady Jane
05. Out of time *edited version
06. My girl
07. Back street girl
08. Please go home
09. Mother's little helper
10. Take it or leave it
11. Ride on, baby
12. Sittin' on a fence