The Rolling Stones
僕が本格的なストーンズ少年になるにはまだ時間が浅すぎた中学生の頃。
親戚のお兄さんから借りた、当時はかなり珍しかった英語のストーンズ解説本に載っていた、ナゾのアルバムがこの、「ジャミング・ウィズ・エドワード」。
さらに、レコード店で現物を手にして、その漫画ジャケットの正体不明のシュールさに慄然とした。
概要は、「レット・イット・ブリード」制作中に、余興で演奏した曲を一枚のアルバムにしたもの。
僕が写真類に夢中になっていただけで、英語解説本にはキチンと書かれてあったのかも知れませんが、このアルバムが商品化された背景には、ライ・クーダーのフレーズを「Honky Tonk Women」に盗用したことに対する慰謝的理由があった、ということを、ずっとあとになってから知った。
僕が、「Everything Is Turning To Gold」や「Cook Cook Blues」、「Fancy Man Blues」などの、オマケ的にシングル盤のB面に入れました、といった楽曲のグヤグヤ感が好きなのは、この「エドワード」のおかげなのかも知れない。
「Metamorphosis」や「TATTOO YOU」、正規盤ではない「Trident Mixes」が好きでしようがないのも、まったく同じ理由。

ちなみに、「エドワード」というのは、往年のピアニスト、ニッキー・ホプキンス。
「シー・ズ・ア・レインボウ」の美しすぎるイントロほか、60年代後半から70年代中盤のストーンズを陰で支えた功労者の一人。
アルバム「山羊の頭のスープ」の中袋などにも写真が載っていますが、凛々しい美形だった。
健康体のまま存命していたら、現在のストーンズ一座にどのように絡んでいたのだろうか?
ニッキー・ホプキンス