【屋島：14】＜脱出ゲーム　香川県からの脱出＞

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屋島

源義経に、軽い弓を渡した。

「これぞ我が弓！　かたじけない。
　もし敵にこの弱い弓を取られてしまったら、『これが源氏の大将の弓か』とあざ笑われるところであった」

「それがしからの贈り物じゃ、受け取るが良い。鬼一法眼が持っていた兵法書の写しだ」

兵法書『六韜（りくとう）』の一部、「虎の巻」を手に入れた。
早速読んでみた。

1万人の軍なら、重装備の大戦車36台。1台ごとに弩や矛を持つ戦士24人を両翼に配置する。車輪は8尺、車上に旗を立て鼓を置く。次に重装備の盾と矛を備えた戦車72台。

「……これは古代の戦の方法について書かれたものなので、今の世の人には役に立たないか」

「おそらく『六韜』全文の中でも、この『虎の巻』の冒頭部分が、最も現代人の役に立たない箇所だろう。では代わりにこちらはどうだ」

別の巻き物を手に入れた。筆文字で、暗号らしき言葉が書かれている。

スズメデンパソウメン

デンパグミポットインク

「せっかく弓が戻ってきたのじゃ、あれをやっておこう」

義経は弓に矢をつがえると、後ろの建物の上に向かって矢を放った。
矢はアンテナに当たり、カーンという大きな音が鳴った。

「あのアンテナは、悪天候のせいか老朽化のせいかはわからんが、ほんの少し傾いており、電波を受信できなくなっておった。今の衝撃で直ったはずじゃ」

建物内のゲームコーナーには、電波を受信しなければ動かないゲームがあったが、これから先は正常に動作するようになる。

「ところで、もう1つ探している物がある。壇ノ浦に沈んで行方知れずになった三種の神器の1つ、草薙剣だ。
　この剣を用いて窮地を切り抜けた古代の英雄が、白い鳥に姿を変えて、今でもこの剣を探していると聞く」

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