田野口(たのくち)('09.12.2)
午後4時25分。
まだ明るいので、田野口駅で途中下車してみた。
田野口駅の駅舎は、1931年(昭和6年)に建てられた。
昭和時代の内装が再現されているという。
一見、よくある木造駅舎のようだが、照明が蛍光灯ではなくて小さな電球だ。
これだけでもかなり温もりが感じられる。
時計や時刻表は新しいものだが、何かの撮影があれば、すぐに古いものに取り換えられるだろう。
暗くて見えにくいが、駅務室にはダルマストーブと、票券発行用の受話器(多分)がある。
木造の切符売り場が復元されている。
運賃表も手書き(これはほかの駅でもそうだが)。
入口の駅名板も手書き。
駅を出ると左手に、住宅地や茶畑が広がる。
外壁は押縁下見板張り。
昔の内装を再現したといっても、門司港駅のような派手さはない。
でも、地元との密着感を残した形で、リフォームできていると思う。
だんだん暗くなっていく。
次の電車は5時27分。
それまでには確実に日が落ちているはず。
5時になり、町に『ふるさと』のメロディーが流れた。
案の定、とっぷりと日が暮れた。寒くなってきた。
駅前の商店の自販機でコーヒーを買う。
あったかいのを買ったつもりが、間違って冷たいのを買ってしまった。
でも、おいしいからいいか。
twitterに書き込みつつ電車を待つ。
昭和30年代風の駅舎に来て、ツイッター見るのもどうかと思うが。
5時17分の下りの南海ズームカーを見送る。
無人駅なので、降りたお客さんは駅舎の外を通って出ていく。
予定どおり、5時27分の電車に乗って金谷まで戻る。
車両は京阪の元テレビカーだった。暖房が効いてて、落ち着く。
結局、南海ズームカーと京阪テレビカーには乗ったけど、近鉄の特急車両にだけは乗れなかったか。
もう景色はほとんど見えない。
橋と街灯があり、その街灯の光が下に映っているから、どうやら川沿いだとわかる程度。
塩郷のつり橋「恋金橋」も見えなかった。
さっき、田野口と塩郷とどっちで降りようか迷ったけど、つり橋は昨日、寸又峡で渡っていて、もういいだろうと思ったので田野口の方にした。
川根温泉笹間渡駅を出て、川を渡っているとき、左手に温泉施設「ふれあいの泉」の窓明かりが見えた。
温水プール棟が全面ガラス窓になっていた。
家山駅で下り電車とすれ違い。下りの方が近鉄車だった。
五和(現・合格)を過ぎると建物が増えてきた。
JR金谷駅前の木が、イルミネーションで光っていた。
今回はここで終了。東京に帰るとしよう。
東海道線6時43分発の下りで掛川まで行き、7時31分の新幹線で帰った。
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