ガブリエル・チョドス
乙女の祈り、エリーゼのために
曲目/
01.エリーゼのために 3:03
02.ラ・カンパネラ 4:53
03.春の歌 2:39
04.楽興の時 第三番 1:34
:05.乙女の祈り 5:53
06.メヌエット ト長調 2:22
07.夜想曲 変ホ長調Op.9-2 5:01
08.練習曲ハ短調Pp.10-12「革命」 2:31
09.トロイメライ 3:37
10.トルコ行進曲 3:30
11.ユモレスク 3:00
12.調子のよい鍛冶屋 4:55
13.メヌエット 1:31
14.主よ人の望みの喜びよ 3:23
ピアノ/ガブリエル・チョドス
録音/1977/08/16-20 八王子市民会館
P:松本啅典
E:依田平三
D:野島友雄
JVC VDC-1002
ガブリエル・チョドスの小品集ですが、このアルバムは記憶にありません。そもそもチョドスというピアニストさえ知りませんでした。しかし、ジャケットに「76cm/sec Direct Master」という表示を見て、それだけで買ってしまいました。今では骨董品ですが、オーディオ全盛期はオープンリールデッキがステイタスでした。小生も所有していましたが、19cm/secが一般で、38cm/secはプロ仕様でした。それがその倍の76cm/secで収録されているというのですから音の良さが分ります。そのダイレクトマスターで収録されているシリーズの一枚です。ちなみにこのシリーズは高城重躬が監修していたようです。
ところで、チョドスは当時は「オリオン」というマイナーレーベルでしかレコードを出していなかったので、日本ではほとんど知られていいなかったようです。このアルバムは彼が来日したとき日本のビクターが録音したもので、ビクターにはもう一枚「愛の夢・別れの曲」というアルバム(VIC2203)を録音しています。どちらも、通常のレギュラーシリーズとは違う形での発売ということもあって、オーディオファン以外はあまり話題にならなかったようです。
このダイレクトマスターシリーズは、
1.76cm/secのオリジナル・マスターを使用
2.ドルビー、dbx、コンプレッサー、リミッター、イコライザー等を使用せず可能な限りシンプルな機材で収録
3.マイクロフォンはショップス、ノイマン製のコンデンサーマイクを使用
4.カッティングはEL-156パラレルプッシュ真空管アンプ(テレフンケン製)を使用し、カッター・ヘッドはウェストレック3DマークII使用
というこだわりの仕様です。細かい録音データも掲載されていて、
マイクロフォン/ショップスCMC-54U、CMC-55U
ノイマンM-49、M−269
コンソール/ステューダー 169
テープレコーダー/ステューダー A-80
カッター・ヘッド/ウェストレックス3DマークII
カッティングアンプ/EL−156パラレル・プッシュ(200wx2)
カッティング・レース/ノイマンVMS-70
制作プロセス・ダイヤグラム
八王子市民会館でのマイクアレンジ
さて、肝心のチョドスです。1939年2月7日で、アルトゥール・シュナーベルの教え子であるアウベ・ツェルコ(Aube Tzerko)に師事。アスペン音楽祭でレオナルド・シュア、ウィーンのヨーゼフ・ディヒラー、ザルツブルクのカルロ・ゼッキにピアノを学んだ。カリフォルニア大学ロサンゼルス校で音楽の修士号を取得し、ウィーン国立音楽大学でピアノのディプロマを取得。シェーンベルクの助手でもあったレオナルド・スタインに音楽理論を学び、カリフォルニア大学ロサンゼルス校で哲学の学士号を取得した。ニューヨークで開催されたコンサート・アーティスト・ギルドコンクールで優勝。フルブライト奨学金、マーサ・ベアードロックフェラー助成金、および国立芸術基金からのソロレシタリスト助成金を受け取った。シカゴ交響楽団、オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団、エルサレム交響楽団、アスペン室内交響楽団でソリストとして共演。アリス・タリー・ホール、マーキン・ホール、米国議会図書館でコンサートを行っている。ボストンのニューイングランド音楽院の芸術学部で教鞭をとっている他、長年アスペン音楽祭のアーティストと教員を務めた。ロンドンのギルドホール音楽学校、ライプツィヒ音楽大学、タリンのエストニア音楽アカデミー、桐朋学園大学、東京の国立音楽大学など世界中でマスタークラスを開講していました。残念ながら2025年1月18日に亡くなっています。
音が良いので演奏が引き立ちます。まあ、名曲の小品ですから飛び抜けて名演ということはありませんが、自然と演奏に引き込まれていきます。代表的なものをピックアップしています。





