バーンスタイン/ロスフィル
コープランド、W.シューマン、バーバー、バーンスタイン
曲目/
1.コープランド:アパラチアの春 26:34
2.ウィリアム・シューマン:アメリカ祝典序曲 9:23
3.バーバー:弦楽のためのアダージョ 10:02
4.バーンスタイン:「キャンディード」序曲 4:18
指揮/レナード・バーンスタイン
演奏/ロス・アンジェルス・フィルハーモニー管弦楽団
録音/1982/07/24 デイヴィス・シンフォニーホール、サンフランシスコ
EP:ハンノ・リンケ
P:ハンス・ウェッバー
バランスE:カール・アウグスト・ネーグラー
E:Jobst Eberhardt R: Joachim Niss
DG 2532 083
時代はまだLPが主流の時代の産物です。そんなことで収録時間は50分京都当時の標準的なものとなっています。まあ、此がオリジナルのレコード仕様のCDですからこうなるのでしょう。先に取り上げたガーシュインのアルバムもそうですが、、この時代のロスフィルのシェフはカルロ・マリア・ジュリーニでした。そして、本来ならドロシー・チャンドラー・ホールが本拠地であるにもかかわらず、ここではサンフランシスコのディヴィス・シンフォニー・ホールで収録されています。このホールは本来はサンフランシスコ交響楽団の本拠地であり、サンフランシスコ響と録音するのが本筋なのでしょうが、ロスフィルと録音しているところが奇妙と言えば奇妙です。ツァーなら本来的にはジュリーニが帯同して然るべきなのにバーンスタインが指揮をしているのも不可解なものです。まあ、それはともかく1982年7月22-24日の3日間コンサートは開催されたようですが、どのような経緯で開催されたかは掌握していません。
DGのスタッフもこのホールでのレコーディングは初めてでしょう。小澤征爾がサンフランシスコのポストにあったときにはスタッフも、会場も別でした。そもそも、ディヴィス・シンフォニー・ホールは1980年に建てられたばかりですからねぇ。ここまで、きっちり音録りができているということは、リハがきっちりと行われているということでしょう。今回調べていたら結構大掛かりな録音スタッフが配置されていたことがわかりました。
個人的には「アパラチアの春」は、今は処分してしまいましたが、セラフィムから発売されていたロバート・アービング指揮するコンサート・アーツ管弦楽団のレコードで聴いていました。ミープランドの三代バレエ曲と言われる「ロデオ」とのカップリングでした。
あまり印象に残らない指揮でコープランドの曲はその当時はあまり理解できていませんでした。今回バーンスタインの指揮で聴くとなかなか、楽しい作品であることが分かった次第です。
2曲目はウィリアム・シューマンの「アメリカ祝典序曲」です。この曲は「アパラチアの春」よりも以前の1935年に作曲されています。セルゲイ・クーセヴィツキーヴィツキーの依嘱作品ということです。当然のことながら、クーセヴィツキー指揮ボストン交響楽団で初演されています。まぁバーンスタインの恩師ですね。バーンスタインはこの曲に関してはこの録音しか残していません。子供の遊ぶ状況を描いた作品ということで、フルオーケストラが楽しげな旋律を奏でます。濃厚な音楽ですが、あまり演奏されないのが残念です。下の写真は、そのウィリアム・シューマンとアーロン・コープランドが一緒に写っている写真です。そこにはバーンスタインのほかモートングールドも写っていて、アメリカ音楽会を代表する人たちが集合した1枚ということでは貴重なのではないでしょうか。
左からモートン・グールド、ウィリアム・シューマン、コープランド、バーンスタイン
バーバーの「弦楽のためのアダージョ」は、1980年代に映画「プラトーン」「によって広く知らしめられた曲です。ベトナム戦争の悲惨な現実を描いた映画として、その中でこの音楽が戦争の悲惨さを訴える重要なポイントとして使われていました。バーンスタインはこの曲をニューヨークフィルトも録音していますが、こちらの方が上環の方、守り方が素晴らしく、この曲の悲劇的な悲しさをより一層えぐり出しているような気がします。
最後は、自身の作品である「キャンディード序曲」です。この曲は何度も録音されていますが、多分一番有名なのは、ロンドン交響楽団との映像付きの演奏でしょう。小生もその演奏で慣れ親しんできました。ただこのロスフィルとの録音があったという事は、このCDを聴くまでは全く知らなかったものです。ライブと言いながらほぼセッション録音のこのキャンディードは、その演奏の楽しさからして、多分最上の録音なのではないでしょうか。ミュージカルとしては晩年にも改定を重ねたこの作品ですが、序曲としての楽しさは変わっていません。バーンスタインはウエストサイド物語だけではない面白さが伝わってきます。
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