東フィルの「ポップリ・オン・スクリーン」 | geezenstacの森

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東フィルの「ポップリ・オン・スクリーン」

 

曲目/

Side1
1 SF, ACTION, SUSPENSE THEMES 7:21
2 AMERICAN LOVE THEMES 6:35
3 WESTERN THEMES 5:29
Side2
1 MUSICAL THEMES 6:24
2 EUROPEAN LOVE THEMES 7:52
3 ACADEMY THMES 5:47

 

編曲、指揮/青木望

演奏/東京フィルハーモニー交響楽団

 

録音/1982

CARNIVAL RJL8038


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 フックト・オンシリーズのクラシクは爆発的な人記録しましたが、それに付随して、ジャズやポップスのアルバムはいくつか発売されました。ただ、このアルバムら類する映画音楽を扱かったフックト・オン・スクリーンというアルバムは検索しても引っかかりませんでした。もちもち、フックト・オン・クラシックがブームになったのは1970年台後半のディスコ・ブームの後を受けて80年ごろを中心に大ブームになりました。

 

 この「フックト・オン (Hooked On)」は、英語の「hooked on」をカタカナ表記したもので、「~に夢中になっている」「~にハマっている」という意味のスラングです According to Yahoo! News。、特定のジャンルの楽曲をメドレー形式で繋ぎ、ディスコビートなどでアレンジした音楽作品を指すことが多いです。特に有名なのは「フックト・オン・クラシックス」で、クラシック音楽をメドレー形式でアレンジしたものです。また、「フックト・オン・○○○」のように、他のジャンルの楽曲をメドレー形式でアレンジした作品も存在します。但し、一般のポップスものは数曲を繋ぎ合わせたものが多くねこういうものは本来はメドレーとして分類されます。

 

 てなことで、このレコードは多分世界で唯一本格的にフックト・オンとして映画音楽を演奏しているアルバムと言えるのでは無いでしょうか。なんと61曲の名作映画のテーマを6つの切り口で分類し4ビートの打ち込み系のビートに合わせて演奏しています。パートと曲は次のようになっています。

 

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 この、一定の打ち込み系のドラムスの4ビートに乗せるのはかなり繋ぎを意識しないとできないことです。編曲者の青木望氏は日本のポップスやアニメ作品の編曲家でさまざまなアーティストの作品を編曲しています。管楽器以外はなんでもこなす編曲家ということで、ここでは本来のフックト・オンのスタイルで膨大な61曲の映画音楽をアレンジして繋げています。残念なのは本家のフックト・オンはキレのあるリズムで4ビートをやや強めに収録していますが、自身が指揮をするということではこのドラムスの打ち込みをややテンポを遅くして演奏しやすいように指揮をしているためリズムに乗り切れていないところです。フックト・オンは一定のテンポで演奏するところに特徴があり、スローな曲でも速い曲でもそのビートに乗せて演奏しなければなりませんが、そこがちょっと慎重になりすぎて波に乗り切れていません。やはり。本家のロイヤルフィルの演奏には太刀打ちできていません。ヒットするにはそれだけの理由があるということなのでしょう。

 

 

 この音源は、CD化もされていません。著作権の関係もあるのかもしれませんが多分忘れ去られて埋もれてしまったのでは無いでしょうか。発売元はRVCでしたから現在の窓口はソニー・エンタティメントと思われますが、どうなんでしょうかねぇ。

 

 さて、元祖「フックト・オン」シリーズは、1980年代に世界的に大ヒットしました。特に「フックト・オン・クラシックス」は、クラシック音楽をより多くの人に親しみやすくするために企画されたもので、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団が演奏を担当し、ディスコビートに乗せてクラシックの名曲が次々と登場する構成が特徴です。ネットでは全3枚を一つにまとめた音源がアップされていましたのでそれを貼付けておきます。

 

 

 ちなみにネットではフックト・オン・ムービーのこのアルバムの存在を知らないと思われる空想の記事が見つかりました。80年代以降の作品をかなり網羅していますが、映画音楽が華やかだった70年代の作品がごっそり抜けているのはちよっと寂しい選曲だなぁと思われます。