バッハ/カンタータ第147番と「主よ、人の望みの喜びよ」 | geezenstacの森

geezenstacの森

音楽に映画たまに美術、そして読書三昧のブログです

バッハ/カンタータ第147番と

「主よ、人の望みの喜びよ」

 

曲目/J.Sバッハ

1.カンタータ第147番」「心と口と行いと生活を持て」

コラール「主よ、人の望みの喜びよ」

2.オルガン-マリー・クレール・アラン

3.トランペットとオルガン-モーリス・アンドレ、マリー・クレール・アラン

4.室内管弦楽団ークル留レーデル/ミュンヘン・プロ・アルテ室内管弦楽団

5.金管合奏とオルガン-アルス・ノヴァ金管五重奏団、クサヴィエ・ダラッス

 

ソプラノ;アグネス・ギーベル 

アルト;クラウディア・ヘルマン 

テノール;ヘルムート・クレプス 

バス;Eeich 

ヴァイオリン;Gyoergy Terebesi 

オーボエ・ダ・モーレ;ピエール・ピエル ジャック・シャボン 

トランペット;モーリス・アンドレ 

チェロ;ヤコバマッケル 

オルガン、チェンバロ;Eva Hoelderlin 

指揮/フリッツ・ウェルナー

演奏/プフォルツハイム室内管弦楽団

合唱/ハインリヒ=シュッツ=ショール=ハイブロン合唱団

 

録音/1963/06 バーデン=ヴュルテンブルグ州イルスフェルト

 

エラート TD−3024-RE

 

 

 このレコードはもう処分したものと思っていました。1972年に発売された日本コロムビアの「バロックの大作曲家たち」というシリーズが発売されました。このシリーズでは特典レコードのプレゼントもあり、シリーズから12枚購入するとTD−3024-REというバッハのカンタータ147番全曲とその中のコラール「主よ人の望みの喜びよ」のオルガン、トランペット、室内オーケストラ、金管合奏での演奏を収録しているレコードがプレゼントされる企画が実施されていました。これがそのレコードです。

 

 このフィリッツ・ヴェルナー の録音は2種類あり、最初の録音は1957年3月に行われています。もちろんそちらはモノラルでしたからこの録音が再録されたのでしょう。多分、バッハのカンタータの中では140番とともに一番知られた作品ではないでしょうか。小生は基本無神論者ですから、純粋に音楽作品として作品を聴いています。そのため、宗教曲は好んで聴くことはありませんし、このバッハのカンタータもこのレコードのこの演奏しか所有していません。ただ、ストコフスキーがバッハの作品を好んでオーケストレーションを施して後世に残したものはほぼ収集しています。多分、ストコフスキーの編曲もこの音楽的価値に基づいて行われたのではないでしょうか。

 

 フリッツ・ウェルナーのこの演奏名盤と言われるリヒターよりもゆったりとしたテンポで、優しく語りかけているような印象で聴く事が出来ました。

 

 この教会カンタータは、J.S.バッハが1723年に主の母マリア訪問の祝日のために作曲したと推測されていて、下記の10曲からなり、歌詞はマルティン・ヤーンが作詞したドイツ語で書かれています。

 

第1部

第1曲 合唱「心と口と行いと生活で」

第2曲 レチタティーヴォ「祝福されし口よ」

第3曲 アリア「おお魂よ、恥ずることなかれ」

第4曲 レチタティーヴォ

「頑ななる心は権力者を盲目にし、最高者の腕を王座より突き落とす」

第5曲 アリア「イエスよ、道をつくり給え」

第6曲 コラール合唱「イエスはわたしのもの」(Wohl mir, daß ich Jesum habe)

第2部

第7曲 アリア「助け給え、イエスよ」

第8曲 レチタティーヴォ「全能にして奇跡なる御手は」

第9曲 アリア「われは歌わんイエスの御傷」

第10曲 コラール合唱「イエスは変わらざるわが喜び」(Jesus bleibet meine Freude)

 

 実はこのうち6曲目と10曲目はどちらも同じ曲ですが歌詞が違って別のコラールとして使われています。このうち最終10曲目の方が「主よ、人の望みの喜びよ」とされています。このタイトルも名曲に一役買っていますねぇ。

 

 

 後半はこの第10曲をいろいろな編曲で収録されています。まあ、普通の市販レコードではなかなかこういう冒険は出来ないのでしょうが、得点版という事で、いい意味遊びの要素があり、楽しめます。最初はマリー・クレール・アランのオルガン独奏による演奏です。

 

 

 そして、モーリス・アンドレのトランペットによる演奏です。

 

 

 クルト・レーデルはバッハ・アルバムの中でこのコラールを演奏していました。

 

 

 最後は金管五重奏の「アルス・ノヴァ」の演奏です。

 

 

 ところでこの景品のレコードは、1970年のベートーヴェンイヤーに頒布されたようで、コロムビアの「ダイヤモンド1000」シリーズのカタログが入っていました。シリーズの4月発売予定の新譜まで全てアルバムの写真付きという形で網羅している珍しいものです。