発掘!!1974-5年の コンサートパンフレット5-3 | geezenstacの森

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発掘!!1974-5年の コンサートパンフレット5-3

 

 今ではメットビューイングでメトロポリタンオペラの上演が映画館で行われる程度ですが、この1970年代は音楽ホールで音楽映画が上演されていました。と言ってもカラヤン/ベルリンフィルのこのベートーヴェンの交響曲全集ぐらいでしたけどね。この映像は1970年の2月に愛知文化講堂で開催された上映会です。カラヤンは1967年から1969年にかけて映像でベートーヴェンの交響曲全集を完成させています。これはユニテルが制作したもので、録音だけでなく、映像による音楽作品の表現をも先進的に行なった指揮者は、カラヤンのほかにはいません。彼が映像で行なおうとしたのは“記録”ではなく“表現”であり“作品化”なのでしょう。曲によってスタジオ収録とライヴ収録があるようですが、どちらもカラヤンにとっては同等の意味を持っていたと思われます。楽器の連なりのクローズ・アップ、群舞のような弓の動き、逆光の意識的な多用など、撮り方に差はない。いかにもカラヤン! という映像ばかりだ。ひとつ残念なのは、画面が4:3のテレビサイズになっていることでしょう。

 

その第4楽章です。これはライブ収録の映像です。

 

 

 さて、このシリーズの凸ぷにも「名古屋管楽五重奏団」のパンフレットは取り上げていましたが、まとまってまた出てきたのでここでとりあげることにしました。一番古いものは旗揚げ公演となった1971年のものです。この頃はまだ、まともに室内楽のコンサートはありませんでした。この名古屋管楽扈従相談は結成は1967年に名古屋フィルの団員によって結成されたことになっています。ただし、手元にのコロプラグラムによるとメンバーは以下のようになっています。

 

ピアノ 佐々木伃利子 桐朋学園

フルート 加藤彰一 名古屋放送管弦楽団員

オーボエ 鳥居克之 名古屋フィルハーモニー交響楽団員

クラリネット 小松孝文 名古屋フィルハーモニー交響楽団員

ファゴット 伊藤 武 名古屋放送管弦楽団員

ホルン 福田 茂 名古屋放送管弦楽団員

 

ということで、名フィルというよりは現在の名古屋音楽大学繋がりのメンバだったことが窺い知れます。ちなみにこの団体はメンバーは入れ替わっていますが、現在でも活動を続けているようです。

 

 

 この時のプログラムは以下の曲目でした。

 下は比較的よく演奏されるベートーヴェンの/五重奏曲 変ホ長調 作品16です。

 

 

 

 何年も聴いているとメンバーが少しづつ変わっていきます。この第8回ではピアノとホルンがメンバーが入れ替わっています。

 

 

 指揮者の森正氏は1974年6月から1980年5月まで音楽監督を務めていました。メイフィルの音楽監督は初代が岩城宏之氏(1971.04 – 1973.05)、森氏が第2代で、その後は外山雄三氏(1981.01 – 1987.03)とつづいて途切れ、相手小林研一郎(1998.04 – 2001.03)氏の後はしばらく空席でした。多分この森さんの時代が一番足繁く通っていたと思います。この年は日本のトップソリストが頻繁に名フィルに登場していました。ヴァイオリンの江藤俊哉氏は1970年から72年にかけてRCAに対策を注ぎ付き背に録音して脂の乗っていた頃でした。ちなみにこの次の第3回定期には外国人指揮者としてウリ・セガル氏が初めて登場しています。

 

 定期演奏会の記録は名フィルのHPにもしっかり残っていますが、こういう特別コンサートはチラシだけが頼りです。指揮者の荒谷俊治氏は森氏と同時代を常任指揮者として活躍していました。で、こういうコンサートは彼の仕事だったのでしょう。このコンサート市民会館の自主企画ということで合唱まで含めたコンサートになっています。今は金城大学がクリスマスのメインですが、この頃はクリスチャン系の南山大学がクリスマスに向けた合唱コンサートを頻繁に披露していました。

 

 

続きます。