デンマーク国立フィル来日演奏会 | geezenstacの森

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廣津留すみれ

デンマーク国立フィル来日演奏会

 

曲目/

シベリウス:交響詩「フィンランディア」 
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 
チャイコフスキー:交響曲 第6番「悲愴」

 

【日時】2025年4月30日(水) 18:45開演 
【会場】愛知県芸術劇場コンサートホール

 

廣津留すみれ(ヴァイオリン) 
ヘンリク・シェーファー(指揮)

デンマーク国立フィルハーモニー管弦楽団(管弦楽) 
 

 

 

 4月最後の30日は、デンマーク国立フィルの演奏会に出かけてきました。ヴァイオリニストの廣津留すみれ氏が登場するとあって、ミーハーな観客が多いと予測しましたがそこまでも多くはなかったように感じました。まあ、普段毎週テレビでコメンテーターとしての彼女を見ているわけで、あまり地方での演奏会はしていないので、この機会に夫婦で出掛けてみました。いえば、我が家もミーハーというわけです。

 

ステージは2管編成の規模です。チェロが3プルトとやや歪です。

 

 プログラム第一局はシベリウスの交響詩「フィンランディア」でした。ヘンリク・シェーファーは1968年ドイツの生まれの指揮者です。とは言っても22歳の1990年からベルリンフィルでヴィオラ奏者をしていました。長年アバドのアシスタントとして活躍していたようで、2000年の「トリスタン」ではアバドの代わりにリハーサルを指揮していました。そんなことでオペラを得意としていて、スウェーデンのヴェルムランド歌劇場では、2007年~2013年に首席指揮者を務めました。日本では2004年~2011年、広島交響楽団の首席客演指揮者を務めていました。

 

 まあ、2管編成のオーケストラですから音量的にはそれほどありませんでした。弦楽奏者出身ということで編成は小さいながら弦楽はバランスの取れたそれこそ内政部をしっかり響かせたいいアンサンブルを聴かせていました。

 

 

 あまりオーケストラと共演するのは得意にしていないのが現在までにリリースされているのはメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲をメインにしたアルバムだけで、このチャイコフスキーはまだリリースされていません。ステージには淡い菫色のドレスを着て登場してきました。第1楽章のテンポは指揮者に合わせているのでしょうか、やや遅いテンポで開始されました。演奏自体は音色はきれいです。

 

 

 上の映像ではストラディヴァリウスを引いていますが、普段はイタリア製のそこそこの楽器をつかっているようです。今回も多分それでしょう。ただ、聴いた限りではやや線が細く繊細ですが、音に厚みがありません。所々でオーケストラに隠れてしまう部分がありました。指揮はダイナミックで記憶に残るショルティのようなきびきびとした棒です。カデンツァの部分は流石にソロですからしっかりと音も届きテクニック的には申し分のない響きが会場に溢れました。それで観客は惑わされたのか、第1楽章の終了で盛大に拍手が起こりました。まあ、大家の演奏ではままあることですが、個人的にはそこまでの演奏とは思えませんでした。

 

 血や胃コフスキーのヴァイオリン協奏曲は第2楽章と第3楽章はアタッカでつながっていますから拍手は起こりようがありませんが、当然ながら第3楽章終了時にはワレンばかりの拍手が起こりました。現在のところ国内の演奏会はソロやデュオのリサイタルが中心でオーケストラとの共演が今のところはこのコンサートだけです。まあ、そういう意味ではもう少し注目されると思ったんですがねぇ。ところでこのコンサート、上のパンフレットには全く表記がありませんが、金沢でこのゴールデン・ウィークに開催される「ガルガンチュア音楽祭」の一つのプログラムとして組み込まれていていたんですなぁ。この5月5日の金沢公演ではこのチャイコフスキーだけが切り離されていて単独の演奏会になっています。

 

 下はかなり以前のシェーファーが大阪フィルを振ってアン・アキコ・マイヤーズのバックを務めた演奏ですが、今回もきびきびとしたバックを努める演奏でした。ただ、隠し撮りのようで音はモノラルでかなり荒れた音質です。

 

 

 

 

 アンコールはお約束みたいなもので、何の説明もなくバッハの無伴奏パルティータが演奏されました。下はHarvard Art Museumsで行われたコンサートで演奏されたパルティータです。若いです。ここでは素直な演奏を披露していますが、コンサートではやや崩した前衛的なアプローチで演奏していました。

 

 

 後半はチャイコフスキーの「悲愴」でした。アマチュアのオーケストラはチャイコフスキーやブラームスを争って取り上げますが、小生はあまりチャイコフスキーは好きではないので彼の好機をう曲がプログラミングされている演奏会はほぼパスしています。そんなことで、この「悲愴」は久しぶりに生で聴いたことになります。今でもなぜこの許魔が名曲なのか理解していないのですが、暗いイメージの交響曲だということは理解しています。今回はオーケストラの金管がやや非力で、アマのオーケストラの方が金冠の団員が多いので断然厚みが違います。「悲愴」の聴かせどころはやはり第3楽章なんでしょう。ここだけはアップテンポでわかりやすい音楽なのでお客さんが乗ってくれます。案の定第3楽章が終わったら盛大な拍手が起こりました。ミーハーのお客さんが多いとえてしてチャイコフスキーはこうなってしまいます。第5番でもそうです。第4楽章で一度大きな休止が入るのでここで拍手が起こります。こういうスコアを書いているのでチャイコフスキーが好きになれないのかもしれません。案の定第4楽章が終わっても拍手は起こりません。で、拍手をしだすと今度はアンコールを求めてずーっと拍手が続きます。まるで50年前のコンサートを聴いているような感覚になりました。まあ、アンコールのあるのはアマチュアのオーケストラの演奏会でとこちとら理解しているので適当に席を立ちます。これは選曲のミスですなぁ。オーケストラ規模からして、ここはメンデルスゾーンか北欧に近しいならブラームスくらいが無難だったように思います。

 

拍手に応え何度もカーテンコールに応えるオーケストラ

 

アンコール曲の張り出し
 
 ロビーではCDや本のサイン会が開催されていました。