ヴォロドス/小澤のチャイコフスキー
曲目/
チャイコフスキー/ピアノ協奏曲第1番ロ短調Op.23
1. Allegro Non Troppo E Molto Maestoso 19:20
2. Andantino Semplice 6:44
3. Allegro Con Fuoco 6:50
ラフマニノフ/
4.10の前奏曲 作品23より第10番変ト長調 3:37
5.楽興の時 作品16より第2番変ホ短調 3:18
6.6つの歌曲より第3番 「ひな菊」 作品38の3 2:29
7.13の前奏曲 作品32より第5番ト長調 2:57
8.東洋のスケッチ 1:44
9.幻想的小品集 作品3より第3番 「メロディ」 ホ長調 4:15
10.「イタリア・ポルカ」 によるコンサート・パラフレーズ 3:04
ピアノ/アルカディ・ヴォロドス
指揮/小澤征爾
演奏/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:2002/06/12-14 フィルハーモニー ベルリン ライヴ
P:トーマス・フロスト
E:カイ・ミェルシュ
SONY 88875134072-8
第1楽章冒頭のホルンが気負わず始まるところはちょっと小澤征爾も枯れたかなぁと思ってしまいます。ただ、ピアノのヴォロドフは早いテンポと力強いタッチでぐいぐい曲を作っていきます。中間部で普通ならゆっくり歌わせるところもスピードを落としません。ぐいぐいと前に進んで小沢はサポートに徹していると言ったところです。この時ヴォロドフはまだようやく30代になったところです。写真のようにキーシン並みの甘いマスクです。対する小澤は66歳です。倍以上の年の差で丸くなったものです。ヴォロドフはコンクールとは無縁のピアニストのようですが、キレのいいタッチで楽しませてくれます。
第2楽章は楚々とチャーミングな響きでオーケストラの技術の高さを見せつけてくれます。ここは本来ならこの響きを楽しみたいところですが、ピアノはここでも楽々高速回転でオーケストラを引っ張っていきます。そして、終楽章は脱兎のごとく突入していきますが、。力まずタッチがころころと転がっていきます。なんでも小澤はヴォロドフを評して指の動きが早すぎると言ったとか。確かに速いところは、ちょっと走ったりもしていますが、抒情的に、颯爽と弾いています。小沢/ベルリン・フィルは、手慣れた感じで、ヴォロドスに自由に弾かせている感じです。録音も良く、ピアノの音もオケも非常に綺麗です。プロデューサーは誰かなと調べてみると、トマス・フロストではないですか。懐かしい名前です。黄金期にジョン・クマっクルー後CBSの屋台骨を背負っていたプロデューサーです。いい仕事しています。
第2楽章は楚々とチャーミングな響きでオーケストラの技術の高さを見せつけてくれます。ここは本来ならこの響きを楽しみたいところですが、ピアノはここでも楽々高速回転でオーケストラを引っ張っていきます。そして、終楽章は脱兎のごとく突入していきますが、。力まずタッチがころころと転がっていきます。なんでも小澤はヴォロドフを評して指の動きが早すぎると言ったとか。確かに速いところは、ちょっと走ったりもしていますが、抒情的に、颯爽と弾いています。小沢/ベルリン・フィルは、手慣れた感じで、ヴォロドスに自由に弾かせている感じです。録音も良く、ピアノの音もオケも非常に綺麗です。プロデューサーは誰かなと調べてみると、トマス・フロストではないですか。懐かしい名前です。黄金期にジョン・クマっクルー後CBSの屋台骨を背負っていたプロデューサーです。いい仕事しています。
ラフマニノフの小品も、美しい演奏です。録音もよく、ピアノの音が広がって、音に包まれる感じで、とてもいいです。そして、最後の作品はアンコールで弾いた本人編曲による「イタリア・ポルカ」です。
天才ピアニスト」という呼び名を欲しいままにしてきたピアニスト、ヴォロドスのベルイン・フィル定期のライヴ収録です。最後まで高速タッチで聴くものを圧倒してくれています。開場のライトが落ちても拍手が鳴りやまないほどの大喝采をあびたという最新アルバムのハイブリッド盤です。(ステレオ&マルチチャンネル)今回はなんと小澤征爾、ベルリン・フィルと人気曲、チャイコンを競演という、まさしくヴォロドスにとって起爆剤となりうるアルバムの登場です。昨年のライヴを収録したアルバムで、終演後ブラヴォーのさらし、、他、等、得意のラフマニノフ作品も収録。
ヴォロドスの高速打鍵と音色の使い分け、音の歯切れ良さは格別に素晴らしい。協奏曲の冒頭は至ってノーマルに始まるが、途中から何故かピアノが阿波踊りのリズムに変わり、それに呼応してオケも同様に阿波踊りのリズムで応答し、その後は更にヴォロドス節が炸裂していくという展開。これを新鮮で面白いとポジティブに捉えるのか、フザケてる下らないとネガティブに捉えるのか、判断が分かれるところ。
ヴォロドスは、指が早いので、表情に余裕があります。
さて、小澤氏はチャイコフスキーのピアノ協奏曲は1966年にロンドン交響楽団と組んでジョン・ブラウニングと録音しています。個人的には第1楽章冒頭のホルンの扱いはこちらの方が好きです。
ブラウニングのチャイコフスキーを取り上げた記事はこちらです。
ジャケットは同じなんですが、収録曲が違うバージョンです。