ポールモーリア生誕100周年 | geezenstacの森

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ポール・モーリア

華麗なるラブ・サウンドの世界

 

 3月4日はポール・モーリアの誕生日です。つまりは生誕100年なんですなぁ。ということで取り上げています。イージー・リスニング界のトップに君臨した偉大な仏音楽家、ポール・モーリア、日本で今まで約1,000回にも及ぶコンサートを開催するという偉業を成し遂げ、 日本の音楽文化に多大な影響を与えたポール・モーリアの 生誕100周年を記念し、今回はリーダース・ダイジェストから発売された12枚組のレコードアルバムセット「ポール・モーリア 華麗なるラブ・サウンドの世界」を取り上げます。


 まあ、曲数が多いので曲目リストはカットしますが144曲収録されています。こんなジャケットです。ムード・ミュージック時代を思い出させる女性をあしらったデザインです。発売は多分1970年代後半でしょうか。

 

 

 



 

 そして、このセットにはボーナスLPといて「ポール・モーリア/クラシック・ファンタジー」というアルバムが封入されていました。つまりは全156曲のボックスセットというわけです。

 

 

 こういうセットは発売元が選曲のイニシアチブを持っていますから市販品よりも柔軟な選曲をしていて、それこそ名曲が網羅されています。各アルバムから一曲づつピックアップしますが、まずは世界的大ヒットとなったこの曲は外すわけにはいきません。「恋は水色」はストリングス主体のそれまでのイージーリスニングオーケストラとは一味違い、チェンバロなどを用いた斬新なアレンジが共感を呼びました。

 

 

 2枚目からはトップに収録されている「カリブの白い砂」です。日本語のタイトルはいかにも西インド諸島のカリブを思わせますが、原題は「マチュ・ピチュ」なんですなぁ。

 

 

 3枚目のアルバムからは「優しく歌って」です。ロバータ・フラックの原曲は冒頭アカペラで開始されますが、ポール・モーリアは意表をつくイントロです。

 

 

 4枚目は「エキゾチカ」と題されていて、南米やロシアの民族音楽を多く収録しています。ケーナを使っていないのにそれらしいアレンジを効かせるのは流石です。まあ、S&Gのバックで演奏していたロス・インカスのメンバーがアレンジしていますから納得してしまいます。

 

 

 4小節のメロディを女性コーラスを使ってうまくアレンジしています。この曲ではサックスのソロが上手く使われています。

 

 

 6枚目のアルバムは名曲揃いなんですが、なんといっても「涙のトッカータ」でしょう。これもポール・モーリアを代表する曲でしょう。

 

 

 7枚目はカーペンターズやビートルズの名曲を集めています。「ペニー・レイン」はそんな一曲ですが、珍しくストリングス主体のアレンジです。

 

 

 70年代を代表する曲としては「ある愛の詩」は外せないでしょう。フランシス・レイの名前を確固たるものにしました。

 

 

 ヨーロッパでは70年代まではユーロビジョン・コンテストや、サンレモ音楽祭は名曲の宝庫でした。この「雨」もそんな曲です。

 

 

 バラード系の曲もポール・モーリアはお得意でした。「蒼いノクターン」は、ピアノをフューチャーしてしっとりとした演奏でメロディを引き立たせています。

 

 

 「エーゲ海の真珠」も代表曲でしょう。冒頭のトランペットの一節だけでポール・モーリアの演奏と分かります。

 

 

  「勝利への讃歌」はレイモン・ルフェーヴルの演奏が知られていますが、このポール・モーリアの演奏も捨てがたい魅力があります。

 


 最後はクラシックのアルバムから「みじかくも美しく燃え」です。ポール・モーリアの演奏ではショパンのアルバムがよく知られていますが、モーツァルトの作品でも原曲を活かしてピアノが美しいメロディを奏でています。

 

 

 日本での人気を裏付けるように、この記念の年に世界で唯一の“公式”コンサートの開催が決定しました。ポール・モーリアの奥様のイレーヌ夫人の賛同を得て、 全曲オリジナル・スコアによるファン待望の公演が実現します。


 ただし、演奏するのは70年代半ばから一世を風靡した“LOVE SOUNDS(ラヴ・サウンズ)”をシンボルに日本の東京室内管弦楽団を主体とする

「PAUL MAURIAT “LOVE SOUNDS” ORCHESTRA(ポール・モーリア “ラヴ・サウンズ”オーケストラ)」です。


 指揮者は、ポール・モーリアを彷彿させるスリムなスタイルとエレガントな指揮によって、多方面の音楽シーンで大活躍中の佐々木新平が何とポール・モーリアに使用したジャケットを譲り受けて務めるそうです。多分、生音が主体ということでは70年代が主体の演奏でしょう。


 コンサートは東京と大阪のみで開催されるようですから地方をファンは置いてけぼりです。多分シニア層がメインですからこれはないわなぁ。フジテレビが絡んでいますから、コンサートの映像やCDでがっつり儲けることでしょうなあ。