愛知県医師会交響楽団演奏会 | geezenstacの森

geezenstacの森

音楽に映画たまに美術、そして読書三昧のブログです

愛知県医師会交響楽団

第41回定期演奏会

 

プログラム

 アンコール 

1.ショパン/英雄ポロネーズ         

2.モーツァルト/アヴェ・ベルム・コルプス

 

  11月3日はイベントが目白押しで、朝1番で名城公園の「tonarino」で行われた「名古屋ウクレレ音楽祭」を午前中鑑賞した後は金山に飛んで、今度は美術鑑賞でした。それからまた栄にとって返して、午後は演奏会の鑑賞でした。まぁこれがメインでしたけれどもね。

 

 今回のコンサートは、最初はチケットが取れませんでした。人気の演奏会と言うこともあって、チケットが売り切れてしまっていたのです。そんなことで慌ててオーケストラの団員の人に頼み込めチケットを1枚分けてもらいました。

 

 今回の目玉は何といってもピアニストの沢田蒼梧さんでしょう。何しろ2021年のショパンコンクールでは二次予選まで進んでいました。下はその時の二次予選の演奏の様子です。

 

 

 このコンサートは、名古屋大学医学部卒業のピアニストということで、このコンサートにソリストとして呼ばれたものだと言うことが推測できます。なお、このコンサートの前々日には、ベートーベンのピアノ協奏曲第3番も演奏していたそうです。

 

 最近は二刀流で、その意味ではメジャーリーグの大谷翔平と同じ道を歩んでいると言うことができますが、ベクトルの違う医者との二刀流と言う事はもっと大変なのではないでしょうか。ただこちらの二刀流も何とか成立させて大成してほしいものです。そういう意味では今回のオーケストラのメンバーも二刀流で頑張っている人たちでしょう。

 

 

 

 コンサートはアマチュアのオーケストラとしてはステージ後ろの席もお客を入れるという異例のものでした。沢田蒼梧氏の人気の高さが窺えます。最初はベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番「皇帝」です。

 

 第一楽章から早いテンポで曲が進んでいきます。スケール感はあまりありませんが、しっかりしたピアノタッチでテクニックは抜群です。個人的にはベートーベン最後のコンチェルトと言う事では、もう少しどっしりと構えた演奏の方が重量感が増して音楽の完成度が上がるとは思いますが、ショパン弾きだったホロヴィッツも若い頃はこれぐらいのテンポで弾いていたことを思い出しました。オーケストラはそのピアニストのテンポに合わせてそつのない伴奏を務めていきます。ただ音楽がぶつかり合うと言う相乗効果は少しなかったのかなあと言う印象です。

 

 

 第二楽章は市場豊かなフレーズで美しいピアノが響きます。さすがショパンコンクールで大舞台を踏んできた経験が生きています。音の粒が揃っていて市場あふれる演奏になっています。

 

 第3楽章はアタッカでつながり、ピアノのソロで怒涛のようになだれ込んでいきます。ここでも早いテンポで音楽を形作りながら構成のきっちりとした音楽を響かせていきます。実に美しいピアノです。こで音楽にもう少しゆとりが出てくれば、一流ピアニストの仲間になれるでしょう。

 

アンコールでは、お得意のショパンの英雄ポロネーズが演奏されました。実に軽快なタッチでキラキラと輝く英雄像が描かれていました。さすがショパンコンクールの経験者と言えるでしょう。個人的には大満足の演奏でした。

 


 後半はチャイコフスキーの交響曲第5番です。本来、チャイコフスキーの交響曲がプログラムに組まれると、あまり出かけてはいなかったのですが、今回は前半がメインでしたので、こちらの曲も聞くことになりました。アマチュアオーケストラがよく取り上げる曲で、演奏もそこそこしがいがあるのでしょう。演奏回数ではベスト10に入る人気曲で、チャイコフスキーの交響曲でも1番のヒット作ですね。ただ金管のメンバーが腕の見せ所となる曲ですから、そこがうまくいかないと曲が台無しになってしまいます。今回もやや練習不足なのか、ホルンのパートが不調でした。 

 指揮者の田中氏は、第一楽章から、こちらは非常に遅めの店舗を取り、重厚な響きをオーケストラから引き出していました。キドの第二楽章の叙情楽章では、冒頭のホルンが。音がひっくり返ってしまっていたのが残念です。

 

第3楽章のワルクライマックスの第4楽章へ進みますが、音楽の盛り上がりから行くと、休止は長く取らない方が良いのですが、今回はしっかりと休止とって演奏をしていきました。そのために音楽の流れがちょっと途切れてしまったのが残念です。

 

 今回の演奏会は、前回の演奏会から10ヵ月ほどと言うこともあり、やはり全体的に練習不足が否めません。団員の55%が医療関係者ということですがまた、オーケストラのメンバーも活動が40年以上と言うこともあり、やや若返りが遅れているのかなあと言う印象も受けました。

 

 オーケストラのアンコールはモーツァルトの作品が用意されました。まぁチャイコフスキーで盛大に盛り上がりますから、アンコールはクールダウンの曲が最近の流れなのでしょう。弦楽合奏だけの静かな「アヴェ・ヴェルム・コルプス」が演奏されました。これはしっとりとした演奏で弦楽合奏はかなりこなれていたのではないでしょうか。