「真夜中のカウボーイ」ならぬ
「真夜中のカーボーイ」
お恥ずかしい限りですが、今日取り上げる「真夜中のカーボーイ」は、ずっと「真夜中のカウボーイ」だと思っていました。ところが日本語のタイトルで検索すると、カウボーイはカーボーイに変換されてしまうのです。なんじゃこりゃということで、映画のサイトを覗きに行きました。するとやはり日本語の表記では、「真夜中のカーボーイ」となっているではありませんか。そうなんです、この映画は当時のユナイトの宣伝部長であった水野晴男氏がカーボーイ(car boy)の方が都会的センスあると言うことで、タイトルをこうつけてしまったのです。だから日本語表記の正式な映画のタイトルは「真夜中のカーボーイ」となっているのです。まるで「07危機一発」のようなタイトル付けですなぁ。
小生としては英語のタイトルでほとんどの作品を検索しますから、この映画のタイトルは「Midnight Cowboy」で単語面ではやはりカウボーイになってしまいます。そんなことで主題曲のジョンバリーの作曲した主題曲もてっきり真夜中のカウボーイだと思っていました。これが違うんですなぁ、映画のタイトル同様、曲名も、真夜中のカウボーイになっているのです。この曲は1969年のアメリカ映画です。主題曲としてはニルソンの歌う噂の男というのがヒットしましたが、映画音楽自体はジョン・バリーが書いています。そのテーマ曲がこの真夜中のカウボーイと言うわけです。こんな曲でした。
ジョン・バリー/サントラ
ジョンバリーはサントラ以外にも自身のオーケストラを指揮してこの曲を録音していますし、珍しいところではロイヤル・フィルを振って録音しているバージョンもあります。
ジョン・バリー/ロイヤルフィル
もちろん名曲ですから当時のイージー・リスニングのアーティストはこぞって録音しています。そんな中アメリカではフェランテとタイシャーの演奏がヒットしています。もちろん2代のピアノによる掛け合いでアメリカではこういうサウンドが受けたんでしょうなぁ。
フェランテとタイシャー
そして大御所のパーシー・フェイスやヘンリー・マンシーになんかも録音しています。ストリングスが主体ですがベースを効かせたジョン・バリーに似せたサウンドでその中に中間部でジャズ的アプローチも取り込んでいます。
パーシー・フェイス
これに対して、マンシーにはピアノの名手ということもあり、導入部ではオリジナルのハーモニカを使っていますがすぐにピアノのソロに主題が写っていきます。
ヘンリー・マンシーニ
ヨーロッパ勢ではフランクプゥルセルが最初はハーモニカを使いながらストリングスを重ねるという手法を使っています。
フランク・プゥルセル
これに対してポール・モーリアは独自のセンスでグラスベルのようなサウンドを全編で響かせ、そこにピアノを加えてストリングスでコーティングするという独自のサウンドを作り上げています。
ポール・モーリア
面白いのがマントヴァーにがこのポール・モーリアをマイルドにしたようなサウンドとお得意のカスケードストリングスをを重ねています。
マントヴァーニ
珍しいことにこの曲はジャズのアーティストも時々取り上げているという珍しい作品でも荒れます。まあ、ブルース調の曲ですからねぇ。その中でもブルーノートにリーモーガンが録音しています。
リー・モーガン
まあ、あとは有名無名のオーケストラがこの曲を取り上げていますから、お暇な人はクリックして聴いてみてくださいな。
リビング・ストリングス
エドワード・ロス
Los Sharks
カラベリ
Pietro Delmont Orchestra
London Starlight Orchestra
ピーター・ネロ
Toots Thielemans - Midnight cowboy
バディ・リッチ
The Bar-Kays
The London Philharmonic Orchestra
そうそう、この「真夜中のカーボーイ」という映画にはオープニングのタイトルバックに流れる主題歌があります。ハリー・ニルソンの歌った曲で、こちらもヒットしました。まさにこの映画を代表するような曲で、希望に満ちた青年の心情をよく表しています。
で、挫折していく青年の心を評したものとしてジョン・バリーの曲が流れるわけです。名画に名曲がストーリーの中に収まっています。