カール・バンベルガーのロザムンデ | geezenstacの森

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カール・バンベルガーのロザムンデ

 

曲目/シューベルト

SIDE A
間奏曲 変ロ長調 7:56
SIDE B
バレエ音楽 6:53

 

指揮:カール・バンベルガー
演奏:コンセール・パードルー管弦楽団

 

コンサートホール SM956

 

 

 このレコードも今回発掘したものです。こんなものがどうしてコレクションされていたのかわかりませんが、ロフトに残っていました。コンサートホールは通信販売の会社でたまに、1960−70年代のレコード芸術に広告を載せていましたがそれらは30㎝LPのみだったので17㎝LPがなぜこれくしょんされているのかわかりません。多分歌謡曲やポップスのシングルの中に混じっていたので、父親のコレクションであったのかもしれません。もう処分してしまいましたが、フロア型の蓄音機もありSPレコードも大量にあったのを覚えています。軍歌から童謡、クラシック物も多少あったと記憶しています。

 

 さて、この17㎝LP実にいい加減な代物で、ジャケットの右下はモノラルを表すM-956という番号になっています。しかし、ジャケットには大きく「full STEREO」の表示がある通り、ステレオ盤なのです。実にいい加減な会社であったことが窺い知れます。上記はものらるのジャケットを急遽ステレオ用として発売した物で、後期にはちゃんとしたステレオのジャケットで発売されたようです。他がステレオで発売されたジャケットです。

 

 

 1960年代になると日本ではポップスの一部を除き、ほとんどステレオで発売されていましたからモノラルで発売したものの売れなかったので急遽ステレオ盤を発売した状況が見てとれます。LPでも発売されていますが、そちらは寄せ集め盤でフルニエの演奏したアルページョ・ソナタとのカップリングになっています(SMS3068)。

 

 さて、カール・バンベルガー(1902-1987)はウィーンで生まれたアメリカの指揮者です。ウィーン大学において、オーストリアの音楽学者であるハインリッヒ・シェンカーに学び、ダンツィヒ(ポーランドのグダニスク)で指揮活動を始めます。 ドイツのダルムシュタットで指揮をしている間、バンベルガーはロシアへの移住によってドイツの国家社会主義の台頭を回避したのですが、1937年に米国に永住しました。バンベルガーは1939年からマネス音楽大学で管弦楽とオペラについて教え、 第二次世界大戦後は、彼は何度も西ドイツに戻って指揮活動を行い、彼の録音のほとんどはこのような状況下で行われたようです。 バンベルガーは指揮者としての知名度は低いのですが、指揮者の訓練で広く使用されている標準的なテキストである1965年の著書「指揮者の領分」で知られています。多分、彼の名前を一般的に知らしめたのはコンサートホールが「マスター・ワークス・コンサート」として発売したレコードなのでしょう。ょうせいもこの一枚は会員ではなかったので高校時代の友人に頼んで手に入れたことがあり、その中で、モーツァルトの交響曲第32番というやや渋い曲をウィーン祝祭管弦楽団と演奏していたのです。彼の名前を最初に知ったレコードです。

 

 この録音多分カタログの穴埋めのために録音されたものなのでしょう。何しろ間奏曲とバレエ音楽しか演奏されていません。そのため目立ちませんが、当時多分この2曲を17㎝LPで発売したのはこの組み合わせしかなかったのではないでしょうか。

 

間奏曲

 

バレエ音楽第2番

 

 このアルバムには含まれていませんがもう一つのバレエ音楽の第1番も録音しています。

 

 

 さて、ここで演奏しているオーケストラですが、今ではコンセール・パドルーとして活躍しています。wikiによると

 

{{{1861年に始まるフランス最古の、パリのコンサート・オーケストラである。ジュール・パドルーがコンセール・ポピュレールConcerts populaires)として創設した。コンセール・ラムルー、コンセール・コロンヌとともに、パリ3大民間オーケストラの一角を占める。}}}

とあり、まあ、のだめカンタービレの「マルレ管弦楽団」のような存在でしょうかね。日本人では阿部加奈子がこのオーケストラにたびたび客演しているようです。