3月の散財 | geezenstacの森

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3 月 の 散 財
 

 ふらっと立ち寄ったキンブルでポツンと残っていたのがこれらのセットでした。クラシック物は投げ売りで、全て1枚あたり55円という超お買い得品となっていました。持ち帰って中を確認するとほぼレコードは新品で一度も通針していないレコードが大半でした。まさにラッキーです。

 

 

 上にある「NHK名曲アルパム」は10枚組のセットで、昭和52年4月5日の放送開始から昭和54年までの放送音源をそのまま収録しています。放送は5分の番組でしたから曲はその尺に合わせてほぼ編曲で収録されています。また、テレビがステレオ放送になったのが53年10月からということで、それまでの音源は当然ながらモノラルで収録されています。この当時までに200以上の音源が放送されていますが、ここではレコード1枚に10曲、つまり半数の100曲が収録されています。このアルバム好評だったようで残りの100曲の音源は第2集にまとめられたようです。収録曲は110ページ以上の写真付き解説書に1曲1ページ紹介されています。音源には懐かしい名前がずらりと並んでいて、オーケストラの音源は全て東京フィルハーモニー交響楽団で揃えられています。指揮者陣には森正、小林研一郎、黒岩英臣、尾高忠明、大町陽一郎、渡辺暁雄、外山雄三に加えて女性指揮者の草分け的存在の久山恵子という名前まで伺えます。室内楽は巌本真理、ピアノには木村かおり、岡村梨影、ヴァイオリンに外山滋、徳永二男、田中千香士、などのN響のコンサートマスターの名前や前橋汀子、ギターの荘村清志の名前までも確認することができ、当時の日本の音楽界を牽引していたアーティストの名前がずらっと並んでいて壮観です。

 

演奏者と曲目の一部

 

ちゃっかりキングは自社の音源でもこれらの名曲を楽しむことができますよというリストも挟み込んでいます。

 

 

 ヨッフムは好きな指揮者で、1960年代にコンセルトヘボウ管と来日したおり、NHKでそのコンサートの模様が放送されたのですが、その時ちょうどカラヤン/ベルリンフィルも来日していて、どちらもベートーヴェンの交響曲第6番「田園」を演奏したのですが、両方の演奏を聴いてその時はヨッフムの演奏の方が感動したことを覚えています。ヨッフムはコンセルトヘボウ管とこのロンドン交響楽団と2度全集を完成していますが。こちらは今までCDテセは所有していましたがLPは全く所有していなかったので捕獲した次第です。解説書を見ると一貫したスタッフで製作されたわけではなく、1、2番はジョン・フレーザー/スチュアート・エルザム、4番はジョン・ウィラン/ロバート・グーチで、残りはクリストファー・ビショッブ/クリストファー・パーカーのコンビで録音されていたことが初めて分かりました。ただ、録音年月日については記載がないというお粗末なものです。総論は大木正興氏、曲目解説は門馬直美氏となっています。

 

 

 ベートーヴェンは1978年に録音されていますが、このブラームスはそれに先立つ1976年に録音されています。こちらはオームストラがロンドンフィルと違っています。ヨッフムのブラームスは全く所有していなかったので、これは掘り出し物でした。こちらは全てクリストファーコンビが録音を請け負っています。

 

 1976年7月から10月にかけて一気に録音されたこの録音は同時期のベートーヴェンとは異なり、ロンドン・フィルと収録されました。当時ハイティンクが首席指揮者の時代であり、ちょうど翌77年からはテンシュテットとマーラー録音をスタートさせる直前の時期にあたります。ロンドン交響楽団とはやや違う落ち着いた音色を持っているロンドン・フィルの音は、DGにあるハイドンの交響曲での共演でも聴かれるように、ベートーヴェンと良い描き分けになっています。