懐かしのレコード芸術 1973年9月号 その2 | geezenstacの森

geezenstacの森

音楽に映画たまに美術、そして読書三昧のブログです

懐かしのレコード芸術 1

973年9月号 その2

 

 この号の巻頭には現在では「カメラータ」レーベルを主催する井坂紘氏がエッセイを寄せています。曰く「素顔の演奏家たち」というタイトルで45日間のヨーロッパを歩き回って出会った演奏家との触れ合いを記事にしています。下がその記事の冒頭ですが、ここからクイズです。下の人物は誰でしょう。残念ながら記事の中にはヒントはありません。ただ、井坂紘氏ということが大きなヒントにはなります。右下は婦人とのツーショットです。

 

回答はこの記事の末尾です。

 下は「クラヴィエール」レーベルの広告を打っているのは徳間音楽工業です。現在の徳間ジャパンですね。そしてこれ以前は歌謡曲をもっぱら専業としていた「ミノルフォン」という会社でした。1972年に徳間書店に買収されて徳間音楽工業となったわけです。この時、クラシックの発売はドイツ・シャルプラッテンと契約をしています。と同時にここでは「クラヴィエール」、さらには「バルカントーン」などを発売したのでしょう。

 

 

 さて、キングレコードの広告です。トップは本家のラドゥー・ルプーの告知でした。このベートーヴェンは彼の日本デビュー盤となります。録音嫌いでそれほど多くの録音があるわけではありませんが、この頃は確かに注目され始めていました。

 

 

 この巻のメインは多分この告知でしょう。この年の9月、1000円盤の一つの頂点となるカラヤンがデッカに録音したアルバムが一挙に20枚発売されました。建前は初回プレス限定ということでしたが今思うと売れ筋は多分サイプレスされたのではと思うぐらい巷には溢れていました。まあ、小生もこのほとんどは予約した記憶があります。ただ、一つ言えるのはジャケットデザインがしょぼくカラヤンのポートレートを使っていて各アルバムの違いがはっきりしなかったという点です。オリジナルのデザインを採用して欲しかったなぁ。

 

 

 このシリーズで新しく知った曲も多々ありました。オペラのハイライトなんかもそうですが、すごく新鮮な内容でした。デッカのこれらの録音はリアルタイムでは知らなかったのですが、何よりも1950年台後半の録音で全てステレオだというのが一番インパクトでした。それが右端の帯が物語っています。ロンドンのカラヤン盤には擬似ステは一枚もありません。この言葉は一番インパクトがありました。

 

 

 これはこの翌月東芝が告知したEMIの1000円盤を強烈に皮肉っているからです。先出しするとこんな内容でした。

 

 

 

 これは東芝の1000円盤、「セラフィム名曲シリーズ」の後番号で発売されています。一応これらのレコードはギリギリステレオで録音されたものですが、フィルハーモニア管時代の録音はモノラルが多いので小生は全く手を出しませんでした。そもそもカラヤンの擬似ステものを最初に掴まされていましたのでEMIのカラヤンは信用が置けませんでした。今回改めてこのシリーズでタイピンプレゼントの販促が告知されていますが、こんな販促がなされていたとは全く知りませんでした。果たしてもらった人はどれほどいたのでしょうかねぇ。

 

 

 

 

 

 

 さて、回答です。

①モーリス・ジャンドロン夫妻

②クルト・マズア親子

③フィリップ・ジョーンズ夫妻

④パウル・マイゼン(フルーティスト)

⑤ヘルムート・ヴィンシャーマン

⑥セルジュ・ボド夫妻

⑦セヴィリーノ・ガッぜローニ