真珠の首飾り 栄光のスウィング・デラックス2 | geezenstacの森

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真珠の首飾り 栄光のスウィング・デラックス2

ted heath swing is king Vol 2

 

曲目/

A面

1. オパス・ワン

2. スカイライナー

3. 真珠の首飾り

4. サウス・ランパート・ストリート・パレード

5. ロング・ジョン・シルバー

6. インターミッション・リフ

B面

1. ジャンピン・アット・ザ・ウッドサイド

2. オー・レディー・ビー・グッド

3. ドント・ゲット・アラウンド・マッチ・エニモア

4. ジャージ・バウンス

5. ハーレム・ノクターン

6. アップル・ハニー

 
演奏/テッド・ヒース・オーケストラ
編曲/ローランド・ショウ
録音/1968
 
P:アラン・ステックラー、トニー・ダマート
E:アーサー・リリー
 

キングレコード ロンドン SLC4503

 

 

 

 「フェイズ4ステレオ」は、1961年にデッカ・アメリカの子会社が開発した20chマルチ録音を4トラックに収録するという、当時としては画期的な録音方式でした。フェイズ4は、暖かく豊かできれいな特有のサウンド、録音されたサウンドの範囲とスペクトルでまたたくまに広まりました。 Deccaの先駆的な20チャンネルのミキシング・デスクを使用して、レーベルは当時の最先端のレコーディングを通して聴衆に聴き手の経験を提供するための即時性を提供することを目指し、前例のない空間的リアリズムと動きをレコードに収録することに成功します。その後クラシック音楽でもこの方式を取り入れ、LPは1964年に初発売された後、約200枚のクラシックLPが発売されました。ストコフスキーはこの方式を気に入り、彼がロンドン交響楽団と録音した「リムスキー・コルサコフの「シェエラザード」はこの曲の代表盤として話題になりました。レコ芸の最終巻ではこのレコードが取り上げられていました。

 

 ポピュラー系録音はこのときすでに1961年後半から録音が始まっており、ロニー・アルドリッチ、スタンリー・ブラック、フランク・チャックスフィールド、テッド・ヒース、エドムンド・ロス、ローランド・ショウらによる立体的なサウンドは絶賛を浴び、現在においてもオーディオファイルとして高い評価を得ています。このテッド・ヒースのアルバムは欧米では「SWING IS KING-Volume2」として発売されたものの日本盤です。「真珠の首飾り」がタイトルになっていますが、これは日本盤だけです。オリジナルは下のデザインで発売されています。

 

 

 この時代は女性モデルをアルバムジャケットに採用しないと売れない時代でした。でも、売れなかったんでしょうなぁ。これは第2集ですが、第1集と合わせてダブルアルバムで、下のデザインで再発されています。

 

 

 やっぱりこちらも女性モデルのジャケットデザインでした。懲りませんなぁ。

 

 さて、テッド・ヒースは1900年3月30日ロンドン生まれのイギリス人で、この録音の翌年の69年11月18日に死去しています。元々はトロンボーン奏者で、最初は1924~25年にジャック・ヒルトン、1927~28年にはバート・アンブロースといった英国のダンス・バンドで活動し、44年に自己のバンドを結成しています。1945年にロンドン・パレディアム公演で好評を博し、依頼50年代まで毎日曜日の公演を続けました。ヒースは、英国で最も成功したビッグバンドを率いて、100枚以上のアルバムを録音し、2,000万枚以上を売り上げています。彼は1969年に67歳で亡くなりましたが、1976年の英テムズテレビのトリビュート放送後にバンドはヒース家の承認を得て再結成し、コンサートを続けました。 1970年代初頭のいくつかの録音はローランド・ショー、ラルフ・ドリモア、スタン・レイノルズのリーダーの下で録音されましが、その後すべての録音はトロンボーン奏者ドン・ラッシャーのもとで、2000年まで25年間バンドを率いました。メンバーのほとんどがオリジナルのヒース楽団の卒業生だったようです 。 2000年12月の最後のコンサートは、ロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホールで行われました。録音はデッカ・レーベルに多く残しています。

 

 ということで、先日捕獲したこのアルバムです。入手したのは日本盤ですが、この当時キングレコードはオリジナル・メタルマザーを使ってプレスしていて、このレコードも本国のZALで始まるマスターでプレスされています。まあ、レコード盤自体の材質の違いはあれど、オリジナルと同じサウンドが聴けるというわけです。ちなみにA面はZAL8322、B面はZAL8323となっています。

 

 このアルバムにおけるテッド・ヒース楽団の演奏は、録音の良さとあいまって、左右のスピーカーから炸裂する管楽器群に、一糸乱れぬリズム・セクションが重なり、リズムに軽く乗ってメロディーを、吹きまくるサックスやトランペットのテクニックは大変魅力的です。トップの「オパス・ワン」はトミー・ドーシー楽団のテーマソングですが、まずはそのサウンドを聴いて見てください。
 

 

 このオパス・ワンはオリジナルのトミー・ドーシー楽団のステレオ録音が残っています。映画の「プロード・ウェイ・リズム」という作品の中での演奏です。

 

 

 次はグレン・ミラーのテーマソングの「真珠の首飾り」です。

 

 

 オリジナルのグレン・ミラーはこんな感じです。オリジナルはモノしかありませんからバディ・デ・フランコの率いた頃の録音です。

 

 

 てな具合で、テッド・ヒース最晩年の演奏をご機嫌なサウンドで聞くことができます。