名古屋シュピールシンフォニカ―室内楽演奏会2023 | geezenstacの森

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名古屋シュピールシンフォニカ―

室内楽演奏会2023

 

 

曲目/

 

 

 19日は雨降りの寒い日でしたが、会場となった西文化小劇場は地下3階の入り口には開演前から行列ができていました。そこでは会場から最後のリハのドヴォルザークの弦楽セレナーデが響いていました。結構まとまりのある演奏でコンサート本番に期待が持てました。そんなことを楽しみながら待っていると、会場15分前に入場が始まりました。

 

 今回は長丁場のプログラムで細かい休憩を挟みながら、予定では18時15分まで演奏が続くのですが、実際には15分押しの演奏でした。会場の舞台返還に手間取っての時間押しでしたが、同じ編成のプログラムで行けばもう少しスケジュール通り進んだような気がするんですけどねぇ。

 

 しかし、内容は多岐にわたっていて第1部など20分のプログラムながらターゲットであった子供達がたくさん聴きに来ていて、成功だったと思います。奏者は全てコスプレで登場し、アラジンはアラビアの装束で、マリオはゲームキャラクターの紛争で登場して演奏していたので子供達も楽しめたでしょう。

 

 

 

 

  そて、第2部からは本格的な室内アンサンブルです。弦楽四重奏だけで4曲、各種管楽器によるアンサンブルが5曲と盛りだくさんです。個人的には初めて実演で耳にする弦楽四重奏曲が2曲もあります。

 

 

 この「名古屋シュピールシンフォニカ―」はオーケストラでありながらこういうアンサンブルにも積極的に取り組んでいる団体で、プロのオーケストラで毎回フル編成の楽曲を演奏するわけではないので、この取り組みは合奏技術の工場には非常に有意義な取り組みではないでしょうか。上の写真はインスタグラムにアップされていたものを借用していますが、ラフマニノフの作品は彼女らが実に生き生きとしたアンサンブルを披露していました。ただ、全般的に言えるのは基本4挺の弦楽器で奏でるものなのでピッチを合わせることが非常に重要だということが浮き彫りになります。ここが弦楽四重奏の一番難しいところで、この日はこ全中は雨降り、午後は雨上がりということもあり、午前のリハと午後の本番でちょっとした音程の狂いが出ていたように感じました。

 

 

 こちらは、「セント・ポール」組曲を演奏したアンサンブルの面々で、ホルストのなかなか耳にする機会のない曲が演奏されました。それも、全員立ったままの姿勢で演奏する(もちろんチェロだけは座っていますが)スタイルで、もちろん指揮者なしです。

ちょうど下のようなスタイルです。

 

 

 同じような形で、ドヴォルザークの「弦楽セレナーデ」も演奏されました。同じ指揮者なしのスタイルでしたがこちらは着座しての演奏で、第1ヴァイオリンがアイコンタクトを取りながら緻密な演奏を繰り広げてくれました。何よりも良かったのは楽章途中でチューニングをきっちりとしていたことです。そのため、アンサンブルが最後まで引き締まった形でこの曲の持つ魅力を最大限ホールの中に響かせていました。同じ音楽を楽しく演奏するならこれぐらいの配慮は必要でしょう。一番楽しく聴くことができた曲でした。

 

 

 

 

 

 そして、チェロの六重奏によるフォーレのパヴァーヌです。こういう編曲によるアンサンブルが聞けるのもコンサートならではの楽しみです。ここでは6挺のチェロによるアンサンブルでしたが、響の重なり具合が重厚で聴き入ってしまいました。

 

 

 6人の倍の演奏になるとさらに重厚なサウンドになるようです。

 

 

 もう一つ楽しみにしていたのは木管60層によるドヴォルザークの「アメリカ」でした。こういう変わったアレンジで聞く「アメリカ」も新鮮なもので、弦楽四重奏による聴き慣れた演奏と比較しながらこういう音色の響かせ方もあるんだという新しい発見を楽しむことが武器ました。

 

 

 

 

 こういう演奏はコンサートに出かけなければ聞くことは難しいでしょう。まあ、最近はこうやってYouTubeで聞くことはできますが、臨場感はコンサートならではです。長丁場のコンサートでしたが楽しませていただきました。