フランク・プゥルセルのゴッドファーザー
曲目/
A面
1.ゴッドファーザーの愛のテーマ 2:38
2.ウィズアウト・ユー 3:02
3.時は過ぎゆく 2:58
4.ブルー・コンツェルト 2:57
5.デイ・バイ・デイ 2:40
6.サムソンとデリラ 2:33
B面
1.夕陽のギャングたち 2:41
2.彼は・・・ 3:14
3.ゲッセマネの園 3:09
4.ジザエル 2:22
5.想い出に生きる 2:55
6.ニコライとアレクサンドラ 2:45
演奏/フランク・プゥルセル
録音/1972
EMI-ODEON EOP−50577
この1972年はプゥルセルの絶頂期の頃です。このアルバムからは、タイトルの「ゴッドファーザー愛のテーマ」と「ジザエル」、そして「ゲッセマネの園」がシングルカットされています。まずはその「ゴッドファーザー」です。ティンパニの打ち込みで独特のアクセントをつけたこの演奏はポール・モーリアのものとともにヒットしました。個人的にはこのプゥルセルのサウンドの方がいかにもイージー・リスニング的でありながらこの映画のマフィアの抗争を思わせるアレンジはぴったりのイメージでした。
もう一つのイングルカット曲「ジザエル」はちょっと地味なアレンジでピアノとコントラバスによるイントロからしてちょっと大人の味付けになっています。このアレンジはポール・モーリアに軍配があがるでしょうか。でも、ストリングスのアレンジだけを取ってみるとプゥルセルの方が凝っていて好きです。この曲は1972年のサンレモ音楽祭でイ・デリリウムというグループが歌っていた曲で、この年の音楽祭はフランク・プゥルセルが伴奏指揮をしていて、6位の入賞ながら取り上げた曲です。プウルセルはこの年のサンレモ音楽祭の曲だけを朝メタアルバムも発売していました。
下がポール・モーリアの演奏です。
「ゲッセマネの園」はもう一曲「私はイエスがわからない」という曲とカップリングされて発売されました。どちらもミュージカル「ジーザス・クライスト・スーパースター」の挿入曲ですが、日本では「私はイエスがわからない」がヒットしたため、この曲はポシャりました。もっとも、ミュージカルの中ではこちらがイエス・キリストの歌として歌われ、「私はイエスがわからない」」はマリアが歌った曲で脇役が主役を喰ってしまった格好だったんですなぁ。
この中でちょっと毛色の変わっているのはクラシック調の「ブルー・コンチェルト」でしょう。この曲はプゥルセルのオリジナルでこのアルバムのために作曲されています。ハープが活躍する愛らしい曲です。下は2015年にリマスターされた音源です。そういえばプゥルセルには「ブルー・バッハ」という作品もありましたなぁ。
下が「ブルー・バッハ」です。
このアルバムでB面のトップは「夕陽のギャングたち」です。プゥルセルはこの年西部劇のアルバムも発売していますが、そこにはこの曲は含まれていません。
最後に取り上げるのは「ニコライとアレクサンドリア」です。これも映画音楽ですが、今では覚えいてる人も少ないのではないでしょうか。ロマノフ朝の最後の皇帝とその王妃の没落していく皇室を描いた70ミリの大作でした。