、レコード芸術1972年9月号
その3
小生はレコード世代で、このブログもがむしゃらに集めたレコードをじっくり聞くことでの供養を兼ねて描き始めたものです。
その一つの頂点がこの廉価盤ブームでした。最初はクラシックからスタートし、旧譜を安く販売する手法でしたが、いつのまにか、ジャズやポップスにまで広がっていき一大ブームに成長します。しかし、それもこの1972年からオイルショックになる1974年までがピークでした。そんな時期のレコゲイですから懐かしくもあります。
グラモフォンのカラヤンはお得意の小品集です。それも、オペラのバレエ音楽だけを集めたものが発売されています。また、近日発売の予告はベートーヴェンの序曲集です。2枚組ですから既存録音を中心にした寄せ集めのアルバムでしょうなぁ。
オペラのベームはお得意のR.シュトラウスです。カラヤンは「ばらの騎士」と「サロメ」ぐらいしか録音していませんから、ベームが補完していたんですなぁ。
DGGといえばやはり、ケンプでしょうなぁ。エッシェンバッハはどうもDGGの期待通りには行かなかったようです。10月に来日するので大扱いになったということもあるようです。
実はDGGのこの月のトップはこのナルシソ・イエペスでした。当時はギターといえばイエペスでしたからねぇ。
アルヒーフにも1ページ割いています。この当時バロックお額を体系的に紹介しているのはこのアルヒーフだけでしたからねぇ。
この号では東芝はフルトヴェングラーをメインに展開しています。とくに、この「リング」は予約限定で発売されました。ニュースの段階ではフルトヴェングラー唯一のステレオ録音登場かと騒がれたものですが、ガセネタでした。
それでも話題には事欠かなかったようで、ヤマハなどは別途広告で予約ページを設けています。
8月にはブルックナーの交響曲第7番と8番が再発されています。ある意味、コロムビアと東芝はこの時期、フルトヴェングラーで競っていたところがあります。
東芝のもう一つの主軸はクレンペラーでした。ただ、この1972年の1月に引退していましたからもう新譜としての発売はありません。そんなことで最後の大売出しです。何しろ翌1973年7月には亡くなってしまうのですから。
ページとしてレギュラーLPを紹介していますが、タテ帯ではしっかりと2枚組3,000円のデラックス・ダブル・エース・シリーズ、全15点も宣伝しています。
若きエース3人をこのページでは紹介しています。ただ、個人的には一番右のシルビア・ケルセンバウムは全く蚊帳の外でした。
この月に、グローヴスのシューベルトの「未完成」の完成版が発売されていたとは知りませんでした。ただ、全く話題にならなかったのか現在ネットで検索しても全くヒットしません。こういうゲテモノ好きの小生は、輸入盤で所有しています。ブログで取り上げたつもりだったのですが今まで記事にしていなかったようです。
さて、最後の広告のページでセラフィムの1000円盤を告知しています。今改めてこのラインナップを確認すると触手が動きそうなレコードが結構含まれています。ただ、当時は非常に偏ったアーティストのチョイスにほとんど興味を示しませんでした。
まだまだ続きます。