アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽手帖 | geezenstacの森

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アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽手帖

曲目/バッハ

1.ポロネーズ ト短調BWV Anh.119 (Nr.10)

2.マーチ変ホ長調BWV Anh.127 (Nr.23)

3.メヌエット ト長調/ト短調BWV Anh.114/115 (Nr.4/5)

4.ジョヴァンニーニのアリア「あなたの心を下さるのなら」変ホ長調BWV518 (Nr.37)

5.ロンドー変ロ長調BWV Anh.183 (Nr.6)

6.アリア「御身がそばにあるならば」変ホ長調BWV508 (Nr.25)

7.クラヴィーアのためのアリア ト長調BWV988, I (Nr.26)

8.アリア「喫煙者の教訓」ト短調BWV515a (Nr.20b)

9.マーチ ト長調BWV Anh.124 (Nr.18)

10.アルマンド ニ短調BWV812, I (Nr.30, I)

11.コラール「汝に向って、エホバよ、私は歌おう」変ロ長調BWV299 (Nr.39b)

12.前奏曲ハ長調BWV846, I (Nr.29)

13.メヌエット ト長調BWV Anh.116 (Nr.7)

14.マーチ ニ長調BWV Anh.122 (Nr.16)

15.ミュゼット ニ長調BWv Anh.126 (Nr.22)

16.レチタティーヴォ「私は満ち足りている」とアリア「眠れ、疲れし眼よ」BWV82, 2/3 (Nr.34)

17.コラール「ただ神の御心に委ねる者は」イ短調BWV691 (Nr.11)

18.コラール「おお永遠よ、汝おそろしき言葉」ヘ長調BWV513 (Nr.42)

 

ソプラノ/エリー・アメリンク

バリトン/ハンス・マルティン・リンデ

合唱/テルツァー少年合唱団

チェンバロ/グスタフ・レオンハルト

ヴィオラ・ダ・ガンバ/ヨハネス・コッホ

チェロ/アンゲリカ・マイ

ポジティヴ・オルガン/ルドルフ・エヴァーハルト

 

録音/1966 フッガー城、糸杉の間 キルハイム

テイチク ULX−3050-H(ドイツ・ハルモニア・ムンディ)

 

 

 このレコードは、国内盤として最初に発売されたものです。当時は、かなり話題になったものです。この録音のハイライトは、4曲目の「あなたの心を下さるのなら」と6曲目の「御身がそばにあるならば」でしょう。エリー・アメリングのソプラノが素晴らしく、何回聴いても飽きません。面白いのは8曲目の「喫煙者の教訓」で、何とブロックフレーテの名手のハンス・マルティン・リンデがバリトン歌手としてその美声を披露していることです。リンデは演奏者として、「リンデ・コンソート」を主催していましたが、歌も上手だったとはびっくりしました。好い声を披露しています。

 

 ジャケットの左端に「BASF」のロゴが「halmonia mundi」と共に表示されていますが、当時はこの化学メーカーが出資していました。「BASF」は録音用テープの大手メーカーでした。カセットテープも初期の頃はよく使った記憶があります。

 

 個人的にはこのレコードは最初アメリカ版で所有していました。アメリカではRCAがライセンスしていて、なぜかVICTROLAの廉価盤で発売されていました。オリジナルとは全く違うデザインで下記のジャケットでした。

 

 

 さて、この音楽手帳で一番有名なのは3曲目の「メヌエット ト長調/ト短調BWV Anh.114/115」でしょう。

 

 

 この曲はポップスにもアレンジされていて、以前から親しまれています。ジャズ・ボーカリストのサラ・ボーンの歌う「ラヴァース・コンチェルト」がよく知られています。このブログでもこの曲を取り上げていますが、こんな演奏になっています。

 

 

 サラ・ヴォーンは、ニュージャージー州出身のジャズ・シンガー。オペラ歌手のような幅広い音域をもつ「3大女性モダン・ジャズ・シンガー」と称されるアーティストの1人です。

 

 このレコードの解説は角倉一朗氏が書いていますが、どの曲を誰が演奏しているのかという説明書きはありません。一覧にテルツァ少年合唱団の名前が挙がっていますが、最後のコラールだけに参加しています。

 

 また、チェリストとしてアンゲリカ・マイの名前を確認できました。ドイツの女流チェロ奏者で1957年にパリで開催されたカザルス国際チェロ・コンクールで優勝した経歴があります。以前、ノイマンとのドヴォルザークのチェロ協奏曲を取り上げていますが、こういう録音にも参加していたんですなぁ。

 

 ここで演奏されている「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽手帳」は第1集は不完全な形でしか残っておらず、ここで演奏されているのは第2集なんですが、それでも抜粋という形になっています。