4月の散財 その1
何気なく立ち寄った店で久しぶりにくせシックのレコードが大量に並んでいるのを見かけました。それも、いつもにもない渋い曲目ばかりです。多分誰も目を向けなかったものでしょうが、小生にとっては宝の山でした。ということで対リョゥにゲットしたので2回に分けて取り上げます。最初は以下のようなレコードです。
今回は米ロンドン盤のトレジャリーシリーズを4点ゲットしています。写真の上4枚です。
ボスコフスキーとウィーン・モーツァルトアンサンブルのセレナーデ・ディヴェルティメント全集の一枚です。イギリスではレギュラーで発売されましたが記憶が正しければアメリカではいきなりこの廉価版シリーズで発売されました。このジャケットの一枚は当時買おうか買うまいか迷ってやめた一枚です。懐かしい出会いです。原盤はZAL.10251となっていてレギュラーシリーズだということがわかります。録音は1971年です。
これはウィーン八重奏団の一枚で再発物です。モーツァルトとミヒャエル・ハイドンのディヴェルティメントがカップリングされたもので、これは1962年の録音になります。
これもウィーン八重奏団の一枚で再発物です。こちらは1959年の録音のものですがジャケットの左上には「RECORD IMPORTED FROM ENGLAND」の表記がありますが、これは後期のシリーズ物の特徴です。
これはウィーン八重奏団のものです。原盤はZAL3384で若い番号です。これは明らかに再発で、シリーズ初期のSTS15059となっています。このアルバムだけRECORD IMPORTED FROM ENGLAND」の表記がなく、これはアメリカでプレスされています。レーベルの色もこれだけ違います。ジャケット上部が白抜きでデザインされているものが特徴です。
こちらは同じモーツァルトのディヴェルティメントですが、演奏はベルリンフィルの八重奏団のものです。フィリップスの廉価版シリーズのもので有名な17番とホルン五重奏曲が収録されています。
これは米CBSの有名な「ODYSSEY」シリーズのものですが、当時はこのアルバムは見た記憶がありません。で、よく見るとムソルグスキーの「展覧会の絵」が収録されているのですが、オーケストラ版はセル/クリーヴランドのものが収録されていますが、ピアノ版はなんとリヒテルが演奏したものが収録されています。この録音ソフィアでのライブ録音がつかわれているのですが、元々はフィリップスか原盤権を持っているはずです。1958年2月25日にブルガリアの首都ソフィアで行われたヨーロッパへのデビュー演奏会の記録です。この録音は西欧のレーベルから発売されたリヒテルの初めてのレコードとして世界的反響を巻き起こし、今なお歴史的録音のなかでも不朽の名盤と評される一枚です。これがアメリカではCBSから発売されていたのですなぁ。1960年代のフィリップスとCBSの提携の産物でしょう。いいものをゲットしました。
ジョン・ジョージアディスのレコードです。タイトルは「ジプシー・ヴァイオリン名曲集」で、多分彼名義の唯一のアルバムではないでしょうか。26歳から14年間、ロンドン交響楽団のコンサートマスターを務め、その後に指揮者に転身。1977年からロンドンでウィーンの向こうを張った「ニューイヤー・コンサート」を主宰、ワルツなどシュトラウス一家の音楽の録音などで知られていました。2021年に亡くなっています。
これは先にブラームスのピアノ版ハンガリー舞曲を取り上げ時、この録音の存在を知りました。エラートがこんな録音を出していたんですなぁ。この演奏の特徴はオーケストラ版といってもフリジェス・ヒダスの弦楽合奏版を採用していることで、4-4-3-3-1という編成です。指揮はコンマスを兼ねたヤーノッシュ・ローラが努めています。フランスで録音されていますから、演奏旅行の折録音されたものでしょう。
それにしても、今回はオーケストラ作品がほとんどないということであまり興味を引かなかったんでしょうなぁ。いやあ、いい掘り出し物でした。