フィレンツ・フリッチャイ
ラヴェル「ボレロ」
曲目/
1.ラヴェル/Bolero 13:35
1953/04/16、1955/04/18
2.ベルリオーズ/Roman Carnival Op.9 8:43
1952/03/11 パリ、サル・ドゥ・ラ・ミュチュアリテ
3.デュカス/Sourcerer's Apprentice 9:51
1952/03/11 パリ、サル・ドゥ・ラ・ミュチュアリテ
プロコフィエフ/Symphonie classique Op.25
1954-01-3-5 ベルリン、イェス・キリスト教会
4. Allegro 4:34
5. Larghetto 3:51
6. Gavotte. Non troppo allegro 1:37
7. Finale: Molto vivace 3:54
8.ボロディン/From the Steppes of Central Asia 6:13
1952/02/13 ベルリン、イェス・キリスト教会
9.ムソルグスキー/A Night on the Bare Mountain (arr. Rimsky-Korsakov 10:03
1952/03/19
指揮/フィレンツ・フレッチャイ
演奏/ベルリンRIAS交響楽団
ラムルー管弦楽団 3
ベルリン放送交響楽団 9
Documents 600237-8
これも先日取り上げた「THE GREAT CONDUCTORS」の中の一枚です。本来はラインスドルフに続いて取り上げるつもりだったのですが、ジャケットに記載された録音データがあまりにも信用できなかったので調べ直していて今日になりました。
タイトルの「ボレロ」ですが、どこをどう調べても1959年の録音は存在しません。そして、ディクコグラフィを見つけて確認するとなんと、この録音は1953年と1955年にまたがって2回セッション録音されていることが確認できました。昔何かの記事で読んだ記憶があったのですが、フィリッチャイはベストテイクを求める性向が強く、練習番号ごとに収録して最後にテープをつなぎ合わせて曲を完成させていたというのです。データ的には1/2を1953年に、残りを1955年に録音したということになるのでしょうか。なを1959年のものはDGのRESTORE盤としては存在しています。手元の音源はテープの継ぎ目がはっきりとわかる仕様です。オリジナルマスターなんでしょうかねぇ。しかし、結局はモノラル録音です。フリッチャイの指揮はラヴェルの標準テンポよりもちよっと早めの演奏になっています。しかし、舞踏としてのリズムはこんなものでしょう。メリハリを強調したわかりやすい演奏になっています。下の音源は上が1959年、下が1955年のオリジナル盤の音源です。
ジャケットには詳しい録音データがなく、演奏するオーケストラも実際には3団体あるのにベルリンRIAS交響楽団がメインで、ラムルー管弦楽団もクレジットされているのですが、どの演奏がそれに該当するのか詳細が不明といういい加減なデータでしかありません。こちらもディスコグラフィで追っかけると上記のデータを確認することができました。フリッチャイはフランスのラムルー管弦楽団とも録音を残していたんですなぁ。参考にしたディスコグラフィは「フェレンツ・フリッチャイ時系列ディスコグラフィ」というブログ記事です。このリストを見るとこの時代のDGの屋台骨を背負っていたのがフリッチャイだったというのがよくわかります。
で、このCDには2、3曲目はそのラムルー管弦楽団との録音が収録されています。その中から「魔法使いの弟子を貼り付けておきます。
このアルバムはいろいろなフリッチャイの録音からの寄せ集めのようになっています。その中でも聞きものはプロコフィエフの「交響曲第1番、古典」でしょうか。せせこましくなく、どっしりと構えた演奏で好感が持てます。1946年に創設されたオーケストラで、まだ結成10年にも満たないオーケストラでしたがフリッチャイの指揮のもと素晴らしいアンサンブルをこの頃には獲得しています。
フィレンツ・フリッチャイは1963年に白血病で亡くなってしまいましたが、風貌からしてフルトヴェングラー2世と称されてもおかしくない存在でした。特に1950年台前半はフルトヴェングラーとレパートリーがタブラない曲目を積極的に録音しています。そんな中の曲がボロディンであったり、ムソルグスキーだったんでしょうなぁ。