蔓延防止下の「第九」 | geezenstacの森

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名古屋芸術大学 特別演奏会

 

 

 27日の木曜日は上記のコンサートに出かけました。大学主催のコンサートはコロナ対策で何らかの規制措置が発令される途中しか延期になることが多いのですが、このコンサートはなんとか開催されました。広く告知はされていませんが、2月上旬に開催されるコンサートはすでに延期が決まっているものが多数発生しています。

 

 このコンサートも一応対策は取られていて、事前に告知分は当日午後5時から整理券とチケットをコンサート会場窓口で引き換えて席を確定するという方式が取られていました。ということで、座席は一席開けるという方法が取られていました。そして、声楽のソリストが最前列に並ぶということで、5列目までは空席の措置が取られていました。

 

 下は今回のコンサートの配列です。少々小ぶりのセッティングでの演奏会でした。

 

 

 最初はベートーヴェンとほぼ同時代に活躍したウェーバーのちょっとマイナーな「ファゴット協奏曲」です。ウェーバーといえばオペラの「魔弾の射手」ですが、「オイリアンテ」、「オベロン」ぐらいは名前を聞いたことがあると思いますが、交響曲やピアノ協奏曲なども作曲しています。ただ、その中でも「ファゴット協奏曲」はマイナーな存在です。

 

 

 演奏するのはどう大学の4年生の井手口 彩子さんです。大柄な容姿でこの大きな楽器を思うがままに扱うには最適です。技術的にはしっかりしていて、あとはこの平凡な曲をもう少し表情をつけて楽しげに演奏してくれればもう少し曲を楽しめたのではと個人的には思いました。特に第1楽章などかなり魅力的な主題です。

 

 メインの第九は本来は毎年開催するものが他のコンサートの兼ね合いで今年に伸びたものでしょう。何しろ2020年もコロナで中止に終わっていますからねぇ。本当にコンサート活動は難しくなっています。

 

 オーケストラの編成が小さくなったということで、反対にテンポは以前に比べて早くなっていました。多分オーケストラのメンバーの感覚も以前よりは広いので音をみつにする意味でもテンポが早いほうがまとまるのでしょう。ただ、菊法としては音楽がやや請求になっている印象をどうしても持ってしまいます。ピリオド楽器とはピッチが違うのでこの感覚はどうしてもちょっと馴染めませんでした。

 

 合唱団は3楽章が始まる直前に舞台に登場しですが、それに合わせて打楽器の奏者も一緒に登壇しました。たしかに、ティンパニ以外のシンバルや、トライアングル、大太鼓は第4楽章しか使いませんからこれで充分なんでしょう。今年のコーラスは50名ほどと以前の演奏会ら半減していました。その上にコーラスは全員マスクを付けての合唱ということで響きの点でもかなりのマイナスになっています。

 

 指揮者は3楽章は最初は指揮棒を使わず演奏していたのが印象的でした。そのほうが細かい指示が出せるのでしょうかねぇ。

 

 第4楽章はソリストだけはマスク無しで声を張り上げて歌います。そのため、ややコーラスとのバランスは違和感を感じてしまいました。

 

 

 この演奏会、ストリーミングでライブ配信されました。下に貼り付けましたので、ぜひご自分の耳で確かめていただきたいものです。