デジタルの「大いなる西部」
曲目
1.The Big Country 3:04
2.Julie's House 1:58
3.Welcoming 3:20
4.Courtin' Time 1:25
5.Old Thunder 1:46
6.The Raid Part 1 / The Raid Part 2 / Capture 4:58
7.Dance 1 1:48
8.Dance 2 1:04
9.Waltz 2:47
10.Polka 1:00
11.McKay's Ride / McKay Is Missing / The Old House 5:31
12.Waiting 1:55
13.The Big Muddy 3:03
14.McKay Alone / Night At Ladder Ranch / The Fight 4:30
15.Cattle At The River 2:19
16.Attempted Rape 1:45
17.The War Party Gathers / McKay In Blanco Canyon / The Major Alone 7:17
18.The Duel / The Death Of Black Hannassey / End Title 5:33
指揮/トニー・ブレムナー
演奏/フィルハーモニア管弦楽団
録音/1989/10/07 CBSスタジオ、ロンドン
P:クリストファー・パルマー
E:マイク・ロス・トレヴァー
Silva Screen Records FILM030
デジタル・オリジナルスコアの第2弾として発売された「大いなる西部」です。第1弾は先日取り上げた「アラビアのロレンス」でした。前作との違いは録音のロケーションでしょうか。前作はCTSスタジオでしたが、今回はCBSスタジオになっています。最初は誤植かと思ったのですが、調べてみるとこの録音の翌年までそういうスタジオがありました。
ここでも、トニー・ブレムナーがフィルハーモニア管弦楽団を振っています。ただ、冒頭のテーマ曲からやや早いテンポで飛ばして演奏していて、ちょっと面食らいます。オリジナルは時代を反映しているのかもう少し遅いテンポで演奏しているからです。
下がオリジナルのテンポです。
まあ、こんなことで少々オリジナルの雰囲気とはかけ離れていますが、何と言ってもデジタルで収録されていますから音楽として聴くぶんには申し分ありません。そして、Silva Screenが第2弾としてこの作品を取り上げたのはテーマのスケール感とエスが音楽としての全体の出来でしょう。フル・オーケストラスコアでありながらきちんと登場人物の性格分けができているその他の音楽も映画音楽としてきっちり聞き応えのある音楽に仕上がっているということでしょう。全体で55分以上ある音楽は、LPで発売された時は30分弱でしたから、約倍の音楽が収録されているということになります。
余談ですが、この「大いなる西部」は60周年を記念して、2018年に2枚組のCDで発売されています。限定2000セットでの発売でした。その際は、42曲入りのフィルム・マスター版と12曲入りのアルバム・マスター版を収録した2枚組として、サントラ・ファンには嬉しい限りの商品でした。このアルバムさらに凄いのは、アルバム・マスター版の音源が、ステレオ盤とモノラル盤の2種類を収録していました。この時代はプレーヤーの関係で2種類発売されていたんですなぁ。ですからいわゆる完全版と言ったところです。
Quartet Records QR-351
なを、この映画のロケ地を訪問した映像が、YouTubeにアップされていましたので貼り付けておきます。現在でも当時のままなんですなぁ。アメリカは広いです。
作曲者のジェローム・モロスもこのアルバカーキの平原に足を運びその印象でテーマ音楽を作曲したということです。また、クラシック作品には1948年10月18日にトーマス・ビーチャムの指揮で初演された交響曲、『フランキーとジョニー Frankie and Johnny』などの5曲のバレエ、2台のピアノのためのソナタ、弦楽四重奏曲などがあるようです。