女子鉄ひとりたび
著者:木村裕子
出版:KKベストセラーズ
鉄旅タレントがアイドルから、本格派旅行作家への第一歩を踏み出す!プライベートで乗り尽くした、笑いと涙無しでは語れない珍道中を、初めて書きおろしたノンフィクション大作。---データベース---
このブログでは鉄道関係の記事も結構アップしていますが、別に小生は鉄オタではありません。まぁ他の趣味と合わせて興味のあるジャンルの1つと言うことでありますで、今回はそんな鉄道関係の本を取り上げることにしました。ただ、小生はこの本を読むまで、木村裕子なる女性を全く知りませんでした。読んでいて、名古屋市出身と言うことで非常に親近感を覚えました。読んでいて、鉄道の好きなギャルと言う印象で、鉄ヲタとはまたちょっと意味合いが違うのかなと言う気がしました。
今では、JR東海の特急しなのは車内販売がありませんが、この木村さんはその車内販売を担当していたと言うことです。そういう時代もあったんですなぁ。
この本は、鉄道の知識をひけらかすものではありません。まぁ女性の目線からの旅のエッセイといった感じのものなんでしょう。でも、この女性目線の物の捉え方は新鮮です。この本の章立てです。
目次
結婚相談に乗ってもらう?―国鉄広尾線愛国駅
終着駅で運命の人に出会った?―JR留萌本線増毛駅
道草みたいな旅もいいものだ―JR五能線
のぞいた先に見えたもの―JR奥羽本線及位駅
青春18きっぷの消化小旅行に最適―JR内房線那古舟形駅
人生の新境地を拓く―JR青梅線~御岳ケーブル
山岳路線を味わい尽くす―JR大糸線・篠ノ井線
本線から降格された哀しきローカル線―JR御殿場線御殿場駅ほか
愛知はB級スポットの宝石箱やぁ~―名鉄犬山線犬山遊園駅
人生の悟りを開く―京阪電鉄交野線~男山ケーブル
「なが~い、なが~いローカル線を堪能」JR山陰本線鳥取駅ほか
「未成線と軽便鉄道がよみがえった!」井原鉄道井原線
「かつては日本最西端を誇っていた」松浦鉄道西九州線
「最後の延伸になるのか?南国の香り溢れる」ゆいレール
「赤駅でついに全線完乗達成」平成筑豊鉄道
「ウワサじゃなくて、ちゃんとあった」立山砂防工事専用軌道
「○○ひとりたび」というタイトルは数あれど、本当に「ひとり旅」なのは意外に少ないのではないでしょうか。つまり、それだけエンターテイメントにはしづらいテーマなのだろう。
だが、しかし、この本は違うぞ。「永遠の少女」のように清楚な雰囲気をたたえる作者が、孤軍奮闘、地方で出会った優しい人達に支えられながら、大きく成長していく姿が、北は北海道から南は九州沖縄に廃るまで取り上げられています。ぇっ、沖縄に鉄道があったっけって?彼女にとってはケーブルカーだろうがモノレールだろうが軌道を走るものは全て鉄道なのです。沖縄には「ゆいレール」がありますし、名護には「ネオパークおきなわ」なる施設があり、園内を沖縄軽便鉄道が走っているのです。
木村さんは現実には「マセキ芸能社」所属のタレントですが、妄想の世界では「木村鉄道株式会社」の代表取締役社長でもあります。この会社は年に一回ちゃんと社員旅行も実施していて、地方のローカルな鉄道会社に視察旅行と称して出かけています。これはそんじょそこらの社員旅行とは違う地元合体型のまちおこしイベントのようでもあります。こういう楽しい社員旅行なら是非とも参加してみたいものですが、なんと、現在は会社は解散し、社長は鉄道タレントを卒業してしまいました。詳しくは下記をお読みください。
ということで、この本は鉄道に関しては最後のエッセイとなってしまつたようです。