1968年のレコード芸術 2 | geezenstacの森

geezenstacの森

音楽に映画たまに美術、そして読書三昧のブログです

1968年のレコード芸術 2

 

 

 1968年1月号で表紙に採用されたボスコフスキー/ウィーンフィルのニューイヤーコンサートのアルバムジャケットです。それにしても、1968年の1月号というのに、もう1968年元旦のニューイャー・コンサートのレコードジャケットが掲げられているというのは何とも不思議な現象です。今でも、このニューイャーコンサートのCDはあっという間に発売されます。もっとも、1月1日にだけコンサートが行われるわけではなく、その前日にも同じプログラムでコンサートが開催されていますから、それも収録していい演奏をチョイスして瀬策しているのでしょうし、プログラムも事前に公表されていますから、前もってジャケットデザインも決定しテルルでしょうし、LP一枚に収録出来る曲も絞っているからこういう芸当が出来るのでしょう。

 

 因みに実際の発売は巻末のリストでは2月新譜で発売リストに掲載されています。いずれにしても、超特急で制作されていることに違いはありませんわな。

 

 

 

 表紙の見返しはこの時代はビクターが独占しています。毎月カレンダー仕立てで、先月はルービンシュタイン、今月が小沢征爾となっています。5日にが付いていますが、これは新譜の発売日を示しています。小沢征爾は、1964年から5年間ラヴィニア音楽祭の音楽監督を務めており、レジデント・オーケストラのシカゴ交響画壇とは縁がありました。そんなことで、この時期一連の録音がなされています。この「展覧会の絵」はブリテンの「青少年のための管弦楽入門」とのカップリングで発売されています。

録音としてはバルトークのピーター・ゼルキンとの録音に次いでなされていますが、日本発売はこれが最初でした。この「展覧会の絵」は今のところ小澤氏の唯一の録音となっています。

 

 見開き右側はビクターのステレオセットの広告が掲載されていますが、その下のマルティノンのニールセン「不滅」は当時強烈な印象を持ったジャケットでした。この広告は12月号から2月号まで続いています。余程力を入れていた演奏だったのでしょう。

 

 

 

 グラビアページにはパリ管弦楽団を指揮するシャルル・ミュンシュの写真が掲載されていました。これは、1967年11月4日に新しく誕生したパリ管弦楽団のリハーサル写真ですが、この時代の表記は「フランス国立交響楽団」となっています。まだまだ,情報がリアルタイムで入ってこなかった時代なんですなぁ。

 

 

 

 

 当時の広告です。この当時最新盤としてはチャイコフスキーの交響曲全集が告知されていますが、カラヤンはドル箱ということで見開き全面がカラヤンのレコードになっています。

 

image

 

 こちらは東芝エンジェルです。見開きの左はこの時再発されたベートーヴェンの第5と第9をカップリングした有名なデザインの2枚組が発売されています。右側はクレンペラーが看板スターでした。

 

 

 

 別のグラビアのページでは輸入盤のセラフィムの取り扱いの告知しています。この当時各社は契約レーベルの直輸入盤を扱っていたんですなぁ。でも、利益優先ということで、輸入盤の「

セラフィム」は1.700円の価格が付けられています。セラフィム自体は廉価レーベルなんですが、これでは意味がありませんなぁ。ただ、この当時は1ドル360円の固定レートでしたからこれでもしょうが無い側面はあります。

 

 

 

 こちらが当時の巻末の新譜リストです。クラシックと同じ扱いでポップスも記載されています。