パイロットになったダニエル・ハーディング
昨日の記事を書くにあたって、パリ音楽院管弦楽団の後継となったパリ管を調べ、現在の常任指揮者を調べていたら、ダニエル・ハーディングに行き当たりました。彼はパリ管との契約を延長せず、2019年でその職を退いていました。現在の常任指揮者はまだ2019年に同オーケストラを振ってデビューしたばかりのクラウス・マケラだそうで、wikiの日本語のページではまだ、紹介されもしていません。元々はチェリストとしてスタートした1996年生まれの25歳の指揮者です。ただ、才能はあるようで、2018年には東京交響楽団を振って日本デビューは果たしています。
話を元に戻してダニエル・ハーディングですが、このコロナウィルスの騒動がなければ6月からパイロットとして始動するはずでした。ただ、彼のツィッターをチェックするとどうも休止状態のようです。でも、タイトルにはしっかりパイロットと記載されています。
ダニエル・ハーディング
ー指揮者/元パリ管弦楽団/スウェーデン放送交響楽団/ A320パイロット/まもなく世界で最も美しい会社に
と記載されていますが、パリ管は降りてもスウェーデン放送交響楽団との関係は続いているようで、今のところ2021年1月22日のコンサートはアナウンスされています。そんなことで、ハーディングは、現在でもスウェーデン放送交響楽団の常任音楽監督です。。
ハーディングは17歳でプロの指揮者としてデビューしていますが、飛行機操縦は子どもの頃からの夢だったといいます。そのため、プロの指揮者として世界中を飛行機で飛び回り、飛行機好きが嵩じて航空学校に入学します。40歳に近くなり、専門性を極めるために商業用飛行機の操縦免許を取ることにしたようです。ここが同じ飛行機好きだったカラヤンとは違うところで、4年間の厳しい訓練に臨み、「指揮をしていないときは、空を飛んでいたか、(操縦士になるための)勉強をしていた」といいます。で、エールフランスのパイロット養成学校を卒業したのは2018年8月でした。
「音楽は感覚。努力しても割り切れないところがあった。飛行機操縦はもっと合理的」とハーディングさんは、2つの仕事を持つことによりバランスが取れると語っています。
ハーディングさんは今年6月、ベートーベンの生誕250年を祝うコンサートで指揮をした後、しばらくはパイロット業に専念する。「パイロットの定年は65歳。指揮は95歳までできる。あと20年は多様な飛行機の操縦桿を握りたい」と抱負を語ったといいます。ハーディングが操縦するのはエアバスのA320という機種です。また、当初は副操縦士として勤務することになっていたようです。
ただ、パイロットになると発表されて時の報道には20年/21年シーズンから"サバティカル(休暇)"と書かれていて、"引退"とは書かれていないように思いますので、いずれ指揮活動を再開するのではないでしょうか。
小生としては、生でその式姿を聴いた数少ない指揮者の一人としてサバティカルを楽しみながら、時々は式をしてほしいものだと思います。
下はまだ主兵のスェーデン放送交響楽団との演奏です。