使い果たす習慣 | geezenstacの森

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音楽に映画たまに美術、そして読書三昧のブログです

使い果たす習慣

 

著者/森秋子

出版 KADOKAWA

 

 

「足りない」よりも「あるから大丈夫」を増やす。ステップダウンして深呼吸できる生活。---データベース---

 

 

 なんとシンプルなデータベースの紹介文でしょう。普段自分が手に取るほんとは全く傾向が違いますが、たまたまタイトルが気に入ったので読んでみの下。そもそも、この著者はこのアメブロのプロガーで、アメブロの公式ランキングでは常にベスト10にいるという常連さんのようです。自己紹介には以下のように書かれています。

{{979年生まれ。東京都在住。主婦。夫、子どもの家族3人と猫2匹で50平米のマンション暮らし(ベランダには亀も1匹)。子育てをきっかけに、家事に追われ、片付けてもまた散らかる暮らしをやめたいと、ものを手放す生活を実践。時間と心の余裕ができ、自由に豊かに暮らせることを実感。無理せず貯金もどんどん貯まる生活にシフトする。その知恵と生活のヒントを『ミニマリストになりたい秋子のブログ』で発信したところ、月間220万PVの人気ブログに。}}}

 

 本のデザインにもなっている同性のやかんが印象的です。人間の生活というものは現代と言えど、江戸時代といえど基本的にはそんなに変わるものではありません。社会生産活動をしながら衣・食・住を回していくという生活様式は当時と同じです。小生も一時期、SF小説家で、エコロジストだった石川英輔氏の描く江戸時代の生活様式が気に入って、氏の大江戸神仙伝シリーズや江戸研究本を読み漁ったものです。

 

 江戸はカジノ大井町でしたから江戸の人はほとんどものを持っていませんでした。それでも教養豊かな生活を維持できる社会が維持できていたのですから現代人が出来ないわけはないでしょう。この本はそういう視点で、書かれています。その類似視点が「使い果たす」という発想です。ちょっとドギツイ表現を取るならば、「使い倒す」ということでしょう。まあ、小生は男性ということもあるのでしょうが、女性がファッションに金をかけるという行動が理解できません。しばらく前にフランス人のジェニファー・L・スコットさんの「フランス人は10着しか服を持たない」がブームになりましたが、簡素な生活で人ば十分生活していけるのです。

 

 かく言う小生も、部分的にはそう言う生活を実践しています。夏の衣料の定番は、今から30年以上も前に新婚旅行で訪れたメルボルンのデパートで購入したポロシャツを未だに着ていますし、

Tシャツはこれも1986年ごろにロスの本家ユニヴァーサルスタデジオで購入したものや、2004年にサイパンのABCマートで購入したものを未だに着続けています。

 

 オーディオ装置なんかはいずれも1980年代に購入したものばかりですし、パソコンにしても新しいものには目もくれず、未だに稼働する2008年生のiMacやMac Proで済ませています。Windowsではこうはいかないだろうなぁ。携帯音楽プレーヤーは

古いスマホを使っています。音楽プレーヤーとしての使用ですから関係ないソフトは全て削除、ひたすら音楽ソースを詰め込んでいます。

 

 著者の森さんとセンスがちよっと合わないのは皿は白いものを愛用しています。ボウルもイケアで買った白いものです。電子レンジ対応型というやつですか。変に柄がないので何にでも合わせられます。サラダなんかは素材の色合いがそのまま行きますから、盛り付けにも楽しみができます。

 

 ただ、この本に書かれている米のとぎ汁の使い方には感心です。こういう使い方があったのか!洗濯洗剤も以前勤めていた会社で酸素系漂白剤や重曹を使っていたので、現在は妻にアプローチしてその方向性に変えています。昨今の匂いのきつい液体洗剤や芳香剤は追放です。花の香りがいいのなら、花を買ってくるべきです。匂いで誤魔化すのはもうごめんです。

 

 最後に書かれている孤食も我が家はもう数年前から実践しています。家族の朝起きるタイミングが違うので必然的にそうなった部分もありますが、小生はバナナとシリアルとナッツ、それに牛乳。妻はトーストとコーヒー、息子は納豆がけご飯です。一見無駄のように見えますが、朝のルーティーンにハマると無駄がありません。

 

 色々な物を持たない、手に入れたらそれを自分のアイデアで使い果たす。人生長く行きてくるとこういう生活も悪くないものです。