サウンドトラック・フェイヴァリッツ
曲目
1. 海の讃歌(タイタニック) ジェームス・ホーナー 6:28
2.愛を奏でて(海の上のピアニスト) エンニオ・モリコーネ 3:07
3.グリーン・ディスティニー~愛のテーマ タン・ドゥン 2:22
4.ホーマーズ・レッスン(サイダーハウス・ルール) レイチェル・ポートマン 3:45
5.アイル・シー・ユー・イン・マイ・ドリーム(ギター弾きの恋) カーン&ジョーンズ 2:06
6.マイナー・スイング(ショコラ) ラインハルト&グラッペリ 2:17
7.耳に残るは君の歌声 ビゼー 3:44
8.イタリア(リプリー) ガブリエル・ヤレド 1:42
9.イザベルの腕の中で(ウーマン・オン・トップ) カルダス・ジュディス 3:25
10.パートナーシップのはじまり(恋に落ちたシェイクスピア) スティーヴン・ウォーベック 2:04
11.ユースレス(エリン・ブロコビッチ) トーマス・ニューマン 1:16
12.テーマ・フロム・アルマゲドン トレヴァー・ラビン 3:10
13.レックス・コロナトゥール~王の戴冠式(ジャンヌ・ダルク) エリック・セラ 2:52
14.エンド・タイトル(レッド・バイオリン) ジョン・コリリアーノ 1:50
15.ザ・ウエディング(ディープ・インパクト) ジェームス・ホーナー 4:02
16.ニュー・シネマ・パラダイス~メイン・テーマ エンニオ・モリコーネ 2:18
17.オクトーバー・スカイ(遠い空の向こうに) マーク・アイシャム 4:31
18.アイ・アム・ユー(タンゴ・レッスン) サリー・ポッター 3:08
19.姉妹(ほんとうのジャクリーヌ・デュプレ) バリントン・フェロング 3:40
20.ザ・ラヴ(シベリアの理髪師) エドワルド・N・アルテミエフ 7:06
21.ローズ(タイタニック) ジェームス・ホーナー 2:52
演奏/オリジナル・サウンド・トラック・レコーディング
エンリオ・モリコーネ/聖チェチーリア音楽院管弦楽団 16
コンピュレーション/2002
P:Kyoko Kudo
SONY CLASSICAL SICP104
久しぶりに映画音楽を取り上げます。それこそ、ビデオも無い時代映画を楽しむには映画館かテレビしか見る事が出来ませんでした。そして、その映画の音楽を楽しむ事が出来るのはレコードだけでした。そういう時代を経験しているものにとって「サントラ」は映画を手っ取り早く楽しむ唯一の手段でした。一時期は「サウンドトラック」という表示があるだけで未公開だろうがテレビドラマだろうが何でも集めた時期がありました。ですから、今のようにメディアが発達し映画がネット経由でいつでもオンデマンド放送される時代には「サントラ」なんて見向きもされないでしょう。しかし、そういう時代に育った人間はいつまでも、サントラを懐かしむ世代でもあります。ただ、やはり聴き方には変化があるもので、今ではメインタイトルだけを聴きかじる作品も多くなりました。そういう時にはこういうアルバムはうってつけです。
これは日本独自の企画アルバムで、過去ソニー・クラシカルよりリリースされた映画オリジナル・サントラからインスト中心に選曲したコンピレーションしたアルバムです。必ずしもメインテーマが収録されているとはいえませんが、1989年「ニュー・シネマ・パラダイス」から2000年「グリーン・デスティニー」までをセレクトしています。それはソニー・クラシカルからリリースされているのを見ても分かる通り、ちょっとマニアックな作品も含まれていますが、一度聴けば耳と心にきざまれる旋律がそろっています。なにせ作曲陣はモリコーネ、ジェームズ・ホーナー、トーマス・ニューマン、ガブリエル・ヤレドなどで、今の映画界をささえる大物コンポーザーの作品が勢揃いです。サウンドトラック・フェィヴァリッツと謳いながら、変化球としてモリコーネ自身が70才の誕生日に自作自演した公演ライブから、映画音楽のクラシックになっている「ニュー・シネマ・パラダイス」メインテーマも収録しているという変わり種もあります。
毎度の事ですが、この中で鑑賞した作品は半分ほどもありません。しかし、ほとんどのメロディは耳にした事がありました。個人的には映画ファンというよりは映画音楽ファンと言った方が正しいんでしょうね。てすからプログのカテゴリーもわざわざ「MOVIE」と「サントラ」を分けているわけです。(^▽^;)それはそうと、このCDのジャケット、何かジャケットらしくありません。サントラ盤のジャケットを総花的に配置しているだけです。でも、個人的にはこれが気に入って速攻で購入しました。中身は二の次です。
そんな事で、封を切って初めてこのCDのラインナップを知りました。異色なのはなんといっても、ヨー・ヨー・マの演奏が2曲も収録されている事でしょう。分かります?それは、3曲目の「グリーン・ディスティニー」と18曲目の「タンゴ・レッスン」です。どちらもチェロでヨー・ヨー・マが参加しています。まあ、「グリーン・ディスティニー」の方はサントリー「ローヤル」のテレビCMで使われていたのでご存知の方も多いでしょう。こんな曲でした。
「タンゴ・レッスン」の「i am you 」はサリー・ポッターの歌のバックで使われていました。このシーンです。チェロとバンドネオン、ヴァイオリンという組み合わせも良いですね。この作品ではヨー・ヨー・マでヒットした「リベラ・タンゴ」も登場していました。
「タンゴ・レッスン」は監督のサリー・ポッターが自ら主演、歌も謳っていますが、この監督その後「耳に残るは君の歌声」を発表していました。小生全く未見です。そして、なんと使われているのがビゼーの「真珠取り」です。映画ではイタリアオペラのテノール、サルヴァトーレ・リチートラ、その歌声に酔いしれてください。
このサントラ集には「タイタニック」、「海の上のピアニスト」、「アルマゲドン」、「ディープインパクト」なんていうメジャーな作品も含まれていますが、やはりここはややクラシカルな雰囲気を漂わせている「恋におちたシェイクスピア」、「ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ」、「レッド・ヴァイオリン」なんかがシックで良いですね。
そうかといって渋い作品だけではなく、「ショコラ」や、「エリン・ブロコビッチ」、「ギター弾きの恋」なんていうナウい作品も収録されています。「ショコラ」は以前紹介していますが、「ギター弾きの恋」の「アイル・シー・ユー・イン・マイ・ドリーム」に出会えたのは望外の喜びです。この映画ウッディ・アレンの作品なんですなぁ。演奏は Dick Hyman and Howard Alenです。
さて、ディック・ハイマンの名前を知っている人はよっぽどのジャズ通か、ボストン・ポップスのファンですね。学生時代はほぼ毎日彼のピアノでエルトン・ジョンの「Your Song」を聴いていました。というのも、この演奏地元FM愛知の「あなたにお茶と音楽を」のテーマソングだったんです。シンプルなピアノだけの演奏は体の中にすっとしみ込む様な音となって安らぎの時をもたらしてくれました。レコードでは持っていましたが、CDではついぞ見かけた事はありません。脱線しますが、その演奏を聴いてみてください。
このCDはエンリオ・モリコーネに敬意を評しているようですので、最後はやはり「ニュー・シネマ・パラダイス」を取り上げましょう。ここではメイン・テーマしか収録されていませんが、コンサートではメインテーマに続いて「愛のテーマ」も演奏されています。しっとりとした名曲ですね。CDは1998年11月のローマでのコンサートで、オケは125名という大所帯でした。同じ様なコンサートが2010年11月にヴェネツィアのサン・マルコ広場で開催されました。下の映像がそのコンサートで演奏された「ニュー・シネマ・パラダイス」です。