コンドルは飛んで行く/バイ・バイ・ラブ
サイモンとガーファンクル
曲目/
1.コンドルは飛んで行く
2.いとしのセシリア
3.バイ・バイ・ラブ
4.ニユーヨークの少年
歌/サイモンとガーファンクル
SONY SONE70123
ソニーは70年代積極的に17cmLPをリリースしていました。SONE70000番台はポピュラー・コンバクト・シリーズといい、100枚以上が発売されています。その最初が先日取り上げたやはり、サイモンとガーファンクルの「卒業」でした。
そして、これはシリーズ123枚目のレコードですが、この間にサイモンとガーファンクルのレコードは6枚発売されています。
SONE70001 卒業
SONE70007 パセリ・ローズマリー・アンド・タイム
SONE70013 ブックエンド
SONE70024 水曜日の朝、午前3時
SONE70037 サウンド・オブ・サイレンス
SONE70100 明日にかける橋
もう殆どのS&Gのヒット曲が網羅されていると言っても過言ではありません。今ではサイモンとガーファンクルのアルバムは30cmLPとしても「ブックエンド」、「水曜日の朝、午前3時」、「明日にかける橋」、そして「卒業」と1971年のギフトパック盤と所有していますが、当時は殆どクラシックに金を注ぎ込んでいたので、もっぱらポップスで買っていたのはこの17cmLPでした。まあ、効率良くヒット曲を聴こうと思ったらこれが一番手っ取り早かったかもしれません。
このシリーズが充実しているのは歌詞カードがちゃんと封入されていることと、日本語訳もきちんと掲載されています。そして、このレコードにはそれまで発売された17cmLPのカタログまで付いています。
さて、最初は「コンドルは飛んで行く(El Condor Pasa (If I Could))」です。今更説明するまでもなく、1970年のデュオ解散前最後の作品となった『明日に架ける橋』に所収で、シングルとしても発売されたものです。
個人的にはこの曲1963年録音のムロス・インカスの演奏で知っていました。この演奏にポール・サイモンがオリジナルの英語の詞をつけたもので、後半の部分をカットしています。オリジナルはこんな演奏でした。
後半は全くイメージの違う曲調になっているのでポールはカットしてしまったのでしょう。しかし、そのおかげで世界中でヒットする曲になったのですからポールのセンスの良さがわかります。
この「明日にかける橋」のLPは全世界で2500万枚以上売れ、日本でも100万枚以上売れています。
実はこの4曲入りのレコードは「愛しのセシリア」が聴きたくて購入したものです。イントロのバックに流れるパーカッションの音が斬新で気に入っていました。また、中間部はカリプソ的な旋律が流れていて、当時民族音楽に惹かれていたことも相まって耳に残った曲でした。
イントロのリヴァーヴの効いたパーカッシヴな音の数々は、S&Gの二人が自分の腿を叩いた音や、ポールの弟エディ(Eddie Simon)がピアノの椅子を叩いた音などをミックスしたものだそう。それらをソニー製のテープ・レコーダーに録音し、リバーブを加えてリズム・トラックを作り上げられ、そこからサイモンによってギターのフレーズがミックスダウンされています。レコーディングで借りたロスの家でリラックスした雰囲気でのセッションだったという。録音は'69年の11月2日に行われています。
アルバム「明日にかける橋」は、ポールとガーファンクルの仲は修復できないほどの溝を生んでいた頃に制作されていて、コンセプトアルバムながら、昔の曲をカバーしているものが少なからず収録されています。この「バイ・バイ・ラブ」もそんな曲で、エバリー・ブラザーズの1957年のヒット曲です。ここでは、どうもアイオワ州エイムズ市、アイオワ州立大学での1969年11月のコンサート録音が音源が使用されているようです。
この曲はちょっと地味ですが、日本では「愛しのセシリア」とのカップリングでシングルカットされています。もちろんこちらがB面ですが、ここでの「ニューヨークの少年」は離れていくガーファンクルのことを歌っているようです。
このミニアルバム、後タイトル曲の「明日にかける橋」と「ボクサー」があれば良いとこ取りは出来てしまう訳で、良い買い物でした。