4 トゥ・ゴー !
アンドレ・プレヴィン&シェリー・マン
曲目
1.No Moon At All
2.Bye Bye Blackbird
3.Lif Is a Ball/ハーブ・エリス
4.It's Easy to Remember
5.You're Impossible
6.Oh, What a Beautiful Morning
7.I Know You Oh So Well/レイ・ブラウン
8.Intersection/シェリー・マン
9.Like Someone In Love
10.Don't Sing Along/アンドレ・プレヴィン
パーソネル
ピアノ/アンドレ・プレヴィン
ギター/ハーブ・エリス
ベース/レイ・ブラウン
ドラムス/
シェリー・マン
録音/1962/12/18 ハリウッド
P:アーヴィン・タウンゼント
このレコードとの巡り合いは、1973年でした。もうクラシックは聴き始めていて、アンドレ・プレヴィンの名前はロンドン交響楽団の首席指揮者ということも知っていましたし、一方では映画音楽の作曲家というのも認識していました。ただ、ジャズピアニストとしての認識はこのレコードが発売されて初めて知りました。もちろん再発です。ジャズの名盤が1000円ちょっとで聴けるという最良の時代出会ったことも幸いしています。
この頃各社からは1950年代から60年代前半にかけての名盤が惜しげもなく廉価版で投入されていました。しばらく前に取り上げた、見ると目地役損もそうでしたし、ゲーリー・バートンもしかりです。そして、個人的にもクラシックの世界からジャズにまで幅を広げ始めた時期とちょうど合致しています。
このアルバム、アンドレ・プレヴィン、ハーブ・エリス、レイ・ブラウン、シェリー・マンという名手4人による1962年のCBS録音の一枚ですが、そもそもはTVの「ステイーブ・アレン・ショー」に出演していた時バックのドン・トレナー・オーケストラのメンバーであったハーブ・エリスと共演してエキサイトしたことから生まれています。で、プロデューサーのタウンゼントを通じて、オスカー・ピーターソン・トリオで活躍していたレイ・ブラウントも話をつけ、ともに活躍していたシェリー・マンを加えてのカルテットが実現したというわけです。
しかし、ただ単にメンバーを集めただけでなく、メンバーにはオリジナル曲を1曲づつ持ち寄ってもらいアルバムを構成しています。ですから、無難なスタンダート曲集にはなっていません。アルバムは「Like Someone In Love」をウォーミング・アップがてらにスタートしています。
この曲、ランドルフ・スコット Randolph Scott、ジプスィ・ロウズ・リー Gypsy Rose Lee 主演の1944年の映画『Belle of the Yukon ユーコンの美女』に挿入された曲で、ヴァン・ ヒューゼンとバークのコンビが作っている。映画ではダイナ・ショア Dinah Shore がこの曲を歌っていました。ヒットしたのは1945年にビング・クロスビーが歌ったものでした。
A面一曲目はジャズ・スタンダードの「No Moon At All」です。1947年の作品で、月のない夜のアヴァンチュールを歌っています。いい選曲ですなぁ。ハーブ・エリスのギターとレイ・ブラウンのベース、シェリー・マンのスネアのバックで始まります。プレヴィンの入りはちょっとコケティッシュでおもわず微笑んでしまいます。
2曲目の「Bye Bye Blackbird」は、ブルース調の哀愁を帯びたプレヴィンのピアノで始まります。その後はハーブ・エリスのギター・が引き継いでいきます。こうして聞いてみると、ウェス・モンゴメリーもいいけどバーブ・エリスもいいよなぁ。
ということで、3曲目はハーブ・エリスの曲です。ノリのいい曲で、例・ブラウンのベースが聴きものです。
https://www.youtube.com/watch?v=yax_SB0z3jM
このアルバム、当時流行っていたウェスト・コーストジャズを満喫することができます。持ち寄ったオリジナル曲を聴いてみましょう。
I Know You Oh So Well
聴き始めたらはまってしまい、レコードを3周り聴いてしまいました。CDでこんな聴き方をしたら飽きてしまうのでしょうが、レコードの20分ほどでA面とB面をひっくり返すという儀式を挟むとちっとも長さを感じません。
これがレコードの魔力でしょうかねぇ。しばらくはジャズを取りあげることにしますか。