スメタナ四重奏団の「アメリカ」
ドヴォルザーク/
:弦楽四重奏曲 第12番 ヘ長調 作品96 "アメリカ"
1.第1楽章:アレグロ・マ・ノン・トロッポ 7:01
2.第2楽章:レント 7:58
3.第3楽章:モルト・ヴィヴァーチェ 3:26
4.第4楽章:ヴィヴァーチェ・マ・ノン・トロッポ 5:57
チャイコフスキー/
弦楽四重奏曲 第1番 ニ長調 作品11 "アンダンテ・カンタービレ付き"
5.第1楽章:モデラート・エ・センプリーチェ 8:38
6.第2楽章:アンダンテ・カンタービレ 6:30
7.第3楽章:スケルツォ(アレグロ・ノン・タント) 3:33
8.第4楽章:フィナーレ(アレグロ・ジュスト) 6:58
ハイドン/
弦楽四重奏曲 ニ長調 作品64の5 "ひばり"
9.第1楽章:アレグロ・モデラート 6:01
10.第2楽章:アダージョ・カンタービレ 5:28
11.第3楽章:メヌエット 3:57
12.第4楽章:フィナーレ 2:07
演奏/スメタナ四重奏団
録音/1966/09/14-16 プラハ 1-4
1966/06/12-14 プラハ 5-8
1966/01/23 マーティン・ルーサー・ハウス、ケルン 9-12
P:ゲルド・ベルク
E:エルンスト・ローテ
EMI HCD-1382

これは新名曲の世界シリーズの86枚目として発売されたものです。ジャケットは確かにアメリカのグランドキャニオンのものを使っていますから、あながち関連がないとは言えないのですが、どうもスメタナ四重奏団のイメージとは異なるもので、違和感を感じないわけにはいきません。ただ、レギュラー版として発売されているものはハイドンの「狩」を収録していないことを考えるとコスパは高い一枚になりますし、一般にはスメタナの代表盤と言われているものです。オリジナルのCDは下のジャケットデザインになります。

手元にはレコードで、このスメタナ四重奏団の最初の録音となる1958年録音のモノラル盤があり、以前はこちらを愛聴していました。

スメタナ四重奏団の残した「アメリカ」の録音回数は5回あり、モノラルの1958年、1966年、1978年、1980年で、残る1つは1987.9.13の録音、プラハ芸術の森にてスプラフォンとDENON共同制作盤です。後者2つは日本でのDENONによる録音で80年はPCM録音でもあります。
さて、このスメタナのドヴォルザーク、小生にとってはディフェクトスタンダードということもあり、もっとも耳に馴染んだものでもあります。基本的にスメタナは1956年以降はメンバーが固定されているのでその演奏スタイルはほとんどと言っていいくらい変わっていません。この第一回の録音と第二回の録音は8年の隔たりがありますが、表現方法はほぼ同一です。ちなみに、録音が新しくなるごとに演奏のテンポは遅くなっていて、このステレオ録音はやや、遅くなっている程度です。
■1950年代のモノラル録音
I=6'40"/II=8'05"/III=3'40"/IV=5'40" total=24'05"
スメタナ四重奏団は新しい曲に取り組む場合、1年目はひたすらアンサンブルの練習に励み、2年目で地方都市での演奏にかけ、3面目で大都市の怨嗟迂回で披露するというスタンスをっていたといいます。これで評価を得ればレコーディングをしたそうです。
このステレオ録音はまさにその評価の上で録音されたものとなっていて、この演奏では彼らの壮年期の力強さと、第1回目の録音時の若さに溢れた溌剌とした覇気を併せ持った表現が秀逸でまさに渾身の録音であったろうと思われます。まあ、一つ不思議なのは他の録音が全てスプラフォン=日本コロムビアのために行われているのに、この録音だけEMIに行っているのが今一つ理解できません。救いはEMIにしては録音も良好ということでしょう。
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