フランク・チャックスフィールド/2in1
「Beyond the Sea/LIMELIGHT」
曲目/
Beyond the Sea*
1 Ebb Tide 03:34
2 How Deep Is The Ocean 02:42
3 Deep River 01:39
4 Stranger On The Shore 03:09
5 Moonlight On The Ganges 02:25
6 Sea Mist 02:22
7 Shenandoah 02:50
8 The Sea 02:54
9 Moon River 03:30
10 By The Sleepy Lagoon 02:55
11 Victory At Sea 06:52
LIMELIGHT**
12 Limelight 02:46
13 The Man That Got Away 04:06
14 In The Still Of The Night 03:15
15 Scarlet Ribbons 04:01
16 Smile 03:51
17 Tonight 02:28
18 Theme From "Picnic" 03:16
19 Come Rain Or Come Shine 02:12
20 Night And Day 03:21
21 Here I Am 02:35
22 "Warsaw" Concerto 07:57
演奏/フランク・チャックスフィールド& ヒズ・オーケストラ
P:Tony D'Amato
E:Arther Lilley*,Terry johnson
録音1964*,1965**
英DECCA 4756149


これはDECCAから2004年にリリースされたアルバムです。LP時代のポップスは片面20分前後でしたから、CD一枚にLP2枚分を収録することは可能でした。そんなことで、いろいろなアーティストの2 in 1 のアルバムが一気に発売されました。これはその中の一枚です。
フランク・チャックスフィールドは1914年5月9日、イギリスはサセックス州Battleの生まれ、1995年6月9日に亡くなっています。デッカではどちらかというとマントヴァーにの陰に隠れていましたが、個人的にはデッカのイージーリスニングオーケスドの中では一番好きなアーティストでした。初期はマントヴァーにと同じようなストリングスを主体として演奏が多かったのですが、70年代前後にはぐっとリズムセクションを際立たせたスタイルに変わり、マントヴァーにとの違いわ打ち出したことが成功したんでしょう。
しかし、このアルバムにはストリングスを主体としていた頃の「引き潮」と「ライムライト」は全英、全米でミリオンセラーとなった演奏でもあります。時代感覚に敏感だったのでしょうなぁ。
彼のディスコグラフィには代表的なディスクに以下のような物があります。
・ Ebb Tide, London LL 1408
・ Velvet, London LL 1443
・ Evening in Paris, Decca LK 4081
・ Evening in Rome, Decca LK 4095
・ If I Had a Talking Picture of You, Decca LK 4135
・ Opera's Golden Moments, London Phase 4 21092
・ The New Ebb Tide, London Phase 4 44053
・ Globe-Trotting, London Phase 4 SP 44059
・ The New Limelight, London Phase 4 SP 44066
・ Hawaii, London Phase 4 SP 44087
・ Foreign Film Festival, London Phase 4 SP 44112
・ New York, London Phase 4 SP 44141
・ Beatles Songbook, London Phase 4 44142
・ Simon & Garfunkel & Jimmy Webb, London Phase 4 44151
・ Plays Bacharach, London Phase 4 44158
・ Chacksfield Plays Rodgers & Hart, London Phase 4 SP 44223
・ The Glory That Was Gershwin, London Phase 4 44254
・ TV's Golden Hits, Compleat Records 671020-1
ここに収められているのは彼がPHASE4のために録音した上記の赤字のアルバム2枚分です。波の音とカモメの鳴き声から始まる「引き潮」はけだし名アレンジです。巷にはロバート・マックスウェルのハープをフューチャーした演奏も知られていますが、このチャツクスフィールドの演奏は定番です。 PHASE4の音も素晴らしい臨場感で鳴り響きます。オーボエとハープの音色が何とも言えない味を醸し出しています。
で、こちらがそのロバート・マックスウェルの演奏です。
この後は、一転ジャジーな雰囲気の「深い河」、マントヴァーニばりの「ムーン・リバー」などバラエティにとんだアレンジが冴え渡る。一方のライムライトの方は映画のテーマ曲を集めた物だがこちらはピアノをある程度フィーチャーしたアルバムでドラムスも織り込んでよりスィンギングに仕上がっている。特質すべきはどちらのアルバムに1曲づつ7分以上の大曲が収録されていることでBeyondの方には「victory at the sea」、ライムライトには「ワルソー・コンチェルト」が含まれています。
ところで、このアルバム、タイトルには「Beyond the Sea」というタイトルの割に、その曲名がありません。これは曲としては、フランス語の「ラ・メール(海)」が原曲といってもいいのですが、これを英語の歌詞に書き換えた時に、タイトルにBeyondを付け加えて歌った物がまたヒットしたので、そのまま、英語のタイトルが一般的になってしまったようです。で、曲としてはここでは、もともとの「海」を意味する「The Sea」として収録されています。
もう一枚のアルバムは翌年に発表された、「ライムライト」。これがまたいい出来でクラシックの名曲アルバムも録音しているチャックスフィールドならではの名演でしょう。そのタイトル曲はこんな演奏です。