月刊映画音楽 7月号--ソノシートの世界 | geezenstacの森

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月刊映画音楽 7月号
「恋愛映画主題曲特集号」


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表紙はオードリー・ヘップバーン

 1月に「日本懐かしソノシート大全」という記事を書きましたが、その時ロフトから引っ張り出した箱の中から見つかったものにこの「月刊映画音楽 7月号」が混じっていました。その時にも紹介していますが、1960年代前半はソノシートブームでした。毎月月刊でソノシートを4枚ほど封入した形で、ブックとして発売されていました。
この月刊映画音楽はソノブックス社から1961年4月号から毎月発売されました。実際に発売されたのはその年の2月25日です。この7月号までには3冊が発行されています。

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創刊号が「思い出の名画主題歌」、5月号は「スクリーン・ヒットパレード」、そして5月号が「西部劇音楽」がそれぞれの特集となっています。この7月号は「恋愛映画主題歌」特集となっていて、6本の映画主題歌が取り上げられています。目次とともに確認すると、

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上記の作品が取り上げられています。歌物はジョン・ウェイン主演の1960年の20世紀フォックス映画「アラスカ魂」で、ボニー・ジャックスの歌声で収録されています。あとの5曲は編曲・指揮/
橋場清、演奏がスクリーン・ミュージック・オーケストラとなっています。まあ、製作にあたってのゴースト指揮者、オーケストラというわけです。この時代ですからひょっとすると岩城宏之氏の変名であったかもしれません。

 それにしても、雑誌としては内容は充実しています。今月の映画音楽の解説は映画評論家であり、オーディオ評論家でもあった「岡俊雄」氏、この号では作曲家のジョゼフ・コスマを紹介している「関光夫」氏は小生にポップス方面をナビゲートしてくれた映画音楽評論家でありDJでした。そして、懐かしい小森のオバチャマこと小森和子さんの記事も掲載されていますし、SFショートショートの元祖「星新一」氏の小説まで収録されているではありませんか。

 さらに表紙の見返しには全面広告で、この年公開されたロジェ・バディム監督の「危険な関係」の宣伝まで掲載されています。

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今回この広告で、この映画が「新外映」の配給であったと初めて知りました。この新外映、前身は「フランス映画輸出組合日本事務所」で創設時には文芸部長としてのちに小説家になる大岡昇平氏が字幕翻訳などを手がけていたようです。会社組織となったのは1952年で、以後フランス映画を中心に「歴史は女で作られる」、「菩提樹」、「僕の伯父さん」、「勝手にしやがれ」、「太陽がいっぱい」、「ピアニストを撃て」なんて作品を配給しています。

 でも、何と言ってもこの映画が有名なのは、音楽をセロニアス・モンクやアート・ブレーキーとジャズ・メッセンジャーズが担当していたことで、小生も作品としてでなく、映画音楽としてこの作品を知ったものです。