キング洋楽シングル・ダイジェスト盤!
ジャンクレコードを集中して取り上げていますが、第4弾はキングレコードの1971年12月発売のシングルのダイジェストサンプラーです。ジャケットはシングル盤はアーティストを勢ぞろいさせたものが使用されていて、アルバムより力が入っていたことが伺えます。トム・ジョーンズ。ダニエル・ビダル、レイモン・ルフェーヴル、エンゲルベルト・フンパーディンク、ジョーン・バエズ、ローレングストーンズ、ジルオラ・チンクエッティ、カテリーナ・バレンテ、セルジオ・メンですとブラジル66
ハーブ・アルパートとティファナブラス、ナット・キングコール、ムーディ・ブルース、そしてボサ・リオという面々です。この当時ならカーペンターズが含まれてもおかしく無いのに彼らの写真は使われていません。
それにしても豪華なもので、ポピュラーの分野ではキングがアーティスト的に一番充実していたのでは無いでしょうか。しかし、シングル盤のダイジェストは曲目の一覧も制作されてい無いようでジャケット裏面は真っ白です。レコードのラベルは横文字で印刷されているので中身が非常に分かりにくくなっています。そこで、レコード店側で手書きで書き出しています。順番はバラバラですが、売れそうな曲には赤のアンダーラインが引っ張ってあります。今から思えばちょっと外れもあるなぁという印象ですが、一番売れたのはやはり、クインシー・ジョーンズの「鬼警部アイアンサイド」でしょうなぁ。
キングがいいのは映画音楽のヒットもちゃんと網羅しているところです。このレコードでは「愛すれど哀しく」がサントラで収録されています。原題は「BUBU」というイタリア映画で音楽は。カルロ・ルスティケリが書いていました。この当時はイタリア映画も元気がありました。主演はオッタビア・ピッコロとマッシモ・ラニエリで1972年1月に公開されています。
この曲目の中で当時ヒットした記憶があるのはキャット・スティーブンスの「雨にぬれた朝」とドン・マクリーンの「アメリカン・パイ」でしょうか。さらに言うなら、スレー・ドッグ・ナ糸にカバーされてヒットしたポール・ウィリアムスの「オールド・ファッションド・ラブ・ソング」でしょう。
キャット・スティーブンスは今はイスラム教に改宗して「ユスフ・イスラム」と改名しています。キャット・スティーヴンスは本名をスティーヴン・デメトレ・ジョルジオといいますが、女友達のカーリー・サイモンから「あなたの瞳、猫のようね」と言われて命名したそうです。
曲は、彼がキリスト教徒時代のもので、元々は賛美歌で、日本ではこの歌は讃美歌444番「世のはじめさながらに」として歌われています。テレビのCMでも使われていたので聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。この曲でピアノを弾いているのは、リック・ウェイクマンです。
ドン・マクリーンの「アメリカン・パイ」は長い曲(8:36)で、シングルではAB両面を使ってそれぞれパート1、パート2として収録されています。こんな曲がヒットするんですからねぇ。
もともとは「オールド・ファッションド・ラブ・ソング」はポール・ウィリアムスがカーペンターズのために書いた曲です。それをリチャードが断ったために、スリー・ドック・ナイトに渡ったという経緯があります。それが功を奏したのか、この曲は大ヒットします。で、自らもカバーしたのがこの録音というわけです。
そのスリー・ドック・ナイトの演奏はまさに古色蒼然のサウンドで雰囲気たっぷりです。