第6回めいおん音楽祭 | geezenstacの森

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フェスティバルオーケストラ演奏会
 
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 月が変わった11月1日、名古屋音楽大学で開催中の「第6回めいおん音楽祭」の「フェスティヴァル•コンサート」を聴いてきました。今回のプログラムは第1部がアメリカ音楽、第2部がヨーロッパ音楽というプログラミングがなされていました。曲目は以下のようになっていました。
 
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 いきなりガーシュインの「ラプソディ・イン・ブルー」で幕開けです。ステージ中央にはグランド・ピアのがすでにセットしてありスタンバイOKです。今年はサクソフォーンの専攻生が多いということで、近代の作品を中心に構成したということです。
 
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 このホールはステージと客席が近いので、中央でもこの距離感です。で、多分ガーシュインの「ラプソディ・イン・ブルー」を生で聴いたのは初めてだと思います。指揮は名フィルコンサートマスターの一人後藤龍伸さん、ピアノは愛知県立明和高校卒業で名古屋音大に在籍中の平野未来さんです。

 
 今の学生はジャズのセンスもあるので出だしからスィング感があります。今一般に我々が聴いているのはガーシュインのオリジナルジャズオーケストラバージョンではなく、グローフェが編曲したオーケストラバージョンですが、名アレンジです。グローフェは「大峡谷」を作曲していますが、最近はほとんど演奏されていません・小生たちの時代には「ミシシッピー組曲」というのも日テレ系の「大陸横断ウルトラクイズ」の中で使われて、そこそこ話題になりましたがこちらもすっかり忘れられています。
 
 最近はさらに改定された版も流布しているようですが、今回はこのグローフェ版で演奏されたようです。のだめで流行してからさらにメジャーになった曲ですが、人気が出るだけの要素は持っていますなぁ。ピアノも軽快でありながらタイトルのブルーな雰囲気をちゃんと演出していて、のっけから聞かせてくれます。いい演奏でした。
 
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 曲が終わり、ステージ上でピアノを片付けるまで、指揮の後藤氏がマイクを片手に曲の背景などを解説してくれますので、パンフレットに曲目解説がなくてもしっかり楽しめます。
 
 第1部の後半は、同じアメリカの作曲家ルロイ・アンダーソンのライト•クラシックの名曲が4曲演奏されました。なかなか考え抜かれた選曲で、「シンコペーテッド・クロック」なんかは普通はトライアングルでごまかす時計の模写をこだわりの目覚まし時計を用意し、それでちゃんと音を出していました。そうそう、初めて生でこうして聞いてみると、ルロイ・アンダーソンの曲にはティンパニは使われていません。ライト・クラシックといってもよりポップスに近いんでしょうな。
 
 後半はブラームス、ヨハン・シュトラウス2世、そしてブラームスというプログラムでした。ハンガリー舞曲とかスラヴ舞曲は全曲を聞くと疲れますが、これくらいの曲数だと気持ちよく鑑賞することができます。どれも名曲ですが、ドヴォルザークのスラヴ舞曲は、ケルテスのアルバムと曲目も順番も同じということですごく親しみが持てました。個人的にはこのケルテスの演奏が一番のお気に入りで、レコード時代にはそれこそ擦り切れるまで聴き込んでいたので同じレコードを2枚所有したという曰く付きの曲です。そんなことでついついケルテスの演奏と比較しながら聴いてしまいましたが、学生たちの演奏もよく指揮者について行っていてアインザッツもなかなか見事でした。なを、この中でズヴブ曲の第1番は12月のオーケストラの定期でも演奏される曲です。
 
 シュトラウスの音楽はウィーン・フィルのニュー・イャー・コンサーとでおなじみのものですが、個人的に「皇帝円舞曲」は生では初めて接しました。癖のある曲で、こんなものでワルツが踊れるのかしらと訝しく感じた次第です。
 
 知っている曲が多いのか客席のノリもよく、アンコールで演奏された「ラデツキー行進曲」では自然発生的に手拍子が始まり、ノリノリで盛り上がりました。楽しいコンサートでした。
 
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