バック・トゥー・1977 最初の海外旅行 10
ボンからザルツブルクは思ったより距離がありました。到着したのは朝の9:39分です。多分朝食は昨夜のうちに買ってあったパンと飲み物で簡単に済ませていたと思います。ついたら早速行動です。インフォメーションで地図をもらいまっすぐモーツァルトの生家に向かっています。

地図で駅は下中央、モーツァルトの生家は川向こうの赤丸19番です。

街中ということで棟続きの建物の一つがモーツァルトの生家です。


ザルツプルクはどうもここだけを見て、そそくさとウィーンへ向かっています。ザルツブルク発12:40でウィーンへは西駅に16:00に着いています。ウィーンには当時4つの駅があって、西と南、それにミッテ、フランツ・ヨーゼフです。ただ、今は南駅は無くなっています。今回の旅の大きな目的の一つはウィーンで音楽三昧が目標でした。そんなことで、拠点になる宿は大切でした。このウィーンには3月1日の到着で当初は3泊の予定でしたが、自由気ままな旅でしたから、コンサートのチケットの都合がついたので5日まで延長することにしました。おかげでローマ滞在は1日に短縮することになりました。
ウィーンではこんなコンサートに出かけています。

この写真は拡大できます。
3日と4日は連続で、国立歌劇場でプッチーニの「トスカ」と「椿姫」を鑑賞していますし、5日はムジークフェラインザールでウィーン響のコンサートを聴いています。
宿は西駅の南のシェーンブルナー通りに近いところだったような気がします。まだ、まだ一人旅が続きます。宿では次の日からの行動と同宿の仲間からいろいろな情報を聞き出します。1日延長を決めたのもこの時の情報が決め手でした。
2日は中心部のリンクに出かけて、オペラハウスやコンサート会場の確認と墓地に出かけています。その後は、リンクの Schwarzenbergplazから路面電車に揺られて終点のひとつ手前 Zentral-friedhof 2. で下車します。クラシックの作曲家たちの墓があるのは第32区Aで、正面(第2門)を入って並木道を200mほど行った左側にあります。このの並木道は映画「第三の男」のラストシーンに使われた場所です。

雰囲気がありますなぁ。この「第3の男」も好きな映画で、翌日はドナウ川にほど近いこの映画で使われた観覧車をわざわざ見に行っています。

これが楽聖の集まる墓です。左手にベートーヴェン、中央がモーツァルト、そして右側がシューベルトです。いずれも、以前は別の場所にありましたが現在はここに集められています。まあ、集合墓地に葬られた関係で、モーツァルトは記念碑ですけどね。
この中央墓地には、これらをはじめ、ヨハン・シュトラウス、ブラームス、シュトラウスの父、ヨーゼフ・ラン ナー、グルック、スッペ、フーゴ・ヴォルフ、ヨーゼフ・シュトラウス、エドワード・シュトラウス、ちょっと離れた所にシェーンベルク、もっと離れた所には ツェルニー、サリエリのお墓などもあります。
今思えば残念なことですが、美術には殆ど関心がなく、美術館は全く訪れていません。もったいないことをしました。
3日には日中は、第3の男の大観覧車を見に出かけています。ここへも路面電車を使い、地図を頼りに出かけています。ここはリンクの東側のレオポルト・シュタットというところにあります。大きな公園ですが、冬場の3月では殆ど人がいませんでした。

この大観覧車は映画よりも古く、1897年イギリスの技師 Walter Basset によって作られました。最高点が約65m、ゴンドラの数は15台、一周約15分、材質は鉄、木、ガラスです。日本の観覧車と違って巨大で、このゴンドラは一台20~25人まで乗ることができるとても大きさがあります。
映画「第三の男」は、1949年にウィーンで撮影され、キャロル・リード監督、オーソン・ウェルズとジョゼフ・コットンが主役として登場します。オーソン・ウェルズが映画ではハリー・ライムという悪役で登場し、有名なチターの音楽は、このハリー・ライムのテーマなのです。
彼はペニシリンを水増しさせ、闇で儲けていて指名手配中になっていました。そこへ長年の親友である、ジョゼフ・コットン(映画ではホリー・マーチンス)が親友に会うためにウィーンへやって来て、ハリーに会う・・・という話です。ウィーンに来てみると、親友のハリー・ライムが亡くなっていると聞かされショックに陥るマーチンス・・・でも話を聞いていくうちにおかしい・・・誰か別の人間がいるな・・・そこで映画のタイトルは「第三の男」です。
観覧車を見た後は、ドナウ川の方まで歩いてみましたが、とても「美しく青きドナウ」というイメージとは程遠い、どす黒い濁った川でした。ウィーンの森も森というよりは雑木林に近いイメージで、こことはウィーンの街を挟んで北側になりますが、ハイリゲンシュタットも似たようなものでしょう。
さて、ウィーンの街に戻ってからは恒例のレコードショップ巡りです。途中、喫茶店でウィンナコーヒーを飲みながらいろいろ物色したのを覚えています。