第80回セントラル愛知交響楽団の公開リハーサル | geezenstacの森

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第80回セントラル愛知交響楽団の公開リハーサル

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  8日の水曜日は、またまた稲沢市民文化会館へ出掛け、「第80回セントラル愛知交響楽団の公開リハーサル」を観賞してきました。何時ものように、事前にマーシー山本教授による「どえりゃあわかる!クラシック」があり、今回はストラヴィンスキーの「火の鳥」でした。

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 10日のコンサートでは1919年版が演奏されますが、通常のコンサートではこの版が順当でしょうか。白川ホールでは4管編成ではステージに乗りきれませんからねぇ。1911年版は曲の構成もちょっと違いますから、最初聴いたときはがっかりしたものです。

 解説の映像にはアバド/ベルリンフィルの演奏が使われていましたが、冒頭でヴァイオリンのコルレーニョ奏法が使われているのははじめて知りました。この公開講座、夏休みとあって今回は中ホールで開催されましたが、子供にはちょいと難解なのか思ったほど聴講者は集まりませんでした。でも、小生にとってはとても楽しい50分間の講座でした。

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 講座が終わると会場を大ホールに移してのリハーサルになります。恒例のようにその前にウェルカムコンサートがあります。今回はファゴットの二重奏で、ロッシーニの歌劇「セヴィリアの理髪師」から3曲のアリアとベートーヴェンのドイツ舞曲が演奏されました。いずれも編曲ものなのでどの極東ことは特定出来る知識を持ち合わせていませんが、こういう楽しみ方もあるもんだと楽しみました。

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 さて、いよいよ時間になってホールに入場です。今回は編成の大きな曲ですから舞台上は様々な楽器が登場しています。左手にハープ右手コントラバスの後ろにピアノ、打楽器は中央にティンパニ、左手に大太鼓、シンバル。木琴などが並びます。

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 指揮者は当初はジェンマ・ニューが予定されていましたが、ディエゴ・マルティン・エチェバリアに変更になっています。このエチェバリアは2015年の第17回東京国際音楽コンクール〈指揮〉第1位に輝いている逸材です。同コンクールにおいて2000年の第13回以来(下野竜也)となる第1位獲得と同時に、齋藤秀雄賞とアサヒビール賞も受賞しています。そのときの様子がYouTubeにアップされていました。


 さてさてリハーサルは、公開ということもありはりきっていたのでしょう、当初の予定を変更して、「火の鳥」の美味しい部分に変更されていました。最初は「魔王カスチェイの凶悪な踊りー子守歌ー終曲」からスタートです。一番盛り上がる所ですね。それも、この部分を途中止めることなく通しての演奏です。そんなことで、火の鳥を最初に堪能出来ました。先ずはオーケストラの実力を拝見と言った所でしょうか。その後は、この部分を45分程掛けてじっくりと軌道修正していきます。

 基本はインテンポでぐいぐいと引っ張っていきますが、流石スペイン生まれの指揮者、音楽の造りはダイナミックで情熱的です。魔王カスチェイの凶悪な踊りではリズムの切れを強調し、弦楽器のみでの分奏や木管のみ、金管のみというセクション毎に細かい支持が飛びます。最初の通しでは全体のバランスがちょっと悪かった所がみるみる修正されていきます。

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 この部分が終わると、今度は最初の序奏部分のリハです。コントラバスのユニゾンで始まり木管や金管のソロが短いフレーズで応答を繰り返しやがて弦のコルレーニョが登場します。まさに、講座で学習した所がそのまま演奏されて生でばっちり確認することが出来ました。

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 上の2枚の写真はオケのフェイスブックからお借りしました。ウェルカムコンサートのファゴットのお二人と金管のホルンが4本だけ左に配置されているのが良く分かります。

 ストラヴィンスキーを生で聴くのも初めてでしたが、その音楽作りを体験出来た貴重な公開リハーサルでした。指揮者ともども注目の演奏会です。