再興第101回院展 |

1日の休みの日に「再興第101回院展」へ出掛けて来ました。天気予報では午前中雨という予報だったので、午後から足を運びました。今回も会場を2カ所に分割しての大量展示となっていました。しかし、これでも院展のホームページに掲載されている作品数の半数ほどしか展示されていません。予習をしていったのですが、期待した作品はあまり展示されていませんでした。名古屋展では東海3県出身・在住作家を中心に展示されているのでこういうことになるのでしょう。
名古屋展での展示入選作品の一覧は下記で確認出来ます。
そんな中で小生の目に止まったのは下記の作品でした。

御大の田淵氏の作品です。ここ暫くは奈良は明日香の風景を描いていますが、今年はモノトーン風な飛鳥川の風景です。キャプチャーには次のように記されていました。
奈良県明日香地方を流れる飛鳥川は、日本で最も歴史のある川の一つです。古代国家の激しい興亡を見つめ、また、万葉人に愛でられてきた川ですが、いまではその面影を残さず、静かな田園の中をゆったりと流れています。 飛鳥川は今年もまた若葉の萠え出づる春を迎えました。

昔の難所である薩埵峠(さったとうげ)を越えた先、富士と駿河湾が一望できる地点から描いた明るい絵でしょうか。広重の53次の「由比宿」の構図によく似ています。やはり、画家の捉える視点はこういう構図になるものなのでしょう。

今年はイタチを描いた絵が数点ありました。その中でもこの作品は一面の雪景色とどこの巣穴から出てきたのでしょうか餌を探すイタチのコントラストが見事です。

大和繪の高雅な遺品として数多有る「花車」の中より京都御所を飾る板戸絵をモデルに使わせていただきました。本歌取りならぬ“本画取り”であります。 倭絵としての花の描き方の基本は、皆コチラを向いている様に描く事。三次元を二次元に置き換えても、さらなる魅力が溢れるからです。要らざる説明は控へ、面白い物は誇張する、こういう造形芸術は外国にはありません。二人の女官は平安時代の白描画を元に、それぞれ「紫匂」「紅匂」と言はれるかさねの色目と、紋様とで装ひ、虹をあしらってみました。画題が先にあり、それへ向かって額装意匠も含め、楽しく愉快な作画となりました。日本画らしさを大切にしてゆきたいと思います。
キャプションがすべてを物語っています。今回の展覧会のポスターは高橋天山氏の「紫上」が使われていますが、その原画も入り口に展示されていました。

今年の作品で今迄と傾向が違っている作品に出会うことが多かったのですが、これもその一つです。今迄はブルーを主体にした作品が多かったのですが、これはかなり控えめになっています。作品も具象と抽象の入り交じった不思議な作風です。

この岩永氏は暫くターミナル駅を描いていましたが、今年はやや違うものを仕上げてきました。そして、今のシーズンの鑑賞に相応しい紅葉の木々をメインにその先の広場を捉えています。紅葉を描いた作品は他にもありましたが、鮮やかな紅というよりは渋い色合いです。これはヨーロッパの紅葉でしょう。

実際の作品を目の前にすると、圧倒される大きさです。襖4枚文野大作で、色使いといい現代版の襖絵なんでしょうか。キャプションでは金色を使って幻想的な景色となったことを述べています。
平成22年、角館・平福記念美術館にて発表する事が出来た際、美術館の裏庭には小さなヤエベニシダレが咲いていました。会期中、満開の花を写生して帰りましたが、その後は何度おとずれても葉桜に。いつか桜の花が描ける時を待っています。 取材に時間をかけているのですが、いいかげんな見方しか出来ていないようです。 ふと葉を「金」で表現してみようと思い、実行に移してみました。やって見ておかしな表現になったとしても、少しずつ生かす表現にしてゆきたいと思っています。


奨励賞を受賞した作品の中ではこの2点が目を惹きました。

これが日本画の真髄なんでしょう。こういう表現は日本画しか出来ないように思います。まるで絵巻物の世界です。
雅なる日本画世界を表わすに欠かせない雪月花というテーマ。長年描いてみようと思っておりました、その実現であります。 洋画風に人物画、風景画、静物画などと分別するのでなく、花鳥画、山水画、歴史風俗画、と言う様に大別される大和絵。その本来の素晴しさをひとことで代表してしまうのが雪月花というテーマではなかろうかと思います。 紅花、柿、菊、藤バカマなど、草木染和紙を重ね張りし、襲(かさね)の色目としてフチ取りしてみました


地元を拠点とする作家による2点です。上は鶴舞公園の「奏楽堂」、下は地元名鉄電車ということが直ぐに解ろうというものです。
個人的には、今年の日本美術院賞や足立美術館賞は納得のいく作品ではなかったので敢えて取り上げていません。
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