第19回 オーケストラとソリストたちの夕べ | geezenstacの森

geezenstacの森

音楽に映画たまに美術、そして読書三昧のブログです

第19回 オーケストラとソリストたちの夕べ

イメージ 1


日程 2016年10月6日(木)
時間 開場/17:30
開演/18:00
会場 愛知県芸術劇場コンサートホール

○G.プッチーニ/歌劇「ラ・ボエーム」より 私の名はミミ
ソプラノ 小坂 有理亜
○W.A.モーツァルト/ピアノ協奏曲 第20番 ニ短調 KV466
ピアノ 奥村 明子
○安倍 圭子/プリズムラプソディー
マリンバ 髙木 桃子
○E.エルガー/チェロ協奏曲 ホ短調 op.85
チェロ 坂上 諒
○S.ラフマニノフ/ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調
ピアノ 大友 郁
指揮:後藤 龍伸
演奏 : 名古屋音楽大学オーケストラ

 木曜日はコンサートに行って来ました。昨年は仕事の都合で行けなかったのですが、このコンサート通常のコンサート2回分のボリュームがあります。今年は声楽も加わりさらにボリュームアップされていました。指揮は名フィルのコンサートマスターでもある後藤龍伸氏でした。発表会という意味合いもあり、カーテンコールは無く淡々とコンサートは進められていきます。

 最初はプッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」より有名な「私の名はミミ」か歌われました。最初ということで、声が充分出ていない所もありましたが、オーケストラとのバランスは良く気持ち良く歌っていたのではないでしょうか。

 オーケストラの編成は第1ヴァイオリンが3プルトということで、どちらかというと室内オーケストラを少々大きくした程度の編成でした。ということで、モーツァルトのピアノ協奏曲第20番は小じんまりとした演奏ではありましたがバランス的にはちょうど良いソロとオーケストラの掛け合いでした。ソロが脚光を浴びる演奏会という意味では、第2楽章当たりはもう少しゆっくりとしたテンポで、自己主張しても良かったのかなとも思えました。それはさておき、芸術の秋にモーツァルトの調べを楽しませていただきました。

 今回のコンサートの聴きものの一つは、3曲目の安倍 圭子/プリズムラプソディーでした。この作品はいわゆる現代音楽で、マリンバ奏者の安部圭子さんの30作目の作品です。もともとは、「プリズム 無伴奏マリンバのための」を協奏曲の形式で編曲したものです。ですから、吹奏楽協奏曲版、デュオ版、アンサンブル版、と様々な形に姿を変えて作曲されています。6連符からなる高速な技巧的パッセージが要求される作品でなかなかの難曲です。このオーケストラ版では冒頭のオーケストラの全奏から惹き付けます。ソロのマリンバは6本、4本、2本と、マレットの持ち替えを行いますが、見せ場は2本での高速打込みです。こう言っちゃあ何ですが、全体的にはシンゴジラの登場シーンに相応しい音楽です。こんな曲です。

 

 ネットで探したらペトレンコがHr交響楽団を指揮したものが引っかかりましたが、中々の名演です。実際の演奏では編成の小さいオーケストラが精一杯頑張っていました。

 後半はエルガーとラフマニノフというボリュームたっぷりの内容です。チェロ協奏曲の近年の代表作ともいえるエルガーの作品で、世にチェロの3大名曲と呼ばれる作品ですな。ちなみに筆頭はドヴォルザークで、残りはシューマンとかハイドンが入るようです。一応4楽章の作品ですが、このコンサートでは第1楽章と第2楽章は続けて演奏されました。チェロの坂上 諒君は中々の実力の持ち主で、既にあちこちのコンサートで活躍しています。音楽の表現が大きく良く鳴るチェロと供に既にソリストとしての地歩を固めいてます。全国区になるのも時間の問題でしょう。

 最後は、ロマン派の名曲ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番でした。第1楽章の冒頭は非常に遅いテンポで弾き始めたので、これは中々期待出来るナゥト思ったのですが、徐々にオーケストラのテンポに引きずられてしまい(?)、それに連れてミスタッチが出てしまったのが残念です。自分のテンポでしっかりしたタッチで弾くことが出来るようになれば、伸びしろは充分にあると思われます。

イメージ 2


 それにつけても、秋の夜長の一時、たっぷりと名曲に浸ることが出来ました。